見出し画像

1頭の牛さんが変えた世界史? ヴァイキングの忘れられた大冒険

(ザザッ…)画面をスクロールして、チューニングを合わせて。
ようこそ、『アソート・ボックス・ラヂオ』へ。

ねえ、アメリカ大陸を最初に見つけたのって誰だか知ってる?
学校ではコロンブスって習うけれど、実は彼が海を渡る約500年も前に、北欧のヴァイキングたちが今のカナダに小さな開拓村を作っていたんだって。

1960年代にカナダで「ランス・オ・メドー遺跡」が見つかり、2021年の科学雑誌『Nature』では「西暦1021年」に活動していたことまで証明されたの。

でもね、この大冒険、北欧の古い記録『グリーンランド人のサガ』や『赤毛のエリックのサガ』によると、びっくりするくらいマヌケな理由で終わりを迎えちゃったんだ。
そう、主役は彼らが連れてきた1頭の「牛さん」!

当時は「中世温暖期」。海氷が劇的に減った絶妙なボーナスタイムに支えられて、彼らは「ヴィンランド(ブドウの地)」という暖かい土地を見つけたの。

サガの記述によるとね、ソルフィン・カルルセヴニ・ソルザルソンが60人または160人を率いてヴィンランドに引っ越したんだ。

入植初期の段階では先住民とヴァイキング両者の間で、平和的な交易が行われていたんだって。
先住民たちはヴァイキングの拠点にカヌーでやってきて、自分たちが持ってきた貴重な毛皮や各種の皮を出し、ヴァイキング側は先住民が欲しがった鉄の武器の取引こそ固く禁じたものの、代わりに布や牛乳などの乳製品を出し、お互いに言葉が通じないながらも、穏やかで互恵的な関係を築いていたと記録されているの。

ところが!その平穏を破ったのが、ヴァイキングが連れてきていた「牛さん」

「さて、彼らの雄牛が森から飛び出してきて、激しく吼えた」って、『赤毛のエリックのサガ』には、交易中に牛が現れた時の様子が記録されてるんだ。

当時のアメリカ大陸には大きな家畜がいなかったから、先住民たちには牛さんの「モーーー!!」が、未知の怪獣の恐ろしい大咆哮に聞こえちゃったんだね。

『グリーンランド人のサガ』によると、大パニックの先住民たちは、近くの建物のドアに「助けて!」とドッと殺到。でも、襲撃と勘違いしたリーダーのソルフィンたちはドアを閉めて拒絶しちゃう。『赤毛のエリックのサガ』では先住民たちは舟で逃げ帰っちゃったって書かれてるの。

これがボタンの掛け違いの始まり。数週間後、怒った先住民たちは、長い棒の先に「青黒い大きな丸い球」をつけた見たこともない不思議な武器を持って大軍でリベンジにやってきた!
地面で不気味な大音響を響かせるその武器に、今度はヴァイキングの屈強な男たちが大パニック。クモの子を散らすように逃げ出しちゃった。

そこへ立ち上がったのが、妊婦さんだったフレイディスさん!
剣を拾うと、なんと剣の平らな側面で胸をドンドンと激しく叩いて見せたの。身重の女性が鬼の形相で迫ってくる、よくわかんない大迫力に、先住民たちは戦意を喪失して退散していったんだって。すごいなぁ。
遺跡からも牛の骨や糸紡ぎの道具が見つかっているから、本当にあったドタバタ劇なんだろうね。

結局、銃や馬を持たないわずか60人から160人ほどのヴァイキングにとって、数千から数万人の先住民が暮らす新大陸はリスクが高すぎたんだ。
母港グリーンランドまでは1200キロ以上。孤立無援。さらに村の中で女性をめぐる激しい内紛まで起きちゃって、彼らはわずか数年で「引っ越し」を諦めることにしたんだ。

ソルフィンは「この土地は豊かで素晴らしいが、ここに住めば常に先住民との戦争と恐怖がつきまとうだろう」と撤退したけれど、最新の分析では、彼らはその後も数百年にわたり、必要な木材を採るために船でカナダの森へ通い続けていたことが分かっているんだよ。ちょっとシャイな距離感で付き合い続けたんだね。

言葉が通じないことから起きた、大パニック。
もしあの時、牛さんが静かに草を食んでいれば、今頃アメリカは北欧文化の国になっていたかもしれないね。
異文化を理解するって、ちょっぴり難しくて、でもとっても大切なことなんだなって、1000年前のヴァイキングたちが優しく教えてくれている気がするよ。
ボクらも、すれ違いのケンカには気をつけなくちゃね。

今夜の『アソート・ボックス・ラヂオ』はここまで。
それじゃあ、またチューニングが合うその時まで。おやすみ、心地いい夢をみてね。

いいなと思ったら応援しよう!