瀬野八越えの機関車(昭和52~57年) 2 昭和を代表する電気機関車たち
前編の「瀬野八越えの機関車 1」では、補機の活躍を中心に紹介しました。後編として、先頭で列車をけん引した機関車を紹介します。今日では 貨物列車が少なくなってしまい、貨物列車の撮影には貨物時刻表が必要です。当時は、線路際に立っているだけで、大型の機関車が次々と走り抜ける姿を見る事が出来ました。私は専門外のナローファンではありますが、今になって思い出すと感慨深いものがあります。F級の大型機関車や長大の貨物列車が、瀬野八の舞台を力走していた姿を見て頂きたいと思います。
瀬野八といっても、地理が分からない方が多いと思いますので、前編に 出した地図を貼っておきます。

1 EF58
郵便・荷物車をけん引するEF58が、八本松駅手前の最後の急カーブを通過している所です。標準レンズでの撮影ですが、望遠レンズで撮った様な急カーブです。最後尾に補機のEF61が見えています。

ヘッドマークを付けて特急列車もけん引したEF58です。私が鉄道に 興味を持ち始めた頃まで、寝台急行を引いていたので思い出深い形式です。この頃は主役の座を譲って、幹線では荷物・郵便列車として走っていました。
お召し列車用のEF5860です。兄弟機のEF5861がお召し列車の任務に就く事が多かったようですが、美しさは変わりません。補機狙いの ため八本松側向きで撮影していたので、正面から撮影する幸運は与えられ ませんでした。それでも、流線型の車体にブドウ色、銀色のモールをキリリと締めた姿に出会った時の驚きと感動は、今でも覚えています。

2 EF60
シールドビームになる前に作られた、一つ目の大きな前灯が特徴の EF60も健在でした。近代的なデザインの草分けとなる機関車の一つで したが、あか抜けない所を残している所に愛嬌がありました。貨物専用だったので地味な存在でしたが、なかなかどうして、当時は看板だったコンテナ専用列車を引いての登場です。


3 EF65
瀬野に向けて、万能機関車EF65が、急こう配を軽快に下って行きます。EF65が地道に有蓋車などを引いている姿に、違和感を感じる人が 多いのではないかと思います。当時も、顔を白く化粧した500番台が ブルートレインを引いていましたが、ブルートレインは夜の運用なので、 良く見かけるのは貨物列車の姿でした。

先ほどの地点の山の裏側を、八本松に向けて登るEF65です。カーブの外側からの撮影にもかかわらず、カーブの内側を走る後続の貨車も見えて います。ここは、瀬野八で一番大きくて急なカーブの様に思っていますが、どうでしょうか。

先ほどの様な大きなカーブを曲がっても、次の尾根を避けきれずトンネルに突っ込みます。この短いトンネルを抜けた所です。
瀬野に向かってEF65がやって来ました。有蓋車、冷蔵車、無蓋車、 コンテナ車、タンク車・・・多種多様な貨車が繋がれています。貨物列車
って楽しいですね。

次々とEF65がやって来ます。やっぱり、かっこいい機関車です。

4 EF66
パワーとスピードを兼ね備えたキングの登場です。当初EF65の重連で計画されていた特急貨物列車を、単機でけん引すべく開発された*高性能車との事です。

長大な貨物列車です。先頭はEF66です。貨車は38輌まで映っています。

電車が2本通過すると、また貨物列車がやって来ました。 EF66でした。

高速貨物と思われる列車がやって来ました。特急鮮魚貨物列車でしょうか。このために開発された機関車です。レキ10000に統一された編成が美しいです。ブルートレインの最後の頃は寝台特急を引いていましたが、やはりEF66は貨物列車を引く姿が好きです。

私の大好きな機関車たちの古い写真を紹介させて頂きました。 最後までお付き合い頂きありがとうございました。
*EF66電気機関車 杉野清吾 鉄道科学社(1973)
この文献に書かれていたEF66の開発の背景をまとめると、以下の様 だと思っています。高速貨物列車の構想とは、1000t超の重量の 列車を120Km/hで運転する事だそうです。そのために3500KWの 出力の機関車が必要になるとの事です。EF65のモーター MT52は 425KWですから、1輌の出力は425KW×6軸=2550KWになります。1輌では不足なので重連運転が必要です。ところが、2550KW×2輌=5100KWなので、1600KWも余分になってしまいます。つまり EF65重連運転を実行しようとすると、機関車の輌数不足と変電所の能力不足が問題になった様です。EF66で使われたモーターMT56は 650KWもあるので、これでF級の機関車を作ると出力は650KW×6軸=3900KWでピッタリです。
