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ANTELOPE AUDIO「Zen Quadro Synergy Core」の良い点と気になった点(オーディオインターフェイス レビュー)

これまでメインのオーディオインターフェイスAPOGEE「Symphony Desktop」を使っていましたが、ミニPCとの相性が良くなかったので試しにANTELOPE AUDIOの「Zen Quadro Synergy Core」を購入しました。

数年前に炎上的な騒ぎのあったANTELOPE AUDIOですが「Zen Quadro Synergy Core」は国内ではレビューの評価も高く、私自身も実際に使ってみて価格を超える性能をもった製品だと感じました。

他方で気になる点もいくつかありましたので、Zen Quadro Synergy Coreの購入を検討している方に少しでも参考になるようSymphony Desktopについて正直な使用感を「良い点」と「気になった点」に分けて整理したいと思います。




◆「Zen Quadro Synergy Core」の良い点


良い点①:モニターアウトの音が良い

この点は好みが分かれるところだと思いますが、個人的にはZen Quadroのモニターアウトからスピーカーに接続した際の音はSymphony Desktopよりも好みでした。

以下の記事で整理しているとおりZen QuadroはダイナミックレンジやTHD+Nの点でSymphony Desktopのスペックを若干上回っているものの、ダイナミックレンジやTHD+Nのスペックの違いは人間の耳では判別できないレベルであると思わるれるます。
Symphony Desktopは一応スペック上は周波数特性は「0.05dB以内」となっているのに対し、Zen Quadroはスペックをみても周波数特性に関する記載がなかったので、音の違いは若干の周波数特性の違いによるものか、自分の脳内補正の影響の可能性もあります。

Zen Quadroのモニターアウトの音は「さっぱり」とした印象で余計な低音が出ていないという印象で、定在波により低音が強くなりがちな一般住宅のリスニング環境では相性が良いような印象を受けました。

また Zen Quadro は独自の 64-bit AFC(Acoustically Focused Clocking) 技術により、音像の広がりや分離を重視した詳細で高解像な再生特性を持っているとのことで、これにより高域のキレや余分な低域の濁りが少ないクリーンな出力を実現しているのかも可能性も考えられます。



良い点②:DSPエフェクトの数が豊富

Symphony DesktopのDSPはイコライザーやコンプレッサーがメインで、リバーブが搭載されておらず、かつまたチャンネルストリップ以外のエフェクトをモニター音にのみ適用する場合には、別途数万円の課金をしなければならないというデメリットがありました。

Symphony以外のDSP機能の搭載されたオーディオインターフェイスとしては、RME  Babyface Pro FS、Neumann MT 48、MOTU UltraLite mk5などがありますが、これらにも基本的なエフェクトしか搭載されていません。

他方でZen Quadroは購入時からコンプレッサー、イコライザー、リバーブなどの他にモジュレーションやアンプシミュレーターなど、大量のエフェクト類が搭載されています。

Zen Quadroも課金をすることで使えるエフェクトの種類を増やすことができますが、エフェクトはモニター音にのみ適用し、DAWにドライ音を録音した上でミックス時に別のプラグインで音作りをするという方法であれば、課金をしなても最初から内蔵されているエフェクトだけでも十分だと個人的には感じました。


良い点③:入出力数が多い

Zen Quadroはアナログ入力端子が
・前面に2個(マイク、Hi-z、ラインに対応)
・背面に2個(マイク、ラインに対応)
の合計4個あり、いずれもファントム電源(48V)に対応しているため、コンデンサーマイクを同時に4個使った録音も可能です。

アナログの出力としては
・メインアウト
・ラインアウト
・ヘッドホン出力2系統
があります。

その他にデジタルの入出力として
・S/PDIF端子 (2チャンネルの入力・出力)
・ADAT端子 (最大8チャンネルの入力)※出力は非対応
があります。

10万円前後のDSP機能が搭載されたオーディオインターフェイスで、これだけ入出力数が豊富な製品は他には珍しいと思われます。


良い点④:前面にヘッドホン端子と入力端子がある

この点は、好みや設置環境によると思いますが、個人的にはZen Quadroは前面にヘッドホン端子2個・アナログ入力端子2個があるのは便利です。

Symphony Desktopはヘッドホン端子が2系統あるものの、うち1系統は背面の狭い場所にあり抜き差しが面倒なのと、ミニプラグ端子であるためヘッドホンに接続する際には変換プラグも必要でした。


またSymphony Desktopはマイク用のアナログ入力端子も背面にあるため、録音のたびに背面を覗き込むようにしてケーブルを抜き差しする必要があり、不便であると感じることも多かったです。

他方でZen Quadroは前面にヘッドホン端子2個・アナログ入力端子2個があるので、抜き差しする際に背面を覗き込む必要がなく簡単にセッティングをすることができます。


良い点⑤:あまり熱くならない

DSPが搭載されたオーディオインターフェイスは熱くなる機種が多く、夏場には熱対策が必要になることもあります。
夏場にSymphony Desktopを使う際には外部のファンで冷やしたしていたので面倒だと感じていました。

しかし、Zen Quadroは消費電力が小さいためか電源を入れたままにしていても、あまり熱くなりません。

熱くならないということは熱暴走する心配もありませんし、内部の部品の寿命に悪影響を与える心配もないので、精神衛生的にも良いです。


良い点⑥:電源供給の方法が複数ある

Zen Quadroはバスパワーで駆動するオーディオインターフェイスであるため、PCとUSBケーブル1本で接続することでPCから電力が供給されるため、基本的には別途電源を供給する必要はありません。

たた、バスパワータイプのオーディオインターフェイスは電力不足により挙動が不安定になってしまうことがあるため、敢えてパスパワータイプのオーディオインターフェイスは使わないという考え方を持っている人もいます。

ところが、Zen Quadroは、USBケーブル1本で十分な電力を供給できない場合には、もう1つのUSB端子から追加で電力を供給できるようになっているため、電力不足によるトラブルを心配する必要がありません。

ちなみに、電源に接続していないノートパソコンにZen Quadroを接続して、Zen Quadroにはアンカーのモバイルバッテリーから給電をするという方法でも再生することができました。

コンセントがない場所でも使える可能性があるのは非常に利便性が高いと思いますし、ライブで同期音源を再生する際にライブハウスの電源由来のトラブルを回避できるかも知れません。



良い点⑦:付属のソフトウェア(Control Panel)は慣れると使いやすい

ANTELOPE AUDIOは元々業務用の機材を販売していたメーカーということもあり、操作が複雑で取っつきづらいという印象を持っている人も多いと思います。

しかし、Zen Quadroを含む Synergy Coreシリーズに付属するミキサーアプリ(Control Panel)は「EASY PANEL」と呼ばれる比較的シンプルな構成になっており、一度使い方を覚えてしまえば意外と使いやすいです。

他社のオーディオインターフェイスのソフトウェアミキサーとは異なる特徴を持っているため、初めてANTELOPE AUDIOのミキサーアプリを操作した時は「?」となる場面が多かったですが、以下のAntelope Audio Japanの公式解説動画を見てからは、ほとんど操作に迷うことはなくなりました。
(古いミキサーアプリの解説動画なので現在のZen Quadroのミキサーアプリとは見た目が異なっていますが、基本的な使い方や考え方は同じです。)

例えばダイレクトモニタリングをする場合も、対応するチャンネルのフェーダーを上げるだけ、というように非常にシンプルです。

モニター音にエフェクトを掛けつつ、DAWにドライ音を録音する方法はクセがあるので初見では難しいと思いますが、上記の動画を見ればできるようになると思います。



良い点⑧:出力の音量調整が楽

この点は、Zen Quadroの良い点というよりも、Symphony Desktopの使いづらい点ではあるのですが、Symphony Desktopではヘッドホンアウトやモニターアウトの出力を調整する場合に、画面を何回かタップしなければならないことがあり面倒だと感じていました。

他方でZen Quadroの場合は、本体の「HP/MON ボタン」を押して、ノブをクルクルと回すだけで音量調整ができます。
しかも最後に音量調整をした項目が記憶されているため、例えば「ヘッドホン1」の音量を調整してZen Quadroの画面がホームに戻った後も、ノブをそのまま回すことで「ヘッドホン1」の音量を再調整することができます。
つまり、一度調整をすれば、その後はボタンを押すことなく、ノブをクルクルと回すだけで出力音量を微調整することができます。

当たり前のことのようではありますが、意外にこういった操作性の点で使いづらい機種もある中で、Zen Quadroは比較的使い勝手が良い部類の製品だと感じます。




◆「Zen Quadro Synergy Core」の気になる点


気になる点①:ヘッドホンアウトの音は悪くはないが・・・?

Zen Quadroを使っていて最初に感じたのは「ヘッドホンアウトの音はSymphony Desktopよりも好みではないかも・・・」という点でした。

比較時の音量が正確に合わせられていない可能性や自分の体調の問題もあると思います。
ただ、Zen Quadroよりもずっと価格の安いFOCUSRITE「Scarlett 8i6 (gen. 3)」の音を初めて聴いた時は「価格を考えると十分に良い音!」と思ったのですが、Zen Quadroのヘッドホンアウトの音は「さっぱり」しすぎているとというか、音が「軽く」「遠くに聞こえる」印象がありました。

この点は使っているヘッドホンにもよって感じ方も違うと思いますし、Symphony DesktopとZen Quadroで聴いた時の音量を正確に合わせられていないことで音が違って聴こえている可能性も否定できませんが、OLLO AUDIO X1のように低域が控え目なヘッドホンをZen Quadro接続するとより「芯が細い」サウンドであると感じてしまいます。

Symphony Desktopと価格が倍くらい違うので比較するのもどうかとは思いますが、Symphony Desktopのヘッドホンアウトの音は抜群に素晴らしかったため、それと比較してしまうとZen Quadroのヘッドホンアウトの音は少し迫力不足というか寂しい印象です。

各ヘッドホンアウトのスペック上のダイナミックレンジはZen Quadroが「118dB」でSymphony Desktopが「128dB」なので若干の違いはありあすが、人間の可聴域を超えるようなハイレベルで些細な違いなので、ダイナミックレンジの違いが音質の違いに影響を与えているとは考えにくいです。

Zen Quadroのヘッドホン出力が「軽く感じる」理由の1つは出力回路アンプ)の違いかも知れません。
Zen Quadro のヘッドホンの出力インピーダンスは少し高めであるのに対し、 Symphony Desktopは高電流・高出力設計 のヘッドホンアンプを搭載しており高い駆動力を持っているため、重厚で豊かな低域・中域のドライブ感 を与えやすいのだと思われます。
結果として同じヘッドホンでも Zen Quadro では音が軽やか・シャープ、Symphony Desktop では太く・豊かに感じられるのだと思われます。

ただ人によってはZen Quadroのほうが音のトランジェント特性やキレが良いと感じるかも知れません。
Zen Quadroのヘッドホンアウトは低域を押し出す感じではないため、低域の余分な持続(オーバーハング)が出にくく、結果として中低域が膨らまず「スッと消える」「ボワついていない」「低域が整理されている」と感じられることもあります。

そういった意味では、どちらかというとZen Quadroはミックス作業向きのサウンドで、Symphony Desktopは音楽を楽しく聴く用途にも最適、と整理することもできるかも知れません。

しばらくZen Quadroにのみヘッドホンを接続して毎日のように音楽を聴いていると耳も慣れてくるようで、徐々にZen Quadroの音も良い音ではないかと感じるようにはなってきました。


気になる点②:本体で細かい設定をするのは現実的ではない

この点は購入する前から分かっていたことではありますが、Zen Quadro本体で操作できるのはボタン3個とノブ1個のみであり、画面もタッチパネル式ではないので、本体だけで細かい設定をするとなると複雑な操作が必要となり面倒です。

録音時に細かい設定をする場合はPCにインストールしたミキサーアプリ(Control Panel)が必須である、と考えておいたほうが良いと思います。

自宅・スタジオなどのマルチディスプレイ環境で使うなら問題はないですが、外出先でノートPCの小さい画面が1つしかないという環境で使う場合には、「DAWのミキサー画面」と「ANTELOPE AUDIOのCotrol Panelの画面」を行ったり来たりすることになり、セッティング作業が面倒だと感じます。

ただ、この点は他のソフトウェアミキサーを搭載したオーディオインターフェイスにも共通するデメリットではあるため、Zen Quadroの特有の問題ということではありません。


気になる点③:電源ボタンがない

この点も購入する前から分かっていたことですが、Zen Quadroには電源ボタンがないため電源を完全に切るためにはUSBケーブルを抜くか、USBからの電源供給を絶つ必要があります。

Zen Quadroは電源ボタンがない代わりに「スタンバイ」という機能があり、消費電力を抑えることができるようです。

ただ、Zen Quadroを「スタンバイ」の状態にするためには、毎回以下のいずれかの手順を踏む必要があり面倒です。

・本体の「GAIN」を⻑押して「CONTROL MENU」に入って「STANDBY」の項目を探してノブを押す

・PC側のミキサーアプリ(Control Panel)のSTANDBYをクリックする

海外のレビューを見ると(主にMac環境で)Zen Quadroで不具合が生じるたびに、Zen Quadroを再起動させるためにUSBケーブルを抜き差しする必要があり、面倒だというコメントも複数見られました。



気になる点④:プチノイズの問題

そもそも、今回Zen Quadroを購入したのはSymphony DesktopとミニPCとの相性が悪かったからなのですが、ミニPC(Geekom A6)にZen Quadroを接続したところ、Symphony Desktopと同様にプチノイズが発生するという現象が見られました。

このプチノイズの問題さえなければGeekom A6は最強レベルのコストパフォーマンスだったのですが残念です。

今のところSymphony DesktopよりもZen Quadroのほうがプチノイズの頻度が多少マシであるという印象ではありますし、Zen Quadroの問題というよりもGeekom A6の設計やAMDプロセッサの問題の可能性が高いです。

ただ、Focusrite Scarlett(8i6 3rd Gen)やローランドRubix24はミニPCに接続してもプチノイズは全く発生しないので、Zen QuadroやSymphony DesktopがPC側に求めている要件が厳し過ぎるのかも知れません。


気になる点⑤:AuraVerb(リバーブ)は掛け取りできない?

この点は自分の勘違いでしたら恐縮なのですが、Zen Quadroに付属するエフェクトのうち「AuraVerb」(リバーブ)だけは他のエフェクトと異なりインサートする方式ではなく、内部ミキサー上のセンドリバーブとして使われる方式となっています。

そのため、入力音にリバーブを掛けてモニター音(演奏者の聞く音)に返すことはできるものの、DAWでリバーブを掛けた音を録音することはできないように思われます。

リバーブを掛け録りできないという仕様は他社のDSP機能付きのオーディオインターフェイスでもみられますし、自分的にはリバーブは掛け取りすることはなく録音後にDAW上のプラグインで掛けたいので、この点は全く気にしていません。

ただ、人によってはZen Quadroを購入してから「思っていたのと違う!」と感じる人もいるかも知れないので、念のため指摘しておきます。



気になる点⑥:エフェクトのプリセットが微妙

Zen Quadroなどのオーディオインターフェイスの内蔵型のDSPエフェクトはレコーディングの現場で掛けることが多いため、プリセットを選択した上で微調整をしながら使う、という方法がスムーズです。

Zen Quadroには複数のエフェクトを組み合わせたプリセットはあるものの種類はあまり多くなく、各エフェクト単体にプリセットが用意されていないようなので、その場で自分の頭で考えながらパラメーターを操作する場面が多いです。

ただ、この点については他のオーディオインターフェイスも同様なことが多く、むしろプリセットすらないケースもあるので、Zen Quadro特有のデメリットという訳ではないと思います。


気になる点⑦:結露しやすい?

Zen Quadroの筐体は重厚感のある金属で覆われているのですが、冬に屋外で長時間持ち歩いたり寒い場所に保管していると、金属の筐体がキンキンに冷えます。
その状態でZen Quadroを暖かい部屋に移動させると表面が水滴で覆われるくらいのレベルで結露することがあります。

Zen Quadroは熱を放出するためのスリットが側面にあるため、表面が結露しているということはスリットから湿った空気が内部に入って内部の電子部品も結露している可能性があります。
結露は基本的に純水であるとはいえ、内部が結露した状態で電源を入れると最悪の場合ショートさせてしまうリスクもあるため、できるだけ結露しないように注意したいところです。

冬に屋外に持ち出す際にはできるだけ車などで移動するようにしてZen Quadroの筐体が冷えないようにしたほうが安全だと思います。

万が一、Zen Quadroの筐体がキンキンに冷えてしまった場合には、寒い場所にいるうちにジップロックや防水カメラバッグなどに空気ができるだけ入らないように気をつけてZen Quadroを入れて密閉した上で、室温に馴染むまで1〜2時間放置して、本体が室温にと同じくらいになったら開封する、というようにすれば結露を抑えることができると思われます。



気になる点⑧:ボタンの感触、ケーブルの抜き差し時のたわみ、振ると音がする

前記のとおりZen Quadroの筐体は重厚感のある金属で覆われていて、一見すると頑丈そうに見えるのですが、ボタンを押すと「カコン」という軽い音がして「大丈夫かな?」と不安になることがあります。

また背面のアナログ端子にケーブルを接続しようとすると背面部分が「たわむ」ことがあり心配になることもあります。
この点はローランドのRubix24も同じように「たわむ」ことがあったので特に問題はないとは思いますが、上からの圧力には強いものの背面から押される力には少し弱い可能性があり、持ち歩く際には注意をしたほうが良いかも知れません。

その他、Zen Quadroの筐体を軽く振ると中から「カラカラ・・・」という音がします。
おそらくボタンのスイッチ部分のバネか何かが鳴っている音だとは思いますので問題はないと思いますが(Zoom G2 fourも振るとカラカラ音がします)、もの凄く頑丈という訳ではないような印象もあります。


気になる点⑨:付属のUSBケーブルが短い

この点は気にならない人も多いとは思いますが、Zen Quadroに付属するUSBケーブルはかなり短いです。
PCとZen Quadroを同じデスクの上において接続する際には問題ないと思いますが、PCと離れた場所にZen Quadroを設置しようと考えている場合にはUSBケーブルの長さが足りなくなるため、別途ケーブルを用意する必要がありそうです。

ただ、USBケーブルが長すぎるとオーディオインターフェイスの挙動が不安定になることもあるため(PCとの相性にもりよりますが)、2m~3m以下にしておいたほうが安全だとは思います。



気になる点⑩:PCに認識されないことが多い(解決はできる)

Zen QuadroをPCに接続した時に、PC側に認識されずに音が出なかったり、Antelope Launcher上でも「デバイスを接続して」と表示されることがあります。

自宅用のデスクトップPCに接続した後に持ち出し用のノートパソコンに接続しようとした時や、USBケーブルを抜いてから再接続した時だけでなく、PCを休止状態から復帰した際にもこの症状が起きることがあります。

解決は簡単で

① USBのケーブルを抜いてからもう一度USBケーブルを挿す(再起動)

② ①でダメな場合は「GAIN」ボタンと「HP/MON」ボタンを同時に押しながらUSBケーブルを抜いて電源を落とし、再度USBケーブルを接続して電源が入ってしばらくしてから「GAIN」ボタンと「HP/MON」ボタンを離す

これで認識されるようになります。

ただ、毎回のようにUSBケーブルを抜き差しするのは面倒ですし、②の作業をするとZen Quadro内の設定もリセットされ、モニターアウトやヘッドホンアウトの出力などもデフォルトの状態に戻ってしまいます。

また認識されないという症状が出る度に上記の手順を踏まないといけないので「また認識されていないよ・・・面倒だな・・・」と思うことがあります。

USBケーブルを何度も抜き差しするのは端子に負担がかかりそうで怖かったので、データ転送にも対応したスイッチ付きのケーブルを購入しました。



気になる点⑪:特定のPCでAntelope Launcherが落ちる

IdeaPad Flex 550(AMD Ryzen 7 5700U内蔵)でAntelope Launcherを立ち上げてソフトウェアをダウンロード・インストールしようとすると、Antelope Launcherがすぐに落ちます。

Antelope Launcherを立ち上げて再度ソフトウェアをダウンロードしようとすると進捗率が数%くらい増えて、また落ちて、また立ち上げて数%くらい進捗率が増えて落ちて・・・という作業を根性で繰り返して何とかドライバはダウンロードしました。
しかし「Bundle」という名称のソフトウェアは容量が大きくて手間も時間もかかりそう(おそらく2時間くらい画面を凝視しながらマウスをカチカチしていないと終わらない)という状況でした。

管理者権限で実行しても、Windows Defenderをオフにしてもダメでした。

Geekom a6やStormのBTOPCでは問題がなかったので、PCにインストールされている何らかのソフトウェアと干渉しているのかと考え、ウィンドウズの右下にある常駐系のアプリを手当たり次第終了させたところ、Antelope Launcherが落ちなくなり何とかソフトウェアをダウンロード・インストールすることができました。(大変だった・・・。)

※追記:
・コメントでロジクールやPhilipsのマウスの管理ソフトが原因だったという情報を提供いただきました。ありがとうございます。
・私の環境ではPC独自の管理ソフト(Lenovo Vantageなど)あたりが原因だったかも知れないと推測しています。



気になる点⑫:サポートの中の人が忙しすぎ・・・?

Zen Quadroでノイズが出る件や、Antelope Launcherが落ちる件について、本国のサポートに英語で問い合わせてみました。

サポートの人はフレンドリーで印象は良いのですが細かい検証結果を送っても
「やあ!それは電力が不足しているだよ!追加の電源を供給してみて!グッドラック!」
といったようなシンプルな助言しか得られないことが多くて、有益な情報はあまり期待できなさそうな印象を持ちました。

何回か質問を続けてていると「ご返信できておらず申し訳ないね!多数の問い合わせがあって対応が遅れているんだ!でも、キミのことをは忘れているわけではないから、できる限り早く対応するから待っててね!」みたいなメールが来て、そのあとしばらく連絡が来なくなったりします。

Apogeeに問い合わせた際は「Windowsでオーディオインターフェイスをオフにした上でASIOだけで同じ症状が出るか確かめてくれ」「ログを全部送って」といったように細かい指示が送られてくるので、解決に向けて前向きに動いてくれている感じで好印象でした。

この点は製品の価格帯が違うので比較するのもどうかとは思いますが、Antelopeは低コストでハイスペックな製品を提供する代わりにサポートの費用は絞っている(それが悪いという意味ではありません)、Apogeeは製品の価格は割高に感じるがサポートにも十分な人員を割いている、ということもあるのかも知れません。


気になる点⑬:再生デバイスの選択画面が分かりにくい

ウィンドウズ画面の右下の再生デバイスの選択画面からZen Quadroを選択しようとすると
「Zen Quadro Synergy Core USB Audio Driver Playbac…」という選択肢が5個くらい並んでいます。
このうち1個が正解(Youtubeなどの音声が出力される「Zen Quadro Synergy Core USB Audio Driver Playback 1/2」)なのですが、私の環境では「 Playback 1/2」の部分が途中で切れているので、どれが正解なのか見た目で分かりにくくて「間違い探し」みたいな作業が必要になります。

各選択肢の上にマウスカーソルを重ねると「1/2」まで表示されるですが、一つずつ確認する作業は面倒です。
再生デバイスの名称をもっと短くしてくれれば分かりやすいのに、なぜこんなに長い名前にしたんだろう・・・と思います。

使わない出力をWindows側でオフにすれば解決できる可能性はありそうですが、デフォルトでこの状態は不便だと感じます。





◆結論:クセは強いがコストパフォーマンスに優れた高性能なオーディオインターフェイス


Zen Quadroを一言で表すなら

・少し気難しい側面はあるが性能面ではかなり優秀

・安定していればコストパフォーマンス面でも最高の機材

という感想です。

人間で例えるなら、たまに機嫌が悪くなって会社に来なくなったりするけど、基本的には素晴らしい仕事をしてくれるエリート社員というイメージです。
音は良いし機能も豊富でコストパフォーマンスも良いのですが、トラブルに逢うと面倒だな感じることがあります。

しかしながら、別の記事で整理したスペック比較においても、音質面で同程度のスペックの他メーカーのオーディオインターフェイスを購入しようとすると20万円~数十万円クラスの製品になってしまいます。


音質の良さに加えて、DSPエフェクトの豊富さ、入出力数の多さなどを踏まえた上で、10万円弱(2026年1月時点)という価格を考えると、他に対抗馬が見つからないレベルでコストパフォーマンスが良い機材であること間違いないと思います。

Symphony Desktopと比較した場合、音質面ではSymphony Desktopのほうが好きな部分はあるものの、特に以下の点ではZen Quadroのほうが優れていると感じました

  • 起動の速さ(完全に電源を落とした後でもすぐに起動する)

  • 熱対策が不要

  • DSPエフェクト類が豊富

  • 電源が取れない場所でも使える上にモバイルバッテリーから電源を供給できるので電源不足由来のトラブルも解決できる可能性が高い

  • 本体のアナログ入力端子が4個(Symphony Desktopは2個)

  • アナログ入力端子のうち2個は前面にあって抜き差ししやすい

  • ヘッドホン端子も2個とも前面にあって抜き差ししやすい(Symphony Desktopは1個が後ろにあってミニプラグなので面倒)

  • 2個のヘッドホン端子のスペックが同じ(Symphony Desktopは前面と背面でヘッドホン出力のスペックが微妙に違う)

  • 音量調整をするまでの手間が少ない

30万円以上のNeumann  MT 48と比較してもエフェクトの豊富さなどの点ではZen Quadroのほうが有利な部分もあります。

Zen Quadroはミキサーアプリの使い勝手も良く、自宅だけでなく外出先でも使える等の点で便利な点も多いと思われるため、しばらく使ってみたいと思います。


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