認めたくない
きっかけはくだらなくて、YouTubeで見てた動画の中で、ラブホでよく流れる音楽が一瞬使われてたってだけで。
彼女とラブホに行ったことはないのに、彼女の友達が流したラブホの音楽に2人して笑っちゃったことを思い出して、当たり前だけど彼女にも以前の男がいたことを今更強く認識しちゃって。
そこからもう嫌な妄想が止まらなくて、吸えた空気は嫌で満ちていて酸欠です。
認めたくなかったです。そんなに彼女が大事だって、認めたくなかったんです。別に他に男居てもいーよーとか過去の男とかどーでもいーよーとか思ってましたよ。俺の前では俺のことを一番に扱ってくれてたらもうなんでもいーよーとか思ってましたよ。実際ほんとに思えてましたよ。
だってみんな浮気するじゃないですか、しないよって言うあなたもどうなんですか?人生最大級の推しと絶対にバレないワンナイトできるならしますよ。生物的に身近なものですよ。
だからそんなこと考えたくなかったんですよ。俺といない時のあなたなんて考えたくなかったですよ。実際考えないでいられましたし、他の男と愛し合ってる場面を想像したって全然大丈夫でした。
今日は無理でした。今日が無理ならこれからも無理でした。この先ずっと無理でした。心があなたに染まりきってないフリをしておけば、この先来るかもしれない絶望を日常に落とし込めましたから、そういうフリをしていました。だから彼女への愚痴や嫌いなところを考えていました。だから色んな女の子と頻繁に連絡をとっていました。
杜撰なメッキは剥がれ落ちました。いつの間にかあなたは僕のものだっていう気がしてならなくて、なんだか離れていかない気がしていたけれど、そんなのわからなくて。ぐるぐる考えてたら、胃がおかしい。きっとあなたが離れていくと輪郭だけを残して僕は消えてしまう。
ただ、シンプルにあなたが好きなんです。気づきたくなかったです。一緒にいて笑い合えればいいと思ってましたから、それで笑い合えていましたから。それでもその先があって、あなたは僕のものじゃないといけなくて、僕の手の中にいないといけないんです。
曖昧な期待はしたくない僕に、こんな醜い期待をさせて、心の奥まで暴いて強欲を晒しあげたあなたには責任があります。あってほしいのです。
責任という都合のいい強い言葉であなたを縛り上げたいからです。僕の世界の中にいなくてはなりません。僕に愛を注いでくれなくては、ああ、なんだって、人の心はいかに不自由で、月が出てくると見えなくなってしまいます。
幸いなことに、彼女の心は未だ僕の中にありますから、この嫌な妄想が現実になる前に、閉じ込めなくてはなりません。失う怖さがあるから、行動を起こせました。僕からの不誠実で別れさせやしませんよ。今の息苦しさがあなたへの愛を思わせるから、今は苦しいままでいたいんです。
