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お気楽お帰洛記(2026年夏)其参

こちらの記事は前回、前々回の続きとなっております。
ただの旅行記ゆえ、今回からでも読み進めるのに特段の支障はないのですが、もし宜しければ以下のリンクからどうぞ。

さてお帰洛二日目…

今回のお帰洛のもう一つの目的は、京都の街と共に、堺、奈良といった”侘び茶”の盛んだった地域を自分の足で歩いてみること。
という訳で、本日は利休さんの故郷である大阪・堺へと足を運びます。

早起きをして、意気揚々と最寄駅へと向かって歩いていたところ…
「エクスキューズ・ミー、スイマセン!」
途中、東福寺の山門前で突然、カタコトで話しかけてくる白人のおじさんに出会いました。
「?」
まだ朝なのに、大柄な体躯は全身汗みずく。

聞けば、家族とはぐれて、伏見稲荷大社で合流したいそうなのですが、稲荷まではここからは歩けば20〜30分の距離。
「う〜ん、歩くと結構かかりますよ」と伝えてみたところ
「What?! この暑さの中を30分!?」
”いやいや、ご冗談でしょ?”みたいな雰囲気でこちらを見るので、「じゃぁ、電車で行ったらどうですか?」と、一緒に東福寺駅まで向かうことに。

道中、どこからいらしゃったのかを聞いてみると、オーストラリアからだそうで、日本には何度か来ているとのこと。
「今、京都ではビッグフェスティバルがやってるんですよ」
そう教えてあげると、おじさんはスマホを取り出し「昨日、行ったんだ」と宵山の様子を見せてくれました。

覗き込んだ小さな画面の中には人がギュウギュウにひしめき合っていて、ザワザワの向こうから♪コンチキチンとお囃子が聞こえます。
「うわ、暑そーっ」という風流心のかけらもない感想しか出ませんでしたが、思えば、この時が今回のお帰洛で、僕が一番祇園祭に近づいた瞬間だったのかもしれません。

そして無事におじさんを京阪電車に乗せ…

僕は僕で2時間ほどかけて大阪・堺に着きました。
やっぱりそれなりに京都から距離はある感じ。

まずは戦国武将・三好長慶が創建し、利休さんらも修行をしたという禅寺の南宗寺に向かいます。

こちらが入口。幾つかの塔頭があるようで思ったより広々としています。
塔頭の一つ天慶院(閉まっていた)の前には利休の高弟・山上宗二の供養塔が!

この山上宗二という人は「つらくせ悪く口悪きものにて人のにくみしもの也(人相も口も悪いので、人に嫌われていた)」(長闇堂日記)という”身も蓋もない言われよう”で知られる、反骨の茶人。
一方で「山上宗二記」という茶の湯の変革期を歯に衣着せぬタッチで記した文書を残してくれた、とてもありがたい人でもあります。
最期は秀吉に反抗し、耳と鼻を削がれて亡くなったと聞きますが、そんな悲劇的な幕引きも含めて「どんなお茶をやっていたんだろうなぁ」と、想像を掻き立てられる存在です。

そして、そんな天慶院を横目にさらに進むと…、
南宗寺の受付があり、地元のボランティアガイドの方と境内を回ることに。
この方は裏千家でお茶を習われているそうで、痒いところに手の届く説明がたくさん。
前にここを訪れたという友人は「なんとなくいい加減なおじさんだった」と言っていたので、当たり外れがあるのかもしれません。

ガイドさん曰く、この土壁に使われている瓦は、秀吉によって焼き払われた堺の街の遺物だそう。

おかげで色々と面白い話が聞けたのですが、この辺りはまた改めて別の記事として書いてみようかと思っています。

という訳で、ここからは街歩きの写真を…

まずは利休さん、津田宗及と共に、”天下三宗匠”と言われた今井宗久のお墓がある、今井家の菩提寺・臨江寺。

ヤリ鉋をかけた”なぐり”と言われる木材の加工と、引き戸の細い桟のバランスが絶妙。

ここは先ほどの南宗寺の門外塔頭だそうで、一般の拝観は受け付けていない模様。
やむなく入り口だけを写真に撮りましたが、この軽やかで落ち着いた佇まいはとても惹かれるものがあり、いつか中を覗いてみたい気がします。

そして、そんな今井宗及の義理の父にあたり、利休の師匠でもあったと言われる大茶人・武野紹鴎の邸跡。

諸行無常…、今は石碑だけで周りは駐車場でした。

そして利休の邸宅跡にも行ったのですが…

ここにもいらっしゃったボランティアガイドのおばちゃんと話に熱中しすぎて、写真を撮り忘れるという痛恨のミス!
今回の方は茶道などはやっていないようでしたが、とにかく”大阪のおばちゃん”という感じで面白く、ほぼ茶の湯とは関係のない身の上話をペットボトルの麦茶片手にフムフム聞いていたら、もう堺を出る時間
(一応、資料に書いてあることはきちんと説明してくださいました)。
「はるばる堺まで来て、炎天下で何の話をしていたんだ?」とは思ったものの、それはそれで一人ぼんやり史跡を巡るのとは違った、大阪らしい人情味を楽しんだのでした。

ともかく実際に堺を歩いてみた感想としては、パッと見は普通の街で当時の面影のようなものは感じられないのですが、
「ここにあの人が住んでいて…」
「このお寺にみんなで集まって…」などと考えながら歩を進めていくにつれ、少しずつ当時の茶の湯のイメージが浮かび上がってくるような感じがしました。

そしてもう一つ面白かったのは、複数の方が「奈良は生駒山を超えたらすぐやからね」とおっしゃっていたこと。
この感覚は、京都にいるとあまりピンと来ず、明日の奈良の街巡りに大きなヒントを得たような気がして、意気揚々と帰路に着いたのでした。

おまけ

ついでに、帰りに寄った大阪市立東洋陶磁博物館の面盆(顔や手を洗う容器)がとても可愛かったのでお裾分け。
正式名称は「五彩 松下高士図 面盆」というそうです。

松の下にいる高士と童子のお馴染みのモチーフなのですが…
二人とも、とても仲良しで楽しそう!

という訳で、暑さの所為か、だんだん”お気楽”というより”ユルユル”なリポートになりつありますが、次回はようやく最終回・奈良編です。
(次回に続く)

という訳で最終回に行く前に…

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稽古場情報
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流派:表千家茶道
茶道体験:1回5000円 炭、お茶・お菓子代など込み。
お稽古:月2回で10000円 炭、お茶・お菓子代など込み。
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詳しくはホームページ
またはkubomsh@gmail.comまで、お気軽にご連絡くださいませ。

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