江戸おろし醤油そば(練りもの贅沢盛)【我が干しそば道 精進の228杯目】
【我が干しそば道 精進の228杯目】
●メニュー名:
江戸おろし醤油そば(練りもの贅沢盛)

●ご挨拶:
やぁ諸君、ご機嫌いかがかな?
全日本干しそば党 党首の佐奈田堂だ。
一束の干しそばから始まる壮大なマンネリズム劇場、
我らが全日本干しそば党の党本部 公式noteへようこそ。
本日も、諸君たちの潜在意識に熱く、深層心理に諄く語りかけるマンネリズムでサブリミナルな一杯をお届けしよう。
ご覧になったあと、きっと君はどんな麺類より干しそばを欲する筈だ。
それも今日は江戸時代の人足たちが仕事の合間に時間を惜しんで手繰ったであろうシンプル極まりないおろし醤油の冷しぶっかけそばを試してみたくなるのではないだろうか。
とはいえ今回は、それら蕎麦切の歴史を元にした21世紀仕様‥
江戸おろし醤油そばの
練りもの贅沢盛だ!
( ゚д゚)ウム
故に諸君たちも最後まで楽しみながら
" 干しそば体験 " ができるのではないかな。
‥そうして気付いたら我らが干しそば道の虜になるといった塩梅だ。
なんだか凄いことになっちゃいそうだろう。

どうだちょっと怖くなってきたかな?
引き返すのなら今のうちだぞ( ̄▽ ̄)ニヤリッ
●解説:
江戸時代中期の江戸の町では、蕎麦切は煮ぬき汁などの味噌だれや醤油をかけて食べていたようで、その際に蕎麦に盛る薬味は大根おろしや長ネギ、その他かつお節、海苔などが多かったようだ。
今回はそんな歴史を意識した一杯で、大根おろしにかつお節とネギを載せ、旨い生醤油をぶっかけた蕎麦がベースである。
ちなみにこの醤油だけの「汁?」は、やがて江戸時代後期になりカツオ出汁や煮かえし(所謂かえし)を使用したものへと徐々に進化し、現在の一般的な蕎麦汁へと変わっていった。
この江戸時代の蕎麦の食べ方は、21世紀の現在では全く一般的ではないが、今でもこの食べ方に近いご当地そばが幾つか存在し、その代表的なものは福井県嶺北地方で食される「越前おろしそば / 越前そば」になる。
ただし越前そばは醤油をかけるのではなく、一般的な蕎麦汁で食すものであり、さらに昨今ではその蕎麦自体も、茶そばや田舎風そば、中には更科などと、様々な種類の蕎麦でいただくようで、蕎麦そのものに関しては統一した規格がないようだ。


ここまで重たい講釈が続くと、作るのに大層な手間がかかるのではと誤解されそうだが作り方は至って簡単。蕎麦を皿に盛りつけ、そこに大根おろしをそのおろし汁ごと蕎麦にかけ、大量の刻みネギと鰹節を盛って、お好みの醤油を好きなだけ垂らすだけだ、今回は通常の醤油ではなく生醤油を使用している。大根おろしのサッパリとした旨みと辛味に醤油が交わり、シンプルだが何ともいえぬ至福の味となるのだ。
この一杯の存在は、世の蕎麦の在り方自体を否定しかねないが、手間暇かけた旨いそば汁なんて、実はいらないのではないかとさえ思える旨さなのだ。
蕎麦の旨みも引き立ててくれる大根おろし(おろし汁含)+醤油は、シンプルながら最高のそば汁といえるのではないだろうか。
そして江戸時代も後期になると、そばのトッピングにカマボコや薩摩揚などの所謂「練り物」が多くなってきたと聞く。
そこでこの一杯は江戸時代の人々がたまの贅沢をする一杯、現代に例えると、さしずめ「すき家」で牛丼並だけではなく牛丼(並)追い牛おしんこセットをいただくような、さらに紅生姜山盛りで赤富士丼に強化改良するような、そんなささやかな庶民の贅沢をイメージし、練り物をふんだんに盛ってみたものである。
※参考:牛丼(並)追い牛おしんこセットとはコレです。


そうそう、序なので、今回トッピングの「練り物」と「蕎麦」の関係についても少々触れておこう。
現在では滅多に見る機会が減ったが、魚などの練りものを蕎麦にトッピングするスタイルは江戸時代後期に屋台そばにて、それもかけそばや盛りそばぐらいしか出さない屋台の夜鷹蕎麦(夜蕎麦売り)ではなく、所謂タネものも提供するワングレード高い屋台蕎麦「風鈴蕎麦」で提供された形態で、今回の一杯は、そんな練り物そばを意識したものだ。
フフフどうだね諸君
とっても旨そうだろう。

江戸時代、今から凡そ300~400年ほど前から庶民に愛されたであろうそんな練り物そばだが、いまやそばの練り物系トッピングは、精々さつま揚げ、チクワの磯辺揚げ、チクワ天ぷらぐらいしか残ってないのではないか。少し変わり種で、おでんそのものの汁とネタを使ったおでんそばぐらいか。
少なくとも今回のような様々な練り物を蕎麦ネタとして常時置く店には、今まで一度も出会ったことがない。
さて、そんな練り物そばが、
どういう経緯で誕生したのか気にならないかね?
夜鷹蕎麦よりグレードが高いとはいえ、風鈴蕎麦が提供する練り物や天ぷらなどのタネものは、屋台蕎麦と同様に、伸びた蕎麦に醤油辛い汁をぶっかけただけの、平たく言えば不味い蕎麦を、少しでも旨く食べやすいようにと工夫・発展したものだ。
天ぷらや練り物などを加えることで、その油分で口に流し込みやすくするためのものでもあったのだよ。
冷蔵庫のない時代だ、そんな時代に魚すり身を揚げて作る練り物は、廃棄寸前の屑野菜再利用のかき揚げ天ぷらと共に、江戸時代後期の蕎麦のトッピングとして人気が高かったのだ。


ちなみに今回のトッピングのほとんどは魚のすり身を揚げて作る「さつま揚げ(揚げかまぼこ)」だ。
関東ではこれら数ある練り物を総称気味に「さつま揚げ」と呼ぶのに対し、関西では衣のついた「天ぷら」と同様に、衣をつけずに揚げられるこれらの練り物(さつま揚げ)も「天ぷら」と呼ばれる。
そのためか、お店で陳列される商品にも、練り物に「天ぷら」または「~天」と名がついているものがあるのだ。
呼び名ひとつ取っても、日本の食文化の奥行きは実に深いものがある。

さぁそして今回使用の干しそば、霧しな製の木曽路御岳そばについて今日も解説させていただこう。この干しそばは、かけそばや盛りそば、そして氷水そばなどのプレーンな一杯でいただくことがお勧めの旨さひときわ輝く干しそばであり、私の大好きな駄そば/大衆そばとは違うがこれがまた素晴らしいのである。木曽路御岳そばは、トッピングなしでいただくことが旨いご馳走そばなのだ。
干しそばとしては、3割そばの所謂「標準品」なのだが、元来蕎麦or蕎麦切とは、江戸時代のその誕生時より、繋ぎに小麦などを混ぜて麺状に加工したもので、小麦粉を加えることは当たり前、その上で旨いかどうかだ。私が知る限り、そば粉の割合が多い干しそば、例えば十割、二八などと声高にパッケージに記載された干しそばほど、味でこの霧しな製「木曽路御岳そば」赤ラベルの足元にも及ばないものが多い。
●干しそば:
霧しな 木曽路御岳そば(赤ラベル)
蕎麦粉3割の最もプレーンなもの。×100g使用


●つゆ(?):
キッコーマン しぼりたて生しょうゆ + 大根の絞り汁


●練り物:
おつまみ小盛セット「小粋」
「もろこし天」「桜えび天」「大葉ちくわ」「ミニ枝豆天」「ミニたこ天」「ミニ薩摩揚」
※練り物の名称は私の推測
製造 有限会社 浅角



●大根おろし:
千葉県産
直径8cmのものを7cm分おろしたもの


●長ネギ:
千葉県産

●かつおぶし:
ヤマキ かつおパック

●コメント:
この江戸時代中期の江戸の町仕様の蕎麦は簡単なのに本当に旨い。今回はそこに江戸時代後期の屋台蕎麦の練りものを追加の強化仕様だ!
ご覧になって分かるように栄養豊富。大根もネギもご存じの通り滋養強壮効果、免疫力強化に高い効能を持つ野菜たち、さらにそば汁ではなく質の良い醤油なので余計な糖分も存在しない。
練り物も普段不足しがちな魚の栄養独り占めじゃないか!
この先私が年々老いていった際、今以上にこの蕎麦をいただく回数が増えるのではないかと思われる。
●諸注意:
特になし
●全日本干しそば党 党首より:
我ら全日本干しそば党が奉る干しそばの神様そば神様 天干細蕎麦命様、
この一杯、まさにお江戸八百八町の喧騒が聞こえてきそうなノッピキナラナイ美味しさです。
なによりこの一杯へのお導きを、まことにありがとうございました!
蕎麦神様は偉大なり!
蕎麦神様は偉大なり!
蕎麦神様は偉大なり!
諸君、
干しそばの光に( ゚д゚ )クワッ!!
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●追伸:
全日本干しそば党の歴史は、Instagramから始まった。
https://www.instagram.com/sanada_do/
※本稿は、Instagram 2026年7月26日のPOSTを元に加筆
