理想の身体だけでは、足りなくなった。
初めてベンチプレスをしたとき、20kgのバーだけで限界でした。
「え、これだけ?」
正直、ちょっと恥ずかしかったです。
僕は174cm、60kgくらい。
昔から痩せ型でしたが、自分の身体に不満があったわけではありません。
太っているわけでもない。
服も普通に着られる。
力を入れれば、それなりに筋肉も張る。
むしろ、
「ムキムキより、このくらいのほうがモテるでしょ」
くらいに思っていました。
だから、筋トレなんて別に必要ないと思っていたんです。
少なくとも、自分には。
もっとモテたかった。それだけです。
筋トレを始めた理由を、それっぽく言おうと思えばいくらでも言えます。
健康のため。
40代からの体力維持のため。
将来の自分のため。
でも、最初はそんなこと考えていませんでした。
もっとモテたかった。
それと、このまま歳を取って、汚いおっさんにはなりたくなかった。
本当に、それくらいです。
ある男性向けの発信を見ていると、
「男の見た目を変えたいなら、身体も作ったほうがいい」
という話が何度も出てきました。
その頃、女性から自分の身体について「痩せている」と言われたこともありました。
僕としては、
「いや、このくらいでいいでしょ」
と思っていたんです。
細身のほうが服も似合うと思っていたし、それまで困ったこともない。
でも、ちょっと引っかかりました。
自分ではこれでいいと思っている。
でも、他人から見るとそうでもないのかもしれない。
だったら、一回ちゃんと身体を作ってみるか。
それで始めました。
一人で続けられる気は、最初からしなかった
普通にジムへ入会して、
「今日から頑張ります」
では、たぶん続かないと思いました。
僕、自分のやる気をそこまで信用していないんです。
そもそも筋トレのやり方も分からない。
YouTubeを見て家で始めても、最初の数日はやる。
でも、そのうち面倒になってやめる。
自分なら普通にありそうでした。
だから最初から、月8回のパーソナルトレーニングを入れました。
予定に入ってしまえば、少なくとも月8回はやる。
やる気が出るのを待つより、行く予定を先に作ってしまう。
今でも、
「今日ジム行きたくないな」
と思う日はあります。
なので、僕にはこのくらい逃げ道を塞いでおくほうが合っていました。
20kgのバーで、自分の勘違いに気づいた
最初のパーソナルでやったベンチプレス。
20kg。
重りをつける前のバーだけです。
それが、思ったより全然上がらない。
「え、待って。俺こんなに弱いの?」
ってなりました。
それまで自分を「細い」とは思っていました。
でも、「弱い」とは思っていなかったんですよね。
身体にも困っていないし、見た目もこれでいいと思っていた。
なのに、実際にやってみたら全然できない。
「俺、自分で思ってるより男として平均より下なんじゃないか」
そう思いました。
悔しかったです。
でも、そこで筋トレが嫌になったわけではありません。
できないなら、じゃあやるか。
それだけでした。
筋トレより、食べるほうが大変だった
始めてみると、筋トレそのものは嫌じゃありませんでした。
筋肉痛になると、
「昨日ちゃんとやったな」
と思える。
むしろ嬉しかったです。
困ったのは食事でした。
僕は昔から痩せ型で、忙しければ普通にご飯を抜くこともありました。
でも、身体を大きくしたいなら、それでは全然足りない。
思っていた以上に食べないと体重が増えません。
「食べても太らないなんて、贅沢な悩みなんだろうな」
と思いながら、本人は普通に困っていました。
しかも、ただ体重が増えればいいわけじゃない。
ぶよぶよになるのは嫌です。
そうすると、食べる量だけではなく中身も見るようになります。
食品を買うときは、裏の成分表を見る。
脂質が高ければ、
「あー、これはやめとくか」
って棚に戻す。
昔の僕なら、美味しそうか、食べたいか。
だいたいそれで決めていました。
今はそこに、
「これ食べたら、自分の身体はどうなるんだろう」
が入ります。
ご飯って、本当に身体の材料なんだな。
当たり前なんですけど、僕は筋トレを始めてから実感しました。
「残りの人生、無駄な時間使ってるわ」
もちろん、筋トレを始めて急に意識の高い人間になったわけではありません。
今でも普通にサボります。
休日の朝、
「今日は朝一でジム行くぞ」
と思っていたのに、気持ちが乗らなくて行かない日もある。
そういう日は、
「あー、今日の俺、負けたわ」
って思います。
ショート動画も見ます。
一本見て、また一本。
また次。
あれ、普通に面白いんですよね。
だから見てしまう。
でも最近は、見ながら、
「俺、誘惑に負けてるわ」
と思うことがあります。
さらに、
「残りの人生、無駄な時間使ってるわ」
とも思う。
そう思いながら、
「でも楽しいな、くそ」
って、また一本見ることもあります(笑)
これが今の僕です。
全部やめられたわけでもないし、毎日予定どおりに動けるわけでもない。
ただ、1時間あればジムにも行けるし、こうしてnoteを書くこともできる。
それを知っているから、何となくスマホを見て1時間終わると、
「あー、ほかに使えたよな」
とは思うようになりました。
20kgだったバーが、60kgになった
身体は、思っていたより簡単には変わりませんでした。
体重も筋肉量も増えない時期がありました。
やっているのに数字が変わらない。
鏡を見ても、
「もっと変わると思ってたんだけどな」
って思う。
でも、やめようとは思いませんでした。
食べる量が足りないのか。
食べ方が悪いのか。
トレーニングの仕方なのか。
だったら原因を考えて、またやる。
それを繰り返してきました。
そして今。
最初は20kgのバーだけで限界だったベンチプレスが、
60kgを1回なら上げられるようになりました。
初めて上がったときは、
「よっしゃーーーーーーーーーーー!!!!!」
ですよ(笑)
60kgが、筋トレをしている人の中でどのくらいの数字なのか。
そこは僕にはどうでもいいです。
僕の最初は20kgだった。
それが60kgになった。
できなかったことが、本当にできるようになった。
僕が嬉しいのは、そこです。
理想の身体だけをもらえるなら?
少し前に、こんなことを聞かれました。
もし、
「明日の朝、何もしなくても理想の身体にしてあげる」
と言われたらどうする?
そりゃ欲しいです。
楽ですから(笑)
でも、もう一つ条件がある。
「その代わり、今まで筋トレしてきた経験は全部なくなります」
と言われたら。
僕は交換しません。
努力した時間が尊いから。
頑張った思い出を失いたくないから。
……ではないです。
もっと単純で、
その身体、自分で維持できるか分からないから。
今なら、体重が増えなければ食事を見直せる。
筋肉量が増えなければ、トレーニングなのか食事なのかを考えられる。
一人だとサボるなら、僕みたいに先にパーソナルの予定を入れてしまえばいい。
分からなければ、知っている人に聞けばいい。
やってダメなら、また変えればいい。
そういうことを、実際に失敗しながら覚えてきました。
身体だけ突然渡されて、そこまで全部なくなるなら。
僕はいりません。
理想の身体だけでは、足りなくなった。
筋トレを始めた頃、欲しかったのはもっとモテる身体でした。
今も欲しいです。
そこは変わっていません(笑)
もっと格好よくなりたい。
お気に入りの服を着て鏡を見たときに、
「今日の俺、いいじゃん」
と思いたい。
でも今は、身体だけ欲しいとは思わないんです。
体重が増えなければ、何を変えるか考える。
サボるなら、サボりにくい予定を先に作る。
上がらなかったら、またやる。
分からなければ、教えてもらう。
そうやって、自分でそこへ近づける自分でいたい。
だから僕は、
理想の身体だけでは、足りなくなりました。
別に、筋トレさえしていれば人生がうまくいくなんて思っていません。
ただ僕の場合、欲しい未来へ行くために選んだものの一つが、たまたま筋トレだったんですよね。
それを続けているうちに、
「自分にできるかな」
より先に、
「じゃあ、どうすればできるんだろう」
って考えることが増えました。
もちろん、それで全部できるようになるなんて思っていません。
やってもできないことはあると思います。
でも、やる前から答えを決めるのはやめました。
あなたにも、
本当はやってみたいのに、
「自分には無理だろうな」
で止めているものはありませんか。
20kgのバーを持つ前の僕は、
自分が60kgを上げるようになるなんて知りませんでした。
今のあなたにも、
まだやってみていないから分からないことが、一つくらいあるかもしれません。
僕は、そういうものをこれからも一つずつ確かめていきたいです。
