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soeji
心温まる三匹の子猫にまつわる話
まだまだ
捨てたもんじゃない
この世界
小さい頃。
田舎には、
野良猫がたくさんいた。
一匹の猫に、
それぞれの家が、
勝手に名前を付ける。
「ニャー」
と来れば、
餌をやる。
そんな時代。
我が家の名前は――
ニャロメ。
二階の窓を少し開けておくと、
夜、布団に入ってくる。
朝起きると――
真ん中に、
ニャロメ。
自分は、
布団の端で、
縮こまって寝ていた。
ここからは、
珍しく、
いい話。
学校時代。
ある朝、
子どもたちが口々に、
子猫の話題。
登校途中のトンネル。
段ボールの中に、
子猫が三匹。
後日、
PTA会長から聞いた話。
下校時。
A児童が、
段ボールごと持ち帰る。
衰弱していたため、
保護者が病院へ。
そして――
B児童が、
三匹を引き取ることになる。
知人にも声をかけ、
ニ匹の行き先が決まる。
B児童宅で、
一匹を引き取る。
ここまでは、
よかった。
でも、
週明け。
B児童から聞いた。
預けた一匹は、
亡くなった。
家で引き取った一匹も、
肺炎で亡くなった。
残った一匹も、
入院中。
肺炎だと、
生きる確率は
30%らしい。
その話を、
近くで聞いていた、
見守り隊のCさん。
ぽつり…
「捨てようと思って開けたら、
子猫がいたけど……」
そして、
「ありがとうね。
やさしいね」
涙ぐみながら、
B児童の頭を、
何度も、
何度も、
なでていた。
あの場にいた子どもたちは、
きっと忘れない。
助けられなかった命もある。
でも、
見て見ぬふりをせず、
手を差し伸べた人がいたことも。
まだまだ、
この世界、
捨てたもんじゃない。
(人生の一滴)
人は
人に関わって
育っていく
