月5万円の社内交際費を投資に回していたら?地域通貨に人生を捧げない選択
オンラインコミュニティ「FIRE研究所」でご一緒している岡さんが紹介されていた『人生を変える読書』という本を読みました。
岡さんは、「個人で稼ぐ力を身につけなければ」という焦りに似た気持ちをこの本が解毒してくれたと以下の記事に書かれていました。私も当時、同じような焦りを持っていたので、何か考え方のヒントがあればと思い、この本を読んでみました。
『人生を変える読書』から得た気づき
確かに私もあの頃は、「〇〇で〇万円稼ぐ方法」などと煽られ、何かやらなくちゃダメだという不安に駆られていたように思います。
無理に稼がなくても生活していける見込みがついているのに、何か自分で稼げるようなことをしなくてはと焦っていたのです。今では、楽しめることで誰かに喜んでもらい、少しの収入を得られたらいいなと、ゆるく考えられるようになりました。
「地域通貨」とは?会社の忠誠心で積み上げる見えない預金
また、この本で特に印象的だったのは、日本のサラリーマンは仕事ばかりであまり勉強しないという話の中で、上司との飲み会、接待、ゴルフ、麻雀などを通じて組織への忠誠心を貯金している、という指摘です。それは会社内でしか通用しない地域通貨だと述べられていました。
徹底的に忠誠心を示す、その代償として自己を犠牲にすることで、その組織の一員として認められていく。そしてそれを「社内預金」として長年かけて積み立てることで、組織の中をだんだんと上がっていくということです。 長時間労働がその典型ですが、そのほかにも上司との飲み会、接待、ゴルフ、麻雀などもそれに当たります。長時間労働によって「貯金」は徐々に貯まっていきますが、残念ながら、それは社外ではまったく通用しません。いわば、会社内部という場でしか通用しない地域通貨のようなものです。
【試算】社内交際費月5万円を投資に回していたらどうなる?
ここで少し計算してみます。
社内飲み会、接待、ゴルフ、麻雀などに月5万円使っている人を想定して試算します。20代や30代では月5万円も使わないかもしれませんが、計算をシンプルにするために一律で設定します。
・社内交際費として、毎月5万円を支出
(例:ゴルフ1回1.5〜3万円、飲み代1回7,000円程度)
・年間の社内交際費支出は60万円
・その金額を毎年インデックス投資に回し、年利4%で複利運用した場合の資産額(※税金は考慮せず)

なんと30年間で約3,400万円という資産額になります。
つまり、「地域通貨」ではなく「本物の通貨」を積み立てていたら、老後2,000万円問題は余裕で解決できる計算です。
一方で、地域通貨による社内預金は、その組織でしか使えない通貨であり、退職した瞬間に0円になります。
地域通貨を貯めていれば、出世に有利になって収入が増えるかもしれません。でも、それにはプライベートを犠牲にして、時間外や休日も会社のために尽くすというコストも伴います。
日系と外資系文化の違い
私は日系企業と外資系企業の両方で働いた経験がありますが、外資系には「地域通貨」の文化があまりなかったと感じます。以下は、あくまでも私が勤務した企業に基づく考察です。
日系企業:忠誠心と社内預金の関係
組織内のイベントに参加することで、「忠誠心の貯金」が積み上がります。また、参加費用の支払いは階層ごとに設定されており、管理職は多く支払う文化があります。
業績評価や人事異動は、上層部に気に入られているかどうかに大きく影響されるので、ここで「社内預金」が効いてきます。お小遣い制のお父さんにはキツいと思いますが、うまくいけば上層部にかわいがられて実力以上のポストにつけるチャンスがあります。
外資系企業:成果主義と公平な評価
社内イベントは歓送迎会程度で、懇親会があっても均等割が基本です。役職によって金額に差をつけられることはありません。また、そのような社内イベントの参加実績が、業績評価に影響することもありません。上司と仲良くしているように見えた人が、退職勧奨を受けることもあり、あくまでも、忠誠心より成果で評価されるという透明性と公平性があります。
地域通貨に投資するか、本物の通貨に投資するか
定年退職時でも十分な資産がなく、つまらない仕事をしてでも働き続けなければ生活できないという人が少なくないようですが、こうした「地域通貨」に投資をする代わりに「本物の通貨」に投資していれば、老後は安泰だったのかもしれません。
このような文化の中で、私は「地域通貨」を貯めない生き方を選んできました。社内政治や飲み会に参加しなかった分、浮いたお金は淡々と投資に回し、結果としてFIREに至ることができました。
定年退職まで残された期間が限られている50代にとっては、「地域通貨」をいくら積み上げても「期間限定ポイント」で、60歳になると期限切れになってしまいます。そうなる前に、「地域通貨」への投資を、「本物の通貨」への投資に切り替えることが重要だと思います。
まとめ|あなたはどちらの通貨を積み立てますか?
「地域通貨」で積み上げるか、「本物の通貨」で積み上げるか。どちらを選ぶかは、私たち一人ひとりの自由です。
ですが、投資という観点で見たとき、対象の性質を見極めることが大切だと思います。
・その投資には、確実なリターンがあるのか。
・必要なときに自由に引き出せる流動性があるのか。
・自分の意思でコントロールできる資産か。
社内で積み上げる「地域通貨」は、上層部の判断や組織の都合によって価値が左右されます。いわば、リターンも流動性も他人任せの投資です。
一方、自分の資産としての「本物の通貨」への投資は、あらかじめ利回りの実績を確認でき、現金化のタイミングも自分の意思で決められます。そこには、確かにリスクもありますが、運用方針は自分自身で主体的に決められます。
「地域通貨」と「本物の通貨」のどちらに投資するか。その選択が、これからのあなたの資産を決めていくのかもしれません。
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