歯ァ食いしばれ!!
人生で、面と向かって言われたことありますか?
「歯ぁ食いしばれ‼︎」って。
私はあります。
マンガや小説の中の台詞ですよね。現実で口にすることってまあ無いかと。特に若い世代なんて。私も自ら発したことはありません。
でも、言われた経験なら何度もあります。
N先生
小学生のとき、N先生という担任がいました。私にとって6年間の中で最も好きな先生です。
時は1990年代。
熱血教師で、クソガキの我々が悪事をはたらくと、容赦なく愛のあるゲンコツが飛んできました。
その際の先生の口癖が、
〝歯ぁ食いしばれ!!…痛いぞ⁉︎痛いぞ!?〟
でした。
その後、頭頂部に拳が振り下ろされるわけです。ガツン!
実際、めっちゃ痛かったのですが、今思えば、怪我しないようにしっかり手加減していたんだろうなと分かります。
昭和のドラマ『スクールウォーズ』であまりにも有名な「俺はこれからお前たちを殴る!」と同じですね。暴力を先に宣言する。笑

↑改めて例のシーン見たらめちゃくちゃで腹抱えちゃいました。これ、今の若者にとっては1周まわって逆に笑えるのでは…?
N先生はグーの手を握りしめる前に、必ず「なぜ叱られているか分かるか?」の理由をしっかり説明して、私たちが「確かに、罰を受けて当然のことをしてしまったんだ」と納得させた上で、鉄拳制裁を執行してくれました。
ぶん殴ってくる教師など当たり前にいましたが、単純に怒りのままに手を上げてるなこの人、という先生が大多数でした。子どもでも、それはわかるんですよね。
その、N先生の〝事前申告〟に優しさを感じていたんです。急に殴るんじゃなくて。
そして、たとえば悪ガキ5人にゲンコツ喰らわした場合、我々は1発ずつですが、先生は5回分の痛みを蓄積するわけで。
私はN先生の体罰に理不尽さを感じたことなど一度もありません。本当に感謝しているし、大好きで、今でも忘れられない恩師です。

アップデート&ダウングレード
当然、現在のご時世だったら絶対にあってはならない教育方法ですよね。
では、令和の今の〝常識〟に置き換えたらどうなのか?
どんな先生が〝恩師〟と慕われるのか?
たとえば〝自己肯定感〟を育む指導方針を徹底的に根気よく続けてくれる教師とか。そんな感じでしょうか。
卒業して10年後に「あのときは正直しつこいと感じていたけど、担任の先生がずっと前向きな言葉を投げかけてくれたおかげで、今の自分があるんだな」と気づく…とか。
「体罰が当たり前の時代」の「体罰」だから、それを〝愛情〟だと受け取れる。
「『褒めて伸ばす』のが当たり前の時代」だから、それを〝愛情〟だと受け取る。
〝子どもに寄り添う姿勢〟が大切だというのは真理だと思います。私はN先生にゲンコツを喰らいながら、常に寄り添ってもらいました。
時代によって愛情表現は変わりますが、それでも「相手が本気で自分と向き合ってくれているか」は伝わるものです。もしその瞬間は気づけなくても、将来きっと。

昭和のカルチャーは今、省みるとありえないことだらけです。
でもその時代を過ごした世代の人たちそのものが否定されるのは絶対に誤っていますよね。
今を生きている若い世代も、30年後には揶揄されているわけです。普遍の真理。人類史上、そうでなかった瞬間などなかったはずで。
この先の未来だってそうです。
現状が完璧なわけではあるはずもなく、教育という分野もずっとアップデートされていくわけです。
自己肯定感を育む指導が否定される時代だって当然に訪れても何らおかしくありません。あるいは体罰が肯定されるダウングレードが起こる可能性だってゼロではありません。
1世紀後に世界大戦が起きている未来を誰も否定できないのと同じように。
昔の文化が礎となって今があり、今の流行が将来の不易を創る。
人の世に、ベストなど永遠に存在しない。
本質を見失わないようにしたいものです。


時代に合わせて〝修正〟していかなきゃですね。
