歌を作ってはみませんか?
2023年に、「歌を作ってはみませんか」という曲を作りました。
それから3年が経った、2026年。
note投稿を機に、この曲が生まれた時のことを書いてみようと思います。
最初は、ボカロ講座用の短いサビだった
この曲が生まれたきっかけは、2023年にcluster上で開催された「clusterDTM祭2023」です。
「楽しく気軽にDTMをする人が一人でも増えてほしい」という思いから、さまざまな講師が曲作りについて話し、参加者も一か月かけて何かを形にしてみるイベントでした。
※上記リンク内の資料やyoutube講座は今でも、DTMをこれから始める方には有意義な内容が含まれていると思いますので、興味がある方はぜひご覧ください!
私は講師の一人として、「ボカロ(合成音声)ソフトの始め方」を担当しました。
ボーカロイドに歌詞とメロディを入力して、実際に歌声を作っていく流れを説明する。そのためのサンプルとして作ったのが、次のサビです。
歌を作ってはみませんか?
世界にひとつ あなただけのね
歌を歌えなくてもいいよ
指先ひとつで作れるのがDTM
講座で使うためのサンプルなので、この時点ではサビだけでした。
ボーカロイドの使い方が伝われば、それで役目は終わりです。
でも、せっかくサビができたのに、ここで終わるのも少しもったいないなと思いました。
無料ソフトだけで作った講義用DEMO
clusterDTM祭の講義内容は、無料のソフトだけでも試せるものにしました。
DAWはCakewalk by BandLab。
当時は無料で使えるDAWとして公開されていました。現在は、後継となるCakewalk Sonarが提供されています。
歌声には、当時無料で使えた音声合成ソフトのVoiSonaと、ボイスライブラリのChis-Aを使いました。
楽器を弾けなくても、歌を歌えなくても、無料ソフトをダウンロードして、画面上で音を入力していけば歌入りの音源を作れる。
クオリティはさておき、まずは1曲を形にしてみる。
という形で音源を作成しました。(2023年当時の音源はダウンロード可能な状態で公開していましたが、今回の執筆に合わせてSoundCloudに投稿。なぜか2021というファイル名になってて探すのに苦労)
発表会版では有料音源と生演奏を使った
clusterDTM祭2023には、講義を受けたあと、一か月の制作期間で何かを形にして発表する企画がありました。
せっかく講師として参加したので、私も何か投稿したい。
そこで、サビだけだった「歌を作ってはみませんか」を、一曲の形にまとめることにしました。
発表会版では、同じく講師として参加していた、みっつさんと泥豆さんに編曲してもらいました。
制作にはCubaseを使い、ドラムはみっつさんが有料音源のBFD3で打ち込み、ベースは泥豆さんによる生演奏です。
…無料ソフトだけでも曲を作れると講義しておきながら、発表会版では有料ソフトと生演奏の力を借りてすみません!
ただ、これは「無料ソフトでは曲を完成させられない」ということではありません。
実際、最初のDEMOは1人で、無料ソフトだけで作りました。
そこから誰かに相談したり、一緒に作ったり、使いたい音源を足したりすることで、さらに別の形へ育てることもできるという話です。
考えてみると、この曲はずっと「立派な曲でなくてもいい」と歌っています。
歌詞も、まずは一番あればいい。
短くてもいい。
CMソングやジングルでもいい。
わからない時は、調べたり、誰かに聞いたりすればいい。
最初から大きな作品を目指すのではなく、小さな一歩ずつでも音を出してみよう。そんな内容です。
その曲を、サビだけで終わらせず一曲にして発表すること自体が、歌詞の実践にもなりました。
一曲作ろうと呼びかけるために作った短いサンプルが、自分の背中も押して一曲になった。
今振り返ると、わりと素直な生まれ方をした曲だと思います。
DTMの曲が、バンドの持ち曲になった
完成した曲は、ボーカロイド曲としてYouTubeに公開しました。
内容は、かなりDTM向きです。
ただ、それだけで終わりにするのももったいないと思い、その後はバンド「こすもえらしぃ」でも演奏するようになりました。
バンド版では、メンバーが実際に楽器を弾き、ボーカルが歌います。
その状態で「楽器が弾けなくてもいいよ」「歌を歌えなくてもいいよ」と演奏するのは、不思議な気がしなくもありません。
「上手じゃなくても」というニュアンスと捉えてもらうことはできるかな…
ただ、曲で伝えたいのは、楽器や歌を否定することではありません。
今できないことがあっても、それを理由に曲作りを諦めなくていい、ということです。
DTMから始めてもいい。
歌える人や楽器を弾ける人と一緒に、別の形へ育ててもいい。
一人で作った短いサンプルが、イベントで発表する一曲になり、さらにバンドで演奏する曲になったことを考えると、この曲自身がそれを示してくれている気がします。
2026年、noteでDTMを始めたい人に出会った
この曲を作った2023年から、3年が経ちました。
講座用のサンプルだった曲は、発表会へ投稿する一曲になり、バンドの持ち曲になりました。
2024年、2025年とライブで演奏し、これからも演奏していくつもりです。
そして2026年、noteへ音楽制作や機材の記事を投稿するようになりました。
投稿してみると、DTMをこれから始めたい方や、始めたばかりで試行錯誤している方がnoteにもいることに気づきました。
3年前、clusterDTM祭の参加者へ向けて作った曲ですが、今のnoteにも、この曲、そしてclusterDTM祭の講義内容が参考になる方がいるかもしれない。
そう思ったことが、この記事を書いた直接のきっかけです。
作った時には、3年後にnoteで紹介することになるとは思っていなかった曲です。
でも、短いサビだけでも形にしたから、その先がありました。
一曲にまとめたから、誰かと一緒に演奏できました。
3年後に、別の場所で出会った人へ向けて、制作背景を振り返る記事を書くこともできました。
完成度や大きさより、まず形にして残すこと。
この曲が伝えたかったことを、時間と場所が変わった今、もう一度誰かに届けられたらと思っています。
短くても、まず音を出してみる
曲を作ろうとすると、ちゃんとした一曲を完成させなければいけないような気がします。
歌詞も二番まで必要な気がする。
楽器も弾けたほうがいい気がする。
ミックスも、音楽理論も、使っているソフトのことも、全部わかってから始めたほうがいい気がする。
でも、全部できる日を待っていたら、なかなか最初の音が出ません。
「歌を作ってはみませんか」も、2023年の最初は講座で使うための短いサビでした。
それでも、あとから一曲になりました。
別に短くたっていい。
まずは一番だけでも、数秒のジングルでもいい。
noteでDTMの記事を読みながら、少しでも「なんか音楽しようかな」と思った時に、この曲が小さなきっかけになればうれしいです。
歌詞全文とクレジットは、こすもえらしぃ公式サイトに掲載しています。
clusterDTM祭2023のイベントページはこちらです。
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