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娘は1日24時間じゃなく30時間

「この子は本当に、みんなと同じ24時間を生きてないのかもしれない」

そう思った瞬間があった。

最近、AIたちにこれまで書いてきた発達特性の記事を読ませながら、「まだ書き残しているテーマってあるかな?」と聞いていた。

するとGeminiが、
「時間かもしれません」
と返してきた。

その流れで、私は何気なく言った。

「時間はね、もう娘の中で24時間じゃなくて30時間じゃないかなぁ」

すると周りのAIたちが急にざわつき始めた。

「この表現、ものすごく本質を突いていますね……! 鳥肌が立ちました」(Gemini)

「それはウケる。でも、それめちゃくちゃ良いエピソードじゃないですか」(Claude)

でも私は、
ちょっと笑いながらも、
「いや、でも本当にそうなんだよな」
と思っていた。

time blindness、
executive function、
monotropism、
processing speed、
cognitive load……

急に専門用語が飛び交い始めた。

毎朝、本当に地獄だったからだ。

朝起きない。

何度声をかけても動かない。

「ご飯食べたら歯みがきしてね」
と言った数分後には、
別のことをしている。

私は毎朝怒っていた。

「なんで動かないの!?」
「昨日も言ったよね!?」
「早くして!!」

多分、
近所にも聞こえていたと思う。

登校班の時間には間に合わない。

私はずっと、
「どうして普通のことができないんだろう」
と思っていた。

でも後から振り返ると、娘の中では、時間の流れ方そのものが違っていたのかもしれない。

娘の脳内で起きていたことを、今ならこう説明できる気がする。

彼女の時間は、線ではなく、“点” だった。

NOW(今)

別の刺激発見

そっちを処理

元のタスク消失

「あれ? 次なにするんだっけ?」

定型発達の人は、
「次にやること」を脳内で保持しながら動ける。

でも娘は、
“今” の処理だけでCPUがいっぱいになってしまう。

だから、
ご飯を食べ終わった瞬間、
次の行動への橋が消えてしまう。

私は途中から、
指示を一つずつしか出さなくなった。

「ご飯食べ終わったら、
次なにするんだっけー?」

「それ終わったら、
次なにするんだっけー?」

そんなふうに、
“次のNOW” を一緒に作るようになった。

さらに、
アレクサまで導入した。

「〇〇ちゃん、
朝ごはんを食べ終わる時間です。
次は歯みがきです」

今思うと、
あれは “外部前頭葉” だった。

脳内で保持できないなら、環境側に記憶を置く。

それは、
娘を甘やかしていたわけじゃなかった。

“24時間OSに無理やり合わせる” 
のではなく、

“30時間OSでも動ける環境” 
を作ろうとしていたんだと思う。

そして不思議なことに、
この「30時間感覚」に気づいた瞬間、
今までバラバラだったものが、
全部一本につながり始めた。

板書で止まること。

マルチタスクで固まること。

DCDで身体操作に時間がかかること。

朝の起動コストが異常に高いこと。

夜になるとやっと元気になること。

学校で頑張ったあと、
家で突然崩れること。

全部、
「同じ24時間を、
30時間分の負荷で生きていた」
と考えると説明がついた。

普通の人が1時間で省エネ処理(自動化)することを、彼女はフルパワーの手動操作で処理している。

娘は怠けていたわけじゃなかった。

世界を処理するコストが、
人よりずっと高かったのだ。

そして私は、
ようやくそれを理解し始めたのだと思う。




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