走り出す恋。(湊くん14)
(湊くん13のつづき)
相変わらず、お互いに仕事が忙しくて、なかなか会えなかった。
その日は、ビデオ通話で
ようやく予定を合わせられたけれど、
終電の時間を考えると、2時間しか会えない。
ごはんに行く場所を決めたあと、
湊くんが少し心配そうに言った。
「2人になれる時間がないね」
わたしは、湊くんにわたしの気持ちが
“恋の好き”だってことをちゃんと伝えたかった。
だから、
「時間がなくても、少しの時間でも2人で過ごしたいって思ってるよ」
と答えた。
「じゃあ、最後まで容認?」
湊くんが、少し茶化すように言う。
「容認というよりね、
わたしが湊くんと、心も体も繋がりたいと思ってるの」
わたしは真剣に言った。
湊くんが時々、えっちのことを“繋がり”って言葉で表すから、
わたしもその言葉を選んだ。
「両方で繋がる?」
「うん、それが幸せじゃない?」
「それが幸せだね」
湊くんが笑った。
――ようやく、わたしたちの恋が走り出した。
(湊くん編・完)
