ショートショート 「1周年記念バッジ」
今朝、noteを開くと “1周年記念バッジ” を頂いた。
『おめでとうございます!』
その文字を見た瞬間、私は無意識に記憶を過去へと巡らせていた。
―あぁ、今日で一年か。
ふと気づく。
記念日とは、今日という一点を祝うのではなく、そこへ至るまでの流れや過程そのものを祝う行為なのだ、と。
私はnoteをペラペラと捲っていく。
そこには、思いつきで書き殴ったショートショートや掌編ばかりが並んでいた。それでも、頂いた「スキ」やコメントの数々に励まされ、ここまで続けてこられたのだと、まさに物語っていた。
「ありがとうございます」私は心からそう思った。
……しかし、チクチクする。
嬉しくて付けた記念バッジの裏には、小さなピン。それはまるで、意味という杭がそっと打ち込まれ、私の時間に食い込んでくるようだった。
記念日は、意味を与えると同時に、その意味に縛られるものなのかもしれない。
私はそっとバッジを外し、机の引き出しにしまい込んだ。
(本文405字)
あとがき
改めましてありがとうございます。最初エッセイで1周年バッジの報告をしようとしたけれど、私らしくショートショートにしてみました。引続きよろしくお願いいたします。

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