体は休んでるのに頭だけ出勤してる|『無職になったら読む本:誰も教えてくれない無職期間の過ごし方』読書レビュー
休みの日なのに、なぜか疲れる。
何もしていないはずなのに、夕方になると「今日も休めんかったな」と感じる。
スマホを触りすぎたからでも、外出して歩き回ったからでもない。体はずっと家にいたのに、頭の中では仕事の段取りや今後の心配を何時間も続けている。
体は休んでいるのに、頭だけ勝手に出勤している。
この状態を止めるには、何か楽しい予定を入れるより、先に「今日はこれを考えない」と決めるほうがよさそうだ。
無職になっても、すぐには休めない
『無職になったら読む本』は、仕事をしていない期間を、人生の空白ではなく「無色」の時間として捉える本である。
会社の色から離れて、食事や睡眠、散歩といった生活の基本を整え、自分に合った次の生き方を考えていく。
その中で自分がいちばん引っかかったのが、無職期間の最初に「考えないこと」を決めるという話だった。
仕事を辞めて時間ができても、人はすぐにのんびりできるわけではない。
「次の仕事を早く探さなあかん」 「何もしていない期間が長いとまずい」 「資格でも取ったほうがええんかな」
予定がなくなったぶん、頭の中に不安が出勤してくる。
せっかく会社を休んでいるのに、頭の中だけ通常営業である。
休むために予定を詰めてしまう
これは無職に限った話でもない。
自分も休みの日になると、なぜか有意義に過ごそうとしてしまう。
午前中に買い物へ行って、部屋を片づけて、本を読んで、運動もしておこう。せっかくの休みを無駄にしたくないと思い、平日より細かく予定を組み始める。
そこへ仕事のことまで割り込んでくる。
「あれ、月曜に確認せなあかんな」 「今のうちに資料の形だけ作っとくか」 「忘れそうやから、メールだけ見とこう」
気づけばパソコンを開いている。
休みを充実させようとした結果、自宅に小さな会社を開いてしまう。
それで夕方になってから「今日は何もできんかった」と落ち込むのだから、だいぶ損な過ごし方である。
やることより、考えないことを決める
休む日は、何をするかよりも、何を考えないかを先に決めたほうがいいのかもしれない。
仕事については昼まで考えない。
すぐに答えの出ない悩みは、紙に書いたらいったん終わり。
思いついた用事はメモだけして、その場では手をつけない。
考えないと決めても、頭には何度も浮かんでくると思う。
それでも「今は勤務時間ではない」と戻せばいい。
完全に忘れる必要はない。ただ、浮かんだ瞬間に働き始めないようにする。
休みの日まで毎回きれいに使い切ろうとすると、休むことまで仕事になる。
午前中だけ閉店してみる
自分は休みの日の午前中だけ、仕事の段取りを考えないことにする。
思いついたらメモだけして、判断は後回し。パソコンも開かない。
たぶん頭は何度も出勤しようとするけど、そのたびに玄関で帰ってもらう。
……と書いているのが日曜の午前中。
もう完全に出勤している。
