🌱はじめて出会うエルガー
このシリーズは、
はじめて作曲家を知る方にも親しんでもらえるよう、
その人生と音楽をやさしくご紹介しています。
専門的な研究や学術的な解説ではなく、
はじめに知っておきたいことを中心に、
できるだけわかりやすくまとめています。
作曲家の人生や音楽には、
さまざまな見方や解釈があります。
このシリーズも、
その魅力にふれる小さなきっかけとして
楽しんでいただけたらうれしいです♪
エドワード・エルガーは、
イギリスを代表する作曲家のひとりです。
堂々とした響きで知られる
《威風堂々》、
やさしく美しい
《愛の挨拶》。
今も多くの人に愛される作品を残しました。
けれど、その音が世界に届くまでには、
たくさんの出会いと、長い時間がありました。
今日は、
エルガーの人生と音楽を
イラストとともにたどってみましょう♪
① 生まれた場所
エドワード・エルガーは1857年、
イギリスのウスターで生まれました。
父は楽器店を営み、
家には楽譜や楽器がたくさんありました。

音楽がすぐそばにある毎日だったんだにゃ🐾
幼いエルガーは、
そんな環境の中で
自然と音楽に親しんでいきます。
音や楽譜に囲まれた毎日が、
のちの作曲家エルガーを育てていったのです。
② 青年時代
けれど、
エルガーは有名な音楽学校へ
進んだわけではありませんでした。
ほとんど独学で、
音楽を学んでいきます。

若いころは、
法律事務所で働いたこともありました。
けれどその仕事は長く続きませんでした。
心の中にあったのは、
やはり音楽だったのです。
③ 音楽の道へ
やがてエルガーは、
仕事をやめて音楽の道へ進みます。
ヴァイオリンを教えたり、
指揮をしたりしながら、
少しずつ経験を積んでいきました。

(チャッピー、弓がくっついてる💦)
しかしこの頃は、
まだ大きな成功には
つながっていませんでした。
それでも、音楽家として
着実に歩みを重ねていきました。
④ アリスとの出会い
そんなエルガーの人生を大きく変えたのが、
アリス・ロバーツとの出会いでした。
アリスは、
エルガーの音楽を深く信じ、
ずっと支え続けた人です。
結婚には反対もありました。
それでもふたりは、
強く結ばれていました。
その想いが音楽になったのが、
《愛の挨拶》です。
🎧 聴いてみよう♪
この曲は、
やさしく語りかけるように始まります。
大きな愛を叫ぶのではなく、
そっと手紙を渡すような、
あたたかな気持ちが流れていきます。

やさしい気持ちが、
そのまま音になったみたいだにゃ🐾
このころのエルガーにとって、
アリスは自分の音楽を深く理解し、
支えてくれる特別な存在でした。
その安心感が、
この旋律のやさしさに
つながっているのかもしれません。
⑤ 人とのつながりが音楽になる
その後エルガーは、
友人たちに支えられながら、
少しずつ作曲家として歩んでいきます。
そして生まれたのが、
《エニグマ変奏曲》です。
この曲は、
大切な友人たちを
ひとりずつ音で描いた作品です。
🎧 聴いてみよう♪
ひとつひとつの変奏に、
それぞれの人の性格や空気が感じられます。
特におすすめの3曲をご紹介します🐾
C.A.E.(01:36 〜)
エルガーの妻、
キャロライン・アリス・エルガーの
イニシャルを題名にした変奏。
やわらかく寄り添うような旋律に、
静かな信頼とぬくもりが流れています。
Nimrod(13:13〜)
親友のアウグスト・イェーガーを描いた、
有名な変奏。
題名は、イェーガー
(ドイツ語で「狩人」)の姓にちなみ、
聖書の狩人ニムロッドから名付けられました。
深く静かで、祈るように広がる響き。
励ましや友情の重みが、
そのまま音になったようです。
E.D.U.(25:54〜)
最後の変奏では、
エルガー自身が描かれています。
「E.D.U.」は、
妻アリスがエルガーを呼んでいた愛称。
これまでに登場した変奏の面影も感じられ、
エルガー自身の歩みを見つめるような
フィナーレになっています。

音楽が、
人との思い出を
残してくれることもあるのですね。
⑥ 世界に広がる音
そしてついに、エルガーは
世界的に知られる作曲家になります。
その代表作のひとつが、
《威風堂々》です。
🎧 聴いてみよう♪
力強く始まるこの曲。
まっすぐ前へ進むようなエネルギーがあります。
でも途中には、
大きく歌うような、
広がりのある旋律があらわれます。
堂々としているのに、
どこかあたたかさも感じられる。
とてもエルガーらしい音楽ですね🐾

⑦ 戦争のあとに生まれた音
けれど、そのあと世界は大きく変わります。
第一次世界大戦によって、
多くの人が悲しみを抱える時代になりました。
そんな中で生まれたのが、
《チェロ協奏曲》
🎧 聴いてみよう♪
華やかな《威風堂々》とは違い、
静かに語りかけるような音楽です。
どこか寂しさや、
人生をふり返るような深い響きも感じられます。
年を重ねたエルガーだからこそ
生まれた音なのかもしれないにゃ🐾
⑧ 静かな晩年
《チェロ協奏曲》を書いたあとも、
エルガーは音楽とともに歩み続けました。
けれど1920年、
長く支えてくれたアリスが亡くなります。
その出来事は、
エルガーにとってとても大きな悲しみでした。

それからは少しずつ人前から離れ、
静かな時間を過ごすようになります。
音のそばで生きてきた人生の終わりに、
深い静けさが訪れたんだにゃ🐾
エルガーの歩み
人生の主な出来事を、ざっくり年表にまとめました。
1857年 0歳 ウスターで生まれる
1888年 31歳 婚約を記念して《愛の挨拶》作品12を作曲
1889年 32歳 アリスと結婚
1899年 42歳 《エニグマ変奏曲》作品36が大成功
1901年 44歳 《威風堂々》第1番 作品39-1 初演
1904年 47歳 ナイトに叙され、「Sir」の称号を受ける
1914〜1918年 第一次世界大戦
1919年 62歳 《チェロ協奏曲》作品85 完成
1920年 63歳 妻アリスが亡くなる
1934年 76歳 亡くなる
🌱 おわりに
音楽学校に通わず、
長い下積みを重ねながら、
自分だけの音を育て続けたエルガー。
すぐに道がひらけなくても、
一歩ずつ積み重ねた時間は、
決して無駄にはなりませんでした。

世界中で愛される音楽が生まれたんだにゃ🐾
エルガーの音楽が、
あなたの時間にやさしく響きますように。
また一緒に音楽の旅をしましょう。

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