扉の街ジャーニー 3 #リトルストーリー SNV-008-3
第3章
部屋は柱のような空間になっていて、
天上は吹き抜けになっていた。
頭上には
葉の形をした碧色の
ステンドグラスの隙間から、
朝陽が差し込んでいた。
少し明るめの
「ロイヤルグリーン」
の壁に囲われた
1色の世界が広がっている。
会計台の横にある扉は、
厨房につながっているようだ。
焼き窯内で燻された複雑な薫りが、
涼しい店内にも漂っていた。
会計台に座っていた 白髪の店主が、
扉の奥で作業をしている様子が、
小さな扉の小窓から見えた。
わたしは、この白髪の店主を
「梟さん」と呼ぶことにした。
彼女の瞳は、
子供の頃に
私の父が知り合いから譲り受けて
家に連れて帰って来たフクロウの赤ちゃんの可愛らしい目を思い出させた。その目は深くて澄んだ湖の中を覗いているような、そんな目だったことを徐々に思い出して来た。
店の中央には、
10本弱ぐらいだろうか
中太サイズの丸太が設置されていて
渦巻くように配置されている。
その上には
それぞれの違うトレイが置かれ
それぞれ別の商品が
並んでいるようだ。
「梟さん」が販売している
商品∶「pão∶パゥン」が
綺麗に並べられていた。
上から トルネード状に…
0 pão∶パゥン
1 pão∶パゥン
2 pão∶パゥン
3 pão∶パゥン
4 pão∶パゥン
5 pão∶パゥン
6 pão∶パゥン
7 pão∶パゥン
8 pão∶パゥン
9 pão∶パゥン
とパゥンが順番に並べられている。
パゥンとはパンのことらしい。
この店のパゥンは、
1から9の数字の形に
成形されて焼かれていた。
因みに、
私が今日この店を訪れるきっかけとなった理由は…
自宅のポストに入っていた
1枚のチラシに興味をそそられて、
訪れていた。
チラシは、
白紙に 緑色の文字で…
次の3つと、
補足説明が記載されていた。
✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
Ⅰ 店名∶「パゥンの森」
Ⅱ 店案内∶地図
Ⅲ 商品の特徴∶「数のパゥン」
※パゥンは小麦粉を練って焼いたものです。
※数の味が楽しめます。
※値段はいづれも1個180円(税込)
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どれを買おうかと、
選び始めたけれど…
数の味とは
なんの味なのかがわからない…?
私は、
丸太の渦の周りを
3周はしていた…
つづく…
