ニライカナイとウルトラシリーズ
ニライカナイは、沖縄県や鹿児島県奄美群島の各地に伝わる他界概念のひとつである。
昔、『ウルトラセブン』でこれがテーマになっている回があった記憶がある。
確か、『史上最大の侵略』というタイトルだったと思う。

それもそのはず、ウルトラシリーズを企画したひとりに、沖縄出身の金城哲夫(きんじょうてつお)がいたからだ。

ニライカナイがテーマの回の脚本は金城が書いたのではないか。
ウルトラシリーズは他国から侵略されるといった内容の物語が多い。
それは琉球王国(沖縄の前身)がまず島津氏に侵略され搾取されるようになり、明治になっても沖縄県民は本土から「土人」と見られ、昭和に入って太平洋戦争になると軍部によって本土決戦の時間稼ぎのために犠牲にされた。
戦争が終わったら米軍は東側諸国(旧ソ連・中国などの共産主義圏)への牽制のため沖縄に多くの基地を作った。
沖縄県民の多くはそのために土地を奪われ、その後は毎日の騒音に悩まされ、何度も何度も、米国軍人による強姦被害にも遭った。
占領期間を終えても米国は日本は東側諸国の防波堤だと捉え、基地を残したままだった。
米国軍人による被害もなくならなかった。
米国のトランプは、「日本が有事になればアメリカが助けるのに、アメリカが有事になっても日本はこれを助けない。不公平だ」などと言っているが、日本に基地を置きたいのは米国なのだ。
米軍基地を置く費用をもっと出せとも米国は言っているが、日本の米軍基地は米国がそこに基地を置きたいからあるのであって、日本のためにあるのではない。
冷戦は終わったが、ロシアと中国と北朝鮮は米国にとって今でも脅威でありつづけている。
だから、そのすぐそばの海に浮かぶ日本列島は米国にとって非常に適した前線基地になるのだ。
日本は米国に、「じゃ、基地を更地にして出ていって」と言ってみればいい。
米国は困るに違いない。
トランプのことだから、また何か難癖を付けてくるだろうが、日本は知らん顔して「日本に米軍基地はいりません」と言いつづければいい。
米軍はそう言われても絶対に撤退しない。
話がそれた。
戻そう。
そういう悲惨な歴史を沖縄は持つ。
では、ニライカナイとは何か?
沖縄では、遥か遠い東の海の彼方、または海の底、地の底にあるとされる異界とされる。
豊穣や生命の源であり、神界でもある。
ニライカナイの概念は日本本土の常世(とこよ)国の信仰と酷似している。
「常世の国(とこよのくに)」とは、古代日本で信仰された、海の彼方にあるとされる異世界である。
一種の理想郷として捉えられていて、永久不変や不老不死、若返りなどと結び付けられた。
日本神話の他界観をあらわす代表的な概念で、古事記、日本書紀、万葉集、風土記などの記述にその顕れがある。
柳田國男は、ニライカナイを日本神話の根の国と同一のものとしている。
「根の国(ねのくに)」とは、日本神話に登場する異界のことだ。
縄文時代の後期に朝鮮半島などから大量の弥生人が稲作技術を持って日本列島にやってきた。
稲作を嫌った縄文人は北へ南へと追われた。
北に行ったのがアイヌ民族の祖先になり、南に向かったのが琉球民族になった。
研究者によると、古代日本語が沖縄に渡って4百年経つと今の沖縄方言に変化するという。
多くの琉球民族は、もとは日本本土にいたと考えるべきなのだ。
言葉にも信仰にも共通点があるのはそのためだ。
アイヌの人々も沖縄県民も、日本の先住民族の子孫なのである。
そのことを、われわれは深く認識したい。
