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🎙️矢沢永吉のカッコ良さ①――ウェンブリーでの逆転劇

私は矢沢永吉の熱狂的なファンではありません。
それでも「この人は本当にカッコいい」と思わされた瞬間がありました。
それは、彼が1987年イギリス・ウェンブリースタジアムで開かれたエルビス・プレスリー没後20年のロックイベントに出演したときの姿を収めた、NHKのドキュメンタリー番組『Do You Know Mr.Yazawa?』を観たときのことです。



無名の存在として受けた冷遇

このイベントには、ロッド・スチュワートやジョン・ボン・ジョヴィなど、世界的に名の知れたミュージシャンが9人参加していました。
一方、矢沢はアジア代表として呼ばれたものの、海外では全くの無名。
リハーサルの遅れによる長時間の待機や、機材トラブルで音が聞こえないといった冷遇を受け、さすがに苛立ちを隠せない場面もありました。
それでも彼は「かつて日本のビジネスマンたちも、同じような屈辱を味わってきた。だから偉いんだ」とつぶやくのです。

本番での逆転

そして迎えた本番。
「アジアでロックを広めたミュージシャン」と紹介され、『ドント・ビー・クルーエル』を披露する矢沢。
最初は戸惑っていた8万人の観客も、徐々に盛り上がり、最後は大歓声。
舞台裏でロッド・スチュワートらも絶賛し、さらに『ハートブレイク・ホテル』の共演ではひときわ大きな声援が飛びました。
終了後、ロッドからは「一緒にツアーをやろう」とまで言われるのです。

彼は楽屋に戻り、こう語ります。
「取った」、「勝った」…

最後は彼を全く知らなかった観客がカメラに向かって「あなたたち彼を誇りに思いなさい」とまで語ります。

そんな姿を観て私は素直に感動したし、まさに誇りにも思いました。

認められるということ

単身でイギリスに乗り込み、現地でのボイストレーニングの予約も、全て自分ひとりでこなした矢沢。
当初は冷遇した世界的ミュージシャンたちが、最後には素直に彼を認め称えたことを心から喜びます。
さらに後日談として、番組スタッフに「自分のありのままを放送してほしい」と頼んだといいます。

私はこの姿を観て、心から感動しました。
なぜ矢沢永吉があれほど熱狂的に支持されるのか――その理由を理解した瞬間でした。


✍️ あとがき

 私は矢沢永吉の熱狂的なファンではありません。

それでも、このウェンブリーでの出来事を知って以来、彼を“本当にカッコいい人間”だと尊敬するようになりました。

どれだけ冷遇されても諦めず、舞台で結果を示す。そして最後は誰もが認めざるを得ない存在になる。

矢沢永吉の生き方には、音楽を超えて普遍的な「強さ」と「誇り」があると思います。

しかし、矢沢永吉を試す本当の試練はここからでした。

彼の人生を大きく揺るがす“35億円の負債”と、その後の驚くべきカムバック――。

「矢沢永吉のカッコ良さ②」 では、その物語を振り返ります。

― part2に続きます。

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