#38 同じようで違う2枚の盾〜生債券と債券インデックス
同じようで違う2枚の盾〜生債券と債券インデックス
以前、「国内債券はガラスの盾?」という記事を書いた。そこで詳しく触れなかった、生債券と債券インデックスの違いについて、今回補足する。
1.満期という名の出口〜生債券
細かい説明は省くが、生債券には「満期」という出口がある。
保有中の債券価格の上下はあれど、満期まで持つことで額面通りの金額が戻ってくる。
これは、生債券には「満期まで持つ」という明確なゴールでもあり、安全資産と言われる所以だ。
2.出口の無い迷宮?〜債券インデックス
債券インデックスには、満期と言う出口がない。しかし、インデックス内部は、満期のある生債券で組まれている。それらをすべて満期まで持てば、元本割れもなく良いのではないかと思うが、それでは債券インデックスとしての役割を果たせなくなるから駄目らしい。何故なのか。
3.何故、赤字でも安売りするのか?
債券価格上昇での売却は分かるが、債券価格下落で元本割れしていても売却を行うのは何故か?なかなか理解し難い所である。
例えば、残存期間10年程度の中期債券ファンドが有ったとする。最初は10年程度だった債券も、時間経過と共にファンド内の債券の残存期間は、9年、8年と次第に短くなっていく。
これでは、中期債のつもりで買ったファンドが気付くと短期債に偏ってしまう。そのため、満期を待たずに債券を売却し、新しい債券を購入し、残存期間を維持することになる。
満期を待たずに売却するのは、損切りや利確とは別次元の話である。
理屈は分かるが、態々元本割れでの売却は、個人には理解し難く、納得感も持ちにくい部分だ。
4.損してもと取れてる?〜債券入れ替えのメリット
(1)今の金利環境を取り込める
金利が上昇すると、既に保有している低金利の債券価格は下落する。
一方、新しく発行される債券には、より高い利回りがつく。
債券インデックスは継続的に債券を入れ替えるため、劣化した金利の低い債券を塩漬けせずに手放し、新鮮な金利の高い債券を維持できる。
(2)ファンドが狙う当初の特性を維持する
債券は、残存期間が短くなるにつれて、金利変動に対する価格の感応度も小さくなる。この感応度が株価下落時のクッション効果につながる理屈(株価下落→資金供給(利下げ)→債券上昇)の一つだ。
入れ替えを行い、残存期間を維持することでクッション効果を維持する。
これが満期まで持てない理由の1つだ。
(3)ロールダウン効果の享受
債券は、イールドカーブが右肩上がりの場合、時間の経過によって債券の残存期間が短くなることで、債券価格が上昇することがある。これはロールダウン効果といわれるが、この効果により、債券価格下落を緩和させる効果が期待できる。
5.同じようで違う2枚の盾〜生債券と債券インデックス
生債券と債券インデックス、2枚の盾の違いを整理すると次の通りだ。
(1)生債券
◎この債券を買って、満期まで持つ
→ 満期という出口がある
→ 市場価格が下がっても満期償還を待てる
→ 相当変なものを選ばなければ、元本保全
→ 利息の再投資は自身で実施
(2)債券インデックス
◎債券市場に継続的に投資する
→ 個々の債券の満期を待たずに入替え
→ 残存期間などファンドの特性を維持のため、機械的に入れ替え
→ 今の金利環境の債券へ継続的に更新
→ 常に時価(市場価格)
生債券と債券インデックス、比べると別物具合がよくわかる。
何を守らせるかで、債券という2つの盾を上手く使い分けていきたい。
過去記事
#26 国内債券はガラスの盾?
https://note.com/65rougo/n/nbfa0aeb06093
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