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suzumuraxxxjun
⚪️企画作品|人魚裁判所
裁判員候補者名簿にあなたの名前が登録されました──人魚裁判所からの呼出状だ。
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私は裁判員候補者として、霞ヶ関にある人魚裁判所に行かねばならない。選任手続きのためだ。原則としてこれを断ることは出来ない。
私は会社に休暇申請(有給休暇)を提出した。また正式に選任された場合はさらに追加で休暇が必要になる旨、申し添えておいた。
大事なプロジェクトが走っていたが仕方がない。これも法律上の義務であるから、ジタバタせず、半ば諦めモードで対処するしかない。
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人魚裁判所に着くと私たち候補者は会議室のような部屋に案内され、それぞれ決められた席に着いた。机の上には選任手続きの流れや担当する事件の概要が記されたレジメ(冊子)が置かれていた。
強制わいせつ事件だった。
レジメには被告人と被害者の実名も記されていた。私たちは先ず彼らと利害関係がないことを確認しなければならない。人魚の知人や親類を持つ者はそう多くないが、念のためということなのだろう。
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裁判員の選任手続きは別室のコンピューターによるくじ引きで行われる。くじ引きが終わるまで私たちはただ待つ。私は十六番だからその番号が出たら当たり(裁判員確定)ということだ。
くじ引きが終わり、モニターに結果がひとつずつ表示されていく。期待を引っ張りたい訳でもないのだろうが、そうまでしてタメを作る必要があるのだろうか。こちらも思わず祈ってしまう。
ハズレた。
別に不愉快とまでは言わないし、むしろ良いと言えば良いのだけれど、癪にさわる。
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後日、半日分の日当と交通費が指定口座に振り込まれた。
5,117円だった。
(おわり)
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