名シリーズの原点。【Pelikan #450 茶縞 1.18mm】
0.憧れの名作
こんにちは、鬻です。
立て続けに購入品紹介となりますがご勘弁を。
さて、今回はずっと気になっていた逸品「Pelikan #450 茶縞 1.18mm」について綴っていきます。
同じ"茶縞"の愛称で親しまれるM800 ブラウンブラックとの比較を混じえて徹底解剖していきます。是非最後までご拝読ください。
また、過去の記事にてM800を紹介しておりますのでそちらもよろしければ。
1.#450シリーズについて
Pelikan社は1838年にドイツ人化学者カール・ホルネマンが設立したインク・絵具工場に起源を持ちます。そのノウハウが現在のエーデルシュタインや4001シリーズの確かな質、他者と比べ豊富なバリエーションに活きているのでしょう。
そんな会社が現在圧倒的な支持を受けるストライプ模様を軸にあしらった筆記具を販売し始めたのは1950年のこと。

現在でもブランドのアイコニック。
https://www.pelikan-passion.com/ja/burandoekusuperiensu/burandohisutori/yi-chanto-yun-tong/1950-1982.html
その名作のオリジナルと同時期に発売されたのが今回紹介する#450。 他に緑縞と黒縞(グレーストライプ)の展開があり、芯径はヴィンテージ品に多く見られる1.18mmと0.92mmが用意されていました。
その中で今回手に入れたのが#450 茶縞 1.18mmとなります。
2.ロマンに溢れた初代茶縞
ここからは直近の茶縞(2019年発売)と比較をしながら詳しくご紹介。
.茶縞

まず一目見て分かるのはストライプ模様。
奥のM800(以下"800")は均一の色合いの茶縞であるのに対し、手前側の#450(以下"450")は不均一な色合いの茶縞となっています。
また、よく見ると#450の線が少しぶれているのがお分かりいただけると思います。これは近年加工精度が上がったというのもあるでしょうが、なにより個体差の影響だと思います。
というのも、ストライプ部分の模様は手作業で一つ一つセルロースを重ね合わせることで作り上げられています。 なのでストライプの色合い、そして線の曲がり具合に個体差が出てくるのです。
これはヴィンテージに限った話ではなく、現行のSouveranシリーズにも見られるものです。
.全体

まずはスペック。
・全長:130mm
・最大径φ:15mm
・重量:19g
・素材:樹脂(プラスチック セルロース)
・芯径:1.18mm
・色:茶
・機構: ノック式
手元にあるのは太軸モデルなので持ってみると結構しっくりくる印象。 あとやはりこの頃のペンは総じて短い、というのは偏見でしょうか笑
取り回しがよく書きやすい、そして450はそれに加えて適度に重さがあるので書いていて楽しさを感じます。
あと色に関して、"茶・黒"にも見えますが、実は胴軸部分もほんのり茶色になっています。これは800も同じ。


.ノック部分
800は万年筆ですが、天冠部分のデザインは現行のそれと同様となっています。

現行のSouveranのシャーペン(D400)は800のようにペリカン親鳥と雛鳥が刻印されています。
(ちなみに少し昔のモデルは雛鳥が2羽刻印されています。)対して450は刻印されていないシンプルなプラスチックのノック部分です。

外すとこんな感じ。おそらく真鍮で出来たイカついパーツがネジで繋がっています。回すと...

中には消しゴムが。 なんでこんな横着な設計にしたのか調べた限りでは分かりませんでした。
有識者の方がいらっしゃれば教えていただけると幸いです。
.クリップ部

クリップはおなじみペリカンをかたどった形。
そして少し見にくいのですがクリップリングの真下にグレーの文字で刻印が入っているのが分かると思います。画角に収まっていないのも含めるとストライプ部分には「GUNTER WAGNER PELIKAN」(ギュンターワーグナー:当時のペリカン社代表)と書かれています。

現行のペリカンクリップと見比べると、今の方が少しのっぺりした印象です。
.ペン先

ペン先は少し特殊な形。 ペン先を覆う、所謂"パイプ"が三又に割れている形状です。
比較用に過去画を。

中4本がシャーペンなのですが、いずれも割れ目のないペン先であることが分かるかと思います。
450の割れたペン先は芯ホルダーのそれに酷似しています。

普通こういった三又(ものによっては四又)のペン先はドロップ式(ノックすると芯が一気に落ちてくるような機構)の芯ホルダー(2mm以上のシャーペン)に用いられるのですが、それ以外のペンにおいてはヴィンテージものにおいても珍しい機構です。技術が足りなかったのかなと勝手に思っています。
また、いつもはこっから分解の流れなのですが、ぶっ壊れたらメーカー修理不可との事なので(当たり前)口金を外すだけで勘弁してください。ただ、色々調べていると完全にバラしてるすごい人がいたので、それを参考に少しイラストで示せればと思います。
.内部機構

口金を外すとこんな感じ。現行シャーペンであるD400はシュミット社の、言わば他社の内部機構を積んでいます。それに対し450はおそらく自社の、少し複雑な機構なのが一目見てわかります。
ここからは音楽選択のお絵描きです。お付き合い下さい。

こう見ると意外と単純ですね。ペン先が少し複雑なだけかと。ノックすると機構が下がるのに応じてバネが収縮し、指を離すとその逆に作用する仕組みだと思います。 以前紹介したKaweco Eliteのヴィンテージシャーペンと比較してかなり現代的な機構です。(しれっと宣伝)

.書き味
再び悪筆失礼します。

書き味は適度な重みのおかげで軽快で、1.18mm芯ということもあり柔らかさを感じます。 2mm芯シャープナーで芯を研ぐことも出来ますが僕はあんまり研がない派です。 道具としてのロマンだけでなく実用性もある、最高の1本です。
3.あとがき

今回はPelikan #450 茶縞 1.18mmについて綴っていきました。 万年筆、シャーペンと来ると...といったところです笑茶縞にも多くの種類があって掘り下げ甲斐がありそうです。
そろそろ筆箱紹介の時期かな、というふうに思います。乞うご期待を。それでは。
