Photo by
hoshizoramochi
**酒とジャズ* と「二人のソウル」
第7話* 短い人生が残す深さ
クリフォード・ブラウンとダイナ・ワシントン。 二人の人生は、驚くほど短く、そして驚くほど濃かった。 ブラウンは25年、ダイナは39年。 数字だけ見れば、あまりにも短い。 けれど、その短さの中に宿った音は、 長い人生を生きた人よりも深く、強く、まっすぐだった。
彼らの音楽には、時間の長さでは測れない“生の密度”がある。 ブラウンのトランペットは、誠実で、澄んでいて、 まるで人生の余計なものを削ぎ落としたような音。 ダイナの歌は、痛みも歓びもそのまま声にして、 聴く者の胸の奥を揺らす。
そんな二人の音がバーで流れると、 ウィスキーの琥珀色が、いつもより深く見える。 長く熟成されたオールドパーの香りが立ちのぼり、 その香りが、短い人生の濃さとどこか重なる。
ウィスキーは、時間をかけて熟成される。 ジャズは、時間をかけずに熟成される。 人生の長さではなく、 どれだけ“生きたか”で味が決まるという点で、 二人の音とウィスキーはよく似ている。
だから、ジャズとウィスキーは似合うのだと思う。 どちらも、人生の奥深さを静かに語るから。 どちらも、短い時間を濃密にしてくれるから。 そしてどちらも、 「生きるって悪くない」と、そっと教えてくれる。
クリフォード・ブラウンとダイナ・ワシントン。 短い人生が残した深さは、 今も琥珀色のグラスの中で、静かに揺れている。
人はそれを「ソウル」と呼ぶ!
タモ・ヤン著
いいなと思ったら応援しよう!
ありがとうございます。これからも人生が、魅力的で素晴らしいエッセイを書きます。又、何かのお役に少しでも立てばと体験談を書きたですね。
今まで歩いた人生は、運あり、裏切りの不運ありと不思議な旅です。
そんな話を共有できれば、嬉しいです。
おひねり(チップ)は、その活力になります。