「ツバメが低空飛行」
芝生の公園の上を、
ツバメが低く飛んでいた。
どこからともなくサッと飛んできて、
芝生すれすれのところを
滑るように飛んでいく。
虫を捕まえたのだろうか、
突然その場でふっと
動きを止めるように見える。
そして、またスーッと飛び去っていく。
その繰り返しだ。
特別なことをしているわけではない。
ただ、虫を追い、飛んでいるだけなのだろう。
それなのに、見ていると飽きない。
人間からすれば、何気ない一瞬の出来事だ。
でもツバメにとっては、
飛ぶことも、虫を探すことも、
すべて生きるための大切な時間なのだ。
綺麗に刈り込まれた芝生の
公園には、誰もいなかった。
けれど、そこにはツバメがいて、
芝生の上を自由に飛び回っていた。
「誰のための公園なんだろう」と
思ったこともあったけれど、
こうして眺めていると、
人間だけのためにある
場所でもないのかもしれない。
しばらくベンチに座って、
ツバメの飛ぶ姿を眺めていた。
サッと飛んできて、ふっと止まり、
またスーッと飛んでいく。
何度見ても飽きない。
こういう何でもない時間が、
案外いちばん贅沢なのかもしれない。
