サラリーマンとビジネスマンの違い
「サラリーマン」と「ビジネスマン」。
どちらも会社で働く人を指す言葉として使われることがあるが、私は少し意味が違うように感じている。
サラリーマンという言葉には、会社から与えられた仕事を、決められた範囲でこなし、その対価として給料をもらう、というニュアンスがある。
もちろん、それが悪いという話ではない。
決められた仕事を正確にこなすこと。
安定して役割を果たすこと。
ルールを守り、周囲に迷惑をかけずに働くこと。
これらは会社にとって、とても大切なことである。
むしろ、こうした人たちがしっかり仕事をしてくれるからこそ、組織は成り立っている。
ただ私は、それだけで済ませてしまうのは、少しもったいないと思うのである。
一日の多くを仕事に使っている
多くの人は、一日のかなりの時間を仕事に使っている。
通勤時間まで含めれば、起きている時間の半分近くを仕事に使っているという人も珍しくない。
それだけ長い時間を使うのであれば、単に「決められた仕事を終わらせる」というだけではなく、そこに少しだけ自分なりの工夫を加えてもよいのではないだろうか。
例えば、昨日より少し段取りを良くしてみる。
次に仕事をする人が困らないように、少し整理しておく。
同僚が忙しそうなら、何か手伝えることがないか考えてみる。
お客様に対して、どうしたらもう少し喜んでもらえるか考えてみる。
どれも、それほど大げさなことではない。
しかし、こうした小さな工夫によって、同じ仕事でも見え方は大きく変わってくると思うのである。
「与えられた仕事」から「価値を生み出す仕事」へ
私は、こうした違いが「サラリーマン」と「ビジネスマン」の違いなのではないかと思っている。
サラリーマンは、会社から与えられた役割を果たす人。
ビジネスマンは、その役割の中で、自分なりに価値を生み出そうとする人。
そんなイメージである。
もちろん、これは職種や役職の違いではない。
営業職だからビジネスマンで、事務職だからサラリーマンということでもない。
経営者だからビジネスマンで、会社員だからサラリーマンということでもない。
どんな仕事であっても、自分の仕事が誰につながっているのかを考え、少しでも良くしようとすることはできる。
その意識があるかどうか。
私はそこが大きな違いなのではないかと思う。
笑顔でいるだけでもいい
とはいえ、「価値を生み出そう」と言うと、何か特別な成果を出さなければならないように感じる人もいるかもしれない。
私は、そんなに難しく考える必要はないと思っている。
例えば、笑顔でいるだけでもいい。
朝、気持ちよく挨拶をする。
人に話しかけられたとき、感じよく応える。
それだけでも職場の雰囲気は少し良くなる。
職場には、周りを明るくする人がいる。
その人がいるだけで話しかけやすかったり、ちょっとした相談がしやすかったりする。
そういう人も、十分に価値を生み出しているのである。
売上を何百万円増やした、といった分かりやすい成果だけが仕事の価値ではない。
チームの雰囲気を良くすることも立派な貢献である。
仕事の質は、人生の質につながる
仕事に少しだけ主体性を加えると、周りのためになるだけではない。
自分自身にも返ってくる。
工夫をすれば、仕事が少し面白くなる。
お客様に喜んでもらえれば、手応えを感じる。
同僚との関係が良くなれば、職場に行くことも少し楽になる。
仕事を通して自分の能力が高まっていけば、自信にもつながる。
考えてみれば当然のことで、一日の多くを仕事に使っている以上、仕事の時間の質が上がれば、人生全体の質も上がっていくはずである。
だから私は、「会社のためにもっと頑張ろう」と言いたいわけではない。
むしろ逆である。
せっかく多くの時間を仕事に使うのであれば、その時間を自分自身にとっても、もう少し良いものにしてみてはどうかと思うのである。
決められた仕事をきちんとやる。
そこに、ほんの少し創意工夫を加える。
チームや顧客への貢献を少し意識する。
そして時には、笑顔でいる。
それだけでも、仕事は単なる「生活のための時間」から、自分の人生を少し豊かにする時間へ変わっていくのではないだろうか。
私は、そんな働き方をする人を「ビジネスマン」と呼びたいと思うのである。
