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🍷【漫画ソムリエ 羊ヶ丘】『特攻の島』『餓鬼』『天使なんかじゃない』。“平凡を積み上げ、弱さを笑いに変える人”ランマッスル様の鑑定

夜の帳が降りる頃、誰もが心の中に、次に読むべき物語を求めているもの。

今宵、この鑑定室の扉を叩いたのは、ランニングや筋トレ、習慣づくりを通して、
「40代からでも、人は変われる」
ということを、自らの毎日で証明し続けている会社員クリエイター、ランマッスル様でございます。

朝は3時半に起き、10kmを走る。

仕事を終えた後は筋トレに励み、ジャーナルを書き、noteの記事を綴る。

こうして並べると、まるで修行僧のような生活です。

けれど、ご本人に言わせれば、「いやいや、普通やろ」とのこと。

もちろん、奥様や周囲から返ってくる言葉は決まっています。

「普通じゃない」

この軽やかな食い違いが、ランマッスル様の記事に親しみやすい笑いを生んでいます。

ストイックな実践を自慢に変えるのではなく、迷いや失敗、自信のなさまで率直に書き、最後には読者が少し笑える物語へ変える。

その文章を読んでいると、

「自分も、今日できることを少しやってみよう」

という気持ちが湧いてきます。

そんなランマッスル様が選んだ三冊の銘柄から、これからの挑戦と人生に寄り添う物語を、羊ケ丘が鑑定いたします。

※この記事にはAmazonアソシエイトのリンクが含まれます。


🍷 今宵のお客様の「お好み」


羊ケ丘:

こんばんは、ランマッスル様。

走ること、鍛えること、書くことを毎日積み重ねていらっしゃるランマッスル様ですが、ご自身の人生に影響を与えた漫画を三冊、教えていただけますか?

ランマッスル様:
好きな漫画というより、影響を受けた漫画ということで言えば、

佐藤秀峰先生の『特攻の島』。

ちばてつや先生の『餓鬼』。

矢沢あい先生の『天使なんかじゃない』です。

『餓鬼』は母の影響で、『天使なんかじゃない』は姉の影響ですね。

羊ケ丘:
……実に味わい深い三冊です。

戦争という極限状態の中で、生きることの意味を問う『特攻の島』。

お母様を通して出会った『餓鬼』。

そして、お姉様から受け取った、青春と人間関係を鮮やかに描く『天使なんかじゃない』。

舞台も雰囲気も異なりますが、この三冊には一つの共通点があります。

それは、

思いどおりにならない現実の中で、不器用な人間が自分なりの生き方を探し続ける物語

であるということです。

そして、三冊のうち二冊が、ご家族から受け取った漫画であることも印象的です。

ランマッスル様のnoteにも、お母様との記憶、息子様の成長、奥様との会話がたびたび登場します。

走っているのは一人でも、人生は一人だけでは完成しない。

その感覚が、影響を受けた漫画にも、現在の発信にも流れているように感じます。

それでは今宵は、
走ること。
何歳からでも挑戦すること。
弱さを抱えながら前へ進むこと。

その三つの味わいから、ランマッスル様にふさわしい作品をお出しします。


🍷 第一杯:『ひゃくえむ。』

作者:魚豊

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十数秒の直線に、積み重ねた年月と、生きる理由のすべてを注ぎ込む。

羊ケ丘の見解

『ひゃくえむ。』は、100メートル走に魅せられた人々を描く物語です。

生まれつき足が速く、その速さによって自分の居場所を得てきたトガシ。

そして、トガシとの出会いをきっかけに、走ることへ強烈にのめり込んでいく小宮。

二人を中心に、才能、努力、競争心、恐怖、そして「なぜ走るのか」という問いが描かれます。

ランマッスル様は、もともと自分を競技者だとは考えていませんでした。

毎日走っていても、
「自分はジョギングをしているだけ」
と思っていた。

けれど、地域の駅伝大会へ出場し、必死に走り、アンカーとして優勝を経験したことで、積み重ねてきた時間が自分を変えていたことに気づきます。

走ることは、距離やタイム、順位によって数字で表せます。

しかし、人が走る理由は数字だけでは説明できません。

昨日の自分を超えたい。
誰かに追いつきたい。
自分には価値があると証明したい。

あるいは、走らないと落ち着かない。

『ひゃくえむ。』は、そうした走る人間の純粋さと執着を、きれいごとだけではなく描いています。

ランニングが習慣になっているランマッスル様だからこそ、

「自分は、なぜ走り続けているのか」

という問いが、深く胸へ残るはずです。

この漫画独自の魅力は、ほんの十数秒で終わる競技を通して、何年にもわたる人間の人生を描いていること。

一瞬の勝負の裏には、誰にも見えない膨大な積み重ねがあります。

「誰にでもできることを、誰よりも続ける」

というランマッスル様の生き方に、最も直接的に響く一冊です。



🍷 第二杯:『宇宙兄弟』

作者:小山宙哉

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夢に出遅れても、人生の号砲は、まだ鳴り終わっていない。

羊ケ丘の見解

『宇宙兄弟』は、幼い頃に宇宙飛行士になると誓った兄弟の物語です。

弟の南波日々人は、夢をかなえ、宇宙飛行士への道を歩んでいる。

一方、兄の南波六太は、仕事を失い、人生の方向を見失っていました。

そんな六太が、かつての約束をきっかけに、もう一度夢へ向かい始めます。

ランマッスル様が発信している大きなテーマの一つが、
「40代からでも、人は変われる」
ということです。

年齢を重ねると、始める理由よりも、始めない理由の方が増えていきます。

仕事がある。

家族がいる。

今さら遅い。

失敗したら恥ずかしい。

けれど、ランマッスル様は、まず走り、鍛え、掃除をし、書いてみる。

その小さな繰り返しによって、身体だけでなく、考え方や人とのつながりまで変えてきました。

六太もまた、完成された英雄ではありません。

人と比べ、自信を失い、余計なことを考え、ときには格好悪く遠回りをします。

それでも、弱さを抱えたまま前へ進んでいく。

ランマッスル様が、自分の迷いや自信のなさまで隠さず書くからこそ、読者は、

「この人も迷っているなら、自分も始められるかもしれない」

と思えるのでしょう。

また、『宇宙兄弟』には、夢を追う本人だけでなく、家族、仲間、指導者、技術者など、挑戦を支える人々も数多く登場します。

ランマッスル様が求めている影響力も、自分だけが目立つためのものではありません。

好きな人や仲間を応援できる存在になりたい。

その願いにも、深く響く作品です。

この漫画独自の魅力は、大きな夢を描きながら、登場人物を必要以上に格好よく見せないこと。

失敗しても、迷っても、冗談を言いながら進んでいく。

「格好悪いままでも、夢を持っていい」

と伝えてくれる、温かく力強い一冊です。

※7/30まで無料で読めます


🍷 第三杯:『リアル』

作者:井上雄彦

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立ち上がるとは、強さを装うことではなく、弱さを連れて進むこと。

羊ケ丘の見解

『リアル』は、野宮朋美、戸川清春、高橋久信という三人の男たちを中心に、それぞれが自分の現実と向き合っていく物語です。

車いすバスケットボールを軸にしながら、描かれるのは単なるスポーツの勝敗ではありません。

身体の問題。

過去の失敗。

傷ついた自尊心。

他人への嫉妬。

誰かに認めてほしいという思い。

登場人物たちは、簡単には前向きになれない現実の中で、自分なりの一歩を探していきます。

ランマッスル様は、体力を「才能ではなく、貯金のようなもの」と表現しています。

いきなり10kmを走らなくてもいい。

まずは2分だけ身体を動かす。

その小さな積み重ねが、いつか人生を楽しむための燃料になる。

『リアル』が描く前進も、それに近いものです。

人生が劇的に逆転するのではない。

昨日まで向き合えなかった自分を、今日はほんの少し見つめられる。

そのわずかな変化を、本作は丁寧に描きます。

また、バスケットボールは、ランマッスル様にとって息子様との記憶にもつながっています。

高校最後の試合を終えた息子様が後輩へ伝えた、

「自分にできることは何かを考えて、チームに貢献できる人になってほしい」

という言葉。

大きな結果を残すことだけが、スポーツを続ける意味ではありません。

自分の役割を見つける。

仲間と関わる。

思いどおりにならない自分と向き合う。

その時間もまた、人を育てていきます。

この漫画独自の魅力は、身体を鍛えることと、心が立ち直ることを、簡単に同じものとして描かない点です。

弱さを克服して別人になるのではなく、弱さを抱えたまま生きる方法を探す。

自分の不完全さを隠さず、成長の過程を発信しているランマッスル様に、深く残る一冊です。



🧭 「運命の一冊」への道筋

羊ケ丘:
さて、ランマッスル様。

十数秒の100メートルに、才能、努力、恐怖、そして走る理由まで注ぎ込む『ひゃくえむ。』か。

大人になってから、かつての夢へもう一度手を伸ばす『宇宙兄弟』か。

弱さを抱えた人々が、自分なりの一歩を探していく『リアル』か。

走り、鍛え、書き、家族と笑いながら、

「40代でも、まだ人は変われる」

ということを毎日証明しているランマッスル様に、今もっともふさわしい一冊は、どの作品でしょうか。

ランマッスル様:
『リアル』でお願いします。

羊ケ丘さんの書かれていた、

「思いどおりにならない自分と向き合う」

という言葉が刺さりました。

また、自分も家族も全員がバスケットボールをしていた、ということもありますね。

羊ケ丘:
……『リアル』でございますね。

「思いどおりにならない自分と向き合う」

その言葉を選ばれたことに、ランマッスル様の誠実さが表れているように感じます。

毎朝走り、身体を鍛え、仕事をしながらnoteを書き続ける。

その姿だけを見れば、強い意志で自分を律する、迷いのない人に見えるかもしれません。

けれど、ランマッスル様の記事に書かれているのは、できたことだけではありません。

思うような結果が出ない焦り。

自分には専門性がないのではないかという迷い。

人と比べてしまう心。

そして、自分では普通だと思っていた言動を、奥様から容赦なく指摘される日常。

『リアル』の登場人物たちもまた、自分一人の力だけで変わっていくわけではありません。

仲間とぶつかり、他者の言葉に傷つき、ときには自分では見えていなかった姿を突きつけられながら、少しずつ現実と向き合っていきます。

ランマッスル様にとって、奥様もまた、ご自身を映す鏡のような存在なのでしょう。

「趣味がおかしいんよ」

「意見じゃなくて、共感してほしいんよ」

そんな率直な言葉によって、ストイックなランマッスル様の少し天然で不器用な一面が、軽やかに表へ出てきます。

奥様のツッコミがあるからこそ、努力は自慢話ではなく、読者が笑える物語になる。

正しさだけでは見えなかったものに気づき、相手の感情を受け取ろうとする。

それもまた、思いどおりにならない自分と向き合うことの一つなのかもしれません。

そして、バスケットボールは、ランマッスル様だけでなく、ご家族全員をつないできた競技でもあります。

息子様が高校最後の試合で後輩へ伝えた、

「自分にできることは何かを考え、チームに貢献できる人になってほしい」

という言葉。

そこには、勝敗や出場時間だけでは測れない、スポーツから受け取った大切なものが込められていました。

自分の役割を探すこと。

仲間を思うこと。

思うようにいかなくても続けること。

『リアル』は、そうした時間が人を少しずつ変えていく姿を、決してきれいごとだけではなく描く作品です。

弱さを克服して別人になるのではなく、弱さを抱えたまま、それでも次の一歩を選ぶ。

今日の1ミリを積み重ねてきたランマッスル様に、深く、長く残る一冊となるはずです。

したがいまして、

今宵の運命の一杯は、『リアル』とさせていただきます。

ランマッスル様、この度の鑑定、誠にありがとうございました。

この一冊との出会いが、ご自身の歩みだけでなく、奥様やご家族とともに過ごしてきた時間を、もう一度味わうきっかけとなりますように。


🌙 静かな夜の終わりに


さて、今宵の鑑定は、これにてお開きとさせていただきます。

ランマッスル様のお話から感じたのは、強いから続けられるのではなく、

思いどおりにならない自分と向き合いながら、それでも続けることを選んできた方

なのだということでした。

走る。

鍛える。

働く。

書く。

家族と話す。

失敗しても、また次の日を始める。

その小さな積み重ねが、今のランマッスル様を形づくっています。

そして、ご家族全員が親しんできたバスケットボールもまた、努力すること、仲間を思うこと、自分の役割を見つけることを伝えてきた大切な時間なのでしょう。

『リアル』との出会いが、ご自身とご家族の歩みを、もう一度静かに振り返るきっかけとなりますように。

次にこのカウンターへ座るのは、あなた――

あるいは、思いどおりにならない自分と向き合いながら、それでも前へ進もうとしている、誰かかもしれません。



📚お客様からの三冊




今回のお客様

次回のお客様




最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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