クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』は、たかたによる日本のライトノベル。略称は「クラにか」。本作はカクヨムにて2020年11月30日より投稿が開始された。書籍版は角川スニーカー文庫(KADOKAWA)より2021年12月から刊行されている。イラストは長部トム(1巻)と日向あずり(2巻以降)が担当している。
第6回カクヨムWeb小説コンテストラブコメ部門特別賞受賞作。「次にくるライトノベル大賞」文庫部門では2022年版で7位、2023年版で1位をそれぞれ獲得している。「2022年1番売れたライトノベル新作シリーズ(KADOKAWA調べ)」となり、2026年3月時点で電子版を含めたシリーズ累計部数は160万部を突破している。
あらすじ
前原真樹は中学3年生の冬、両親の離婚により母親について隣の県へと引っ越すこととなった。金曜日はだいたい家で1人で過ごすことが多く、ゲームをしたり、映画を見たり、漫画を読んだり、出前でジャンクフードを食べたりすることが主な楽しみであった。県外から引っ越してきたばかりのため入学したばかりの高校では友人はいなかったが、とある金曜日の放課後に朝凪海と知り合い金曜日だけの交流が始まった。2人だけで家で遊ぶことは彼女への負担を避けるため公にしないように海に依頼し、海の親友である天海夕も含め、クラスメイトには秘密にしている。
主要人物
前原 真樹
声 - 石谷春貴(ボイスドラマ・ボイスコミック・テレビアニメ)、仁見紗綾(テレビアニメ・幼少期)
本作の主人公。高校1年生。中3の冬に両親が離婚してから、母親について、隣県から通っている高校の町に引っ越した。母親が多忙な上、週末は会社泊まりになることがほとんどなため、金曜日はだいたい家で1人で過ごしており、ゲームをしたり、映画を見たり、漫画を読んだり、出前でジャンクフードを食べたりすることが主な楽しみ。県外から引っ越してきたばかりで、学校では友達がおらず、自己紹介も「とくになし」「よろしくお願いします」など担任に不満げな顔をされ、クラスの雰囲気を微妙にさせたほど一言で済む言葉しか書かなかった。とある金曜日の放課後、朝凪海がピザやコーラを持参して家に訪ねたのがきっかけで2人は友達になり、金曜日だけの交流が始まった。2人きりで家で遊ぶことは、迷惑をかけることはしたくないため海に頼んで、海の親友である天海夕も含め、クラスメイトには内緒にしてもらっている。
作者は朝凪海を幸せにできるのはどのような男子であるかを考えて作りだしたキャラクターであると話している。
朝凪 海
声 - 石見舞菜香(ボイスドラマ・ボイスコミック・テレビアニメ)
本作のヒロイン。真樹のクラスメイト。「クラスで2番目に可愛い女の子」。成績が優秀で、運動神経も良い。
作者は天海夕と対を為すキャラクターであると話している。
『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2024年版で8位を獲得している。
天海 夕
声 - 鈴代紗弓(ボイスコミック・テレビアニメ)
「クラスで1番目に可愛い女の子」。クォーター混血。海とは小学校からの親友。
作者はビジュアル面および立ち振る舞いでメインヒロイン感を出すことを特に意識したと話している。
ーウィキペディアより抜粋ー

鏡合わせの不完全さが紡ぐ、青春の「恋のカタチ」
──『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』が描く、傷の癒やしと成長の軌跡──
序:完璧ではない二人が出会う「意味」
小生達は誰しもが、己の内側にコンプレックスや不完全さを内包して生きています。特に思春期という多感なこの期間に於いて、周囲からの目線や自己評価の低さは、時に心へ深い傷を刻み込むコトが多いモノ。ラノベを原作とし、待望のアニメ化を果たした本作『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』は、一見すると流行の「身近な美少女とのボーイ・ミーツ・ガール」に見えるし・・・実際そうです。しかし、此処には「ボーイ・ミーツ・ガール」の本質が濃厚な筆致で描かれています。そして、その本質は、単なる甘いラブコメの枠を超え、自己の存在の内面に深く手を伸ばす、極めて普遍的且つ切実な「人間の魂の救済と成長」の物語・・・なのだと思います・・・。
本作の世界は、完璧からは程遠い「陰キャでコミュ障」の主人公が、誰もが憧れるような「運命の相手」に見出されることから始まります。・・・そして、ただ見出されるだけではなく、二人がお互いの弱さ、不完全さ、コンプレックスの「鏡」となって、互いを映し会いながら共に成長し、傷を癒やし、明日へ向かうエネルギーに変えていく姿を描き出します。此れこそが、小生達が何処かで憧れ、喪失してしまったかも識れない、或いは今正に求めている「青春のかくあれかし」という理想的な恋のカタチなのではないでしょうか?本稿では、主人公:前原真樹と、ヒロイン:朝凪海という二人の関係性を軸に、本作が提示した愛おしくも尊いメッセージについて深く考察して見ようと思います。
第一章:「陰キャでコミュ障」の少年が見出された、偶然という名の運命
主人公の前原 真樹は、自他共に認める「陰キャ」にして、極度の「コミュ障」。クラスの隅で目立たぬように息を潜め、周囲との関わりを最小限に抑えるコトで自我を守ってきた少年。彼は、クラスの中心で輝くような存在とは対極に位置する存在で、自分に価値が有る等とは微塵だに想像していません。
そんな彼の前に現れたのが、クラスで「2番目に可愛い」と噂される美少女:朝凪 海。一般的に「クラスで2番目」という肩書は、どこか親しみやすさを内包しつつも、学校という狭い社会に於いては十分過ぎる程のスター性を持ちます。でも、本来であれば交わる筈の無かった二人の世界が、或る日、金曜日の放課後という特別な時間を切っ掛けに交差し始めます・・・。
此処で重要なのは、真樹が海に近付いたのではなく、海が真樹を「見出した」という点。海は真樹の持つ、他人に媚びない実直さや、不器用ながらも他者を思い遣るコトの出来る優しさを見抜いたのです。周囲に合わせるコトに疲れていた海にとって、自己を様々なバイアスの掛かった色眼鏡で見ず、一人の人間として静かに受け入れてくれる真樹の存在は、正に渇望していた救済だったのではないでしょうか?
真樹自身は、何故自分が選ばれたのか最初は理解出来ません。しかし、この「見出される」という体験こそが、彼の閉ざされた世界に一筋の光を差し込ませます。完璧からは程遠いと自分を蔑んでいた少年が、誰かにとっての「特別」になる。このボーイ・ミーツ・ガールの導入部は、視聴者に対して「あなたもまた、誰かにとっての見出されるべき存在になり得るのだ」という静かな勇気を与えてくれます。
第二章:互いを映し出す「鏡」としての二人の関係
本作が他のラブコメ作品と一寸違う点は、ヒロインである朝凪海もまた、決して「完璧な存在」としては描かれていない点にあります。彼女はクラスでは天真爛漫で、誰からも好かれる完璧美少女を演じていますが、その内実には深い孤独と、1番(要するに親友の天海夕)には成れないと云うコンプレックス、そして「周囲が求める自分」を演じ続けなければならないという息苦しさを抱えていました。
真樹と海は、お互いにとっての「鏡」だったのです。
真樹は海を見るコトで、自分が他者と関わることの恐怖や、自己肯定感の低いこと、と云った自らの懦弱さと直面します。対する海は、真樹の着飾らぬ姿を見るコトで、自分が何れ程重厚な「仮面」を被って生きて来たかを自覚させられます。真樹の前でだけ、海は「2番目の美少女」ではなく、唯の「素の女の子」に戻るコトが出来るのです。
この鏡合わせの関係性は、互いの不完全さを補完すると云うよりも、寧ろ「不完全な随でいいのだ」と認め合うプロセスとして機能しています。人間は自分の弱さを一人で克服することは難しいモノです。しかし、目の前に自分と同じように悩み、傷つきつつも必死に生きている相手が居ると確認した時、其の人はその相手の為に強くなろうと思えた・・・というコトでしょうか。真樹のコミュ障故の拙い言葉が海の頑なな心を盪かし、海の真っ直ぐな好意が真樹の劣等感を打ち砕きます。傷口を隠し合うのではなく、互いに傷を見せ合い、それを優しく舐め合うような関係性。その小さな対話の積み重ねこそが、本作の描く心理描写の骨子なのではないでしょうか?

第三章:傷の癒やしと、明日へのエネルギーへの昇華
物語が進行につれて、二人は「只の友だち」という心地よいモラトリアムの関係性から、少しずつ変化を余儀なくされて行きます。其れは、彼らが自身のコンプレックスや過去の傷と、本格的に対峙しなければならなくなることと同義でした。
真樹にとっての最大の試練は、海との関係が深まるに連れ、自分が彼女の隣に立つに本当に相応しい人間なのか?と云う疑念との戦いです。クラスの人間に関係が知られれば、自分への誹謗中傷だけでなく、海の評価をも下げてしまうのではないかという恐怖。それはコミュ障の彼にとって、世界と戦うに等しい試練です。でも、真樹は逃げませんでした。海が自分を信じてくれたという事実のみが、彼の足元を支える強固な土台となっていたからです。彼は不器用ながらも、自らの意志で一歩を踏み出し、世界との関わりを持ち始めます。
海にとっても同様。彼女が抱えていた「1番になれない」というコンプレックスは、真樹が自分だけを真っ直ぐに見つめ、「君が1番だ」と言葉と行動で示し続けるコトに因って、徐々に癒やされていく。他者からの評価という相対的な価値観の中で苦しんでいた彼女が、真樹という絶対的な存在を得ることで、自分自身の自己同一性を肯定出来るようになったのです。
二人が流した涙や、交わした言葉の一言一句は、単なる感情の発露ではなく、其れは過去の傷を洗い流し、明日と云う未来へ向かって進む為のエネルギーへと昇華されます。完璧ではない二人が、手を携えるコトで奇跡のような前進を遂げます。そのプロセスは、傷つくコトを恐れて他者との間に壁を作りがちな現代を生きる小生達にとって、極めて尊く、眩しいものとして映ります。
第四章:青春のかくあれかしという「恋のカタチ」
本作が描く恋愛の在り様は、「恋とはこうあるべきだ」と云う、一つの理想的な「青春のカタチ」を提示しています。
近年の多くのラブコメに於いて、効率性やステータス、あるいは「推し」としての消費的な恋愛が描かれることも少なくありません。しかし、真樹と海の恋は、それらとは完全に一線を画す、古風でありつつも最も誠実な「魂の交感」です。
此処には、劇的な大イベントや世界を揺るがすような大事件は起きません。放課後の教室、ファミレスでの何気ない会話、自室での秘密の通信、そうした日常の些細な一コマ一コマが、彼らにとっての聖域。そして・・・其の聖域の中で、お互いの存在が欠くべからざるモノへと成長してゆく・・・。
「青春のかくあれかし」──其れは、己の為ではなく、誰か大切な人の為に成長したいと願い、実際に変化していく季節のコトではないだろうか。本作に於ける恋は、唯胸がときめくような衝動だけではなく、相手の弱さを知った上で、その弱さごと抱き締めたいと願う覚悟であり、自分の不完全さを正しく承認し、相手の前で素直になることの出来る優しさ・・・そして強さ。
真樹が海の不完全さを愛し、海が真樹の不完全さを愛したように、二人の恋は「完璧な人間同士の結びつき」よりも遙かに強く、強固なモノとして完成されて行きます。この「恋のカタチ」こそが、観る者の心を激しく揺さぶり、心地よい感動を呼び起こします・・・。
結論:不完全な我々が、明日を生きる為に
『クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった』というアニメ作品が小生達に遺したモノは、単なる「可愛いヒロインとの疑似恋愛」の快感ではありません。其れは、自分の弱さやコンプレックスに苦しむ全ての人々への、細やかな応援歌・・・
前原真樹と云う陰キャでコミュ障の少年が、朝凪海という運命の少女に見出されたコトで始まった物語は、互いを鏡として映し出し、傷を癒やし合うコトで、最高の輝きを放つ青春の1ページへと昇華されるストーリー。二人がお互いの存在を糧として、少しずつ、しかし確実に明日へと歩みを進める姿は、不完全な随生きる小生達に対して、「その道でいいんですよ・・・」と云う安心できる肯定感を齎してくれました。
人は一人では完璧になれません。でも、アニマとアニムスの如く、互いの不完全さを分かち合える「誰か」と出会えたトキ、その不完全さは、二人だけの特別な絆へと形を変えます。本作が描いた「恋のカタチ」は、青春という限られた時間の中で生み出された奇跡でありながらも、若者達がこれからの人生を歩んでいく上での、普遍的な光として心に残り続けるでしょう。完璧からは程遠い彼らの物語に、小生達は自分自身の姿を重ね合わせ、そして彼らと同じように、少しだけ前を向いて明日へ進む元気を貰うのです。其れこそ、この作品が持つ、真の価値だと感じるのです。

主題歌
「サブマリンユース」
reGretGirlによるオープニングテーマ。作詞・作曲は平部雅洋、編曲はreGretGirlと重永亮介。
「ずっと1番にしてね」
コレサワによるエンディングテーマ。作詞・作曲はコレサワ、編曲は鈴木Daichi秀行。
「浮気したらあかんで」
朝凪海(CV:石見舞菜香)による第7話挿入歌。作詞・作曲はコレサワ。

また、カラオケの練習項目が増えます・・・なかなか・・・インプットすることが難しくなる今日この頃です・・・(ノД`)シクシク(ノД`)シクシク
