プロローグ 信用の話を、もう少し続けます。「信用が、平和になる」連載 プロローグ
前の連載「信用が、武器になる」では、地域の話を書いた。
孤独・少子化・人口流出——一見バラバラに見えるこれらの問題が、「信用の行き止まり」という構造的な問題から来ているという話だった。その解として、Tokicaという地域社会OSの構想を提示した。

けれど、書き終えたあとも、私はまだ、信用の話を終えられなかった。
ひとつの問いが残ったからだ。
信用が地域を動かすなら、国と国の間でも、同じことが起きるのだろうか。

孤独を放置すると、社会コストが生まれる。奪い合いを放置すると、その先に戦争がある。逆に言えば、奪い合いの合理性が失われた社会では、戦争は起きにくくなるのではないか。
いま、AIが戦争のあり方を変えつつある。

感情を持たない判断が戦場に入り込み、戦争の形は、静かに変わり始めている。そのことが、ずっと頭から離れなかった。
だから、この連載を書くことにした。
テーマは、ひとつ。
信用が、平和になるのか。
「信用が、武器になる」が地域社会の設計図なら、「信用が、平和になる」は文明の設計図になるかもしれない。大げさな話ではない。仕組みの話だ。奪わない社会を設計することが、結果として争いの起きにくい世界につながる——そういう話を、これから書く。
広島から書く。その理由は、連載の中で、改めて語らせてください。
信用の話を、もう少し続けます。
