人は傷つかないと気づけないらしい
「今のこの状況を選んでいるのは自分であり、その結果を嘆いてもどうしようもない」
ワンオペ育児と持病を抱えながら必死に働く私に、ある人が何気なく投げかけた言葉でした。
悪気はなかったのでしょう。
前に進んでほしいという思いから出た言葉だったかもしれません。
でも、余裕のない心にはそれがトゲのように刺さり、私は思わず、
「そうね、自分のやりたいことだけをやるなら一人になる選択肢もある。実際、そうしている人もいるよね。」
と返してしまいました。
人は、自分の優先順位に沿って選択をする。
けれど、現状を変えたいなら、自分が置かれた状況と向き合い、まずは気づかなければいけない。
そう痛感した瞬間でした。
傷つくことのメカニズム
心理学では、他者の痛みを“自分ごと”として感じるミラーニューロンが存在すると言われます。
しかし実際には、痛みを体験しないとその重みは伝わりにくく、言葉だけでは届かないことも少なくありません。
私自身、辛い出来事を友人に話したとき、
「それってそんなに傷つくこと?」
と言われた経験があります。
どれだけ真剣に話しても、相手には痛みが見えず、自分の感じている痛みは到底共有できない。
その事実を痛感しました。
実はその後、その友人も同じような苦境に陥り、周囲に助けを求めても思うように助けてもらえず、精神的に追い詰められてしまったことがありました。
人は自分が痛みを経験するまで、その深さを理解できないのです。
こうした共感のギャップが、思わぬ深い傷を刻み込む。
それが、言葉の刃の恐ろしさでもあります。
よく、言葉はブーメランのように返ってくると言いますしね。
私の“痛みの分岐点”エピソード
「今の状況を選んでいるのは自分」という言葉を受け、私は初めてはっきり気づきました。
子どもの有無や年齢、親族のサポート、健康状態──誰一人として、私とまったく同じ境遇にはいないという現実に。
だからこそ、いくら痛みを訴えても「分かってもらう」ことは不可能だと悟ったのです。
では、なぜ私はこの道を選んだのか?
それは、万一子どもたちに何かあったとき、真っ先に駆けつけられる存在でいたかったから。
実は私自身、子どもの頃、守ってほしいときに誰にも守られず、深い孤独と歪みを抱えて育ちました。
その経験が、私の価値観を根底から形づくっています。
同じ思いを子どもたちにさせたくない、という強い決意があったのです。
また、私の身体は私のもので、誰も代わりになってくれる人はいません。
だから倒れるわけにはいかない。
甘やかすのではなく、しっかりとご自愛することを決めたのです。
このことに気づいた瞬間、私は「どんな言葉を投げかけられても、自分で選択していくしかない」と腹をくくりました。
傷つきながらも自分のやり方を見直し、「今は種まきの時期」と捉えて行動をシフト。
すると少しずつ精神が安定し、家族との関係にも温かな変化が生まれました。
この瞬間こそが、ただの痛みを超えて、自分の道を再定義する分岐点だったのです。
無駄な傷を避けるために(私の気づき・アイデア)
それでも生きている限り、様々な言葉の刃は飛んできます。
そこで、無駄な傷を避けるため、私なりの気づきを書き記します。
意図を軽く示す
「私にとってはこう感じるのですが…」と前置きすると、相手が自分の立場を想像しやすくなる気がします。理解には限界があると意識する
言葉が100%届くことはなく、実際には50%ほどかもしれないと考えています。100%理解してもらおうとすると苦しくなりますし、ある程度理解してもらいたいときには「伝わりづらいかもしれませんが…」と一言添えると、受け止められやすくなるようでした。聴く“深さ”はコントロールを
興味や余裕の度合いで聴く姿勢が変わる自覚があるので、「ここは深入りしすぎずに受け止めようかな」と自分に言い聞かせることも大切だと思います。相手のタイミングを伺う
「今、この話をするタイミングとして大丈夫ですか?」と確認すると、お互いに無理のない会話になりやすいと感じています。自分の弱みを少しだけシェアする
完璧ではない自分をさらっと明かすと、相手も気を遣わずに心を開いてくれることがありました。小さなサポートをそっと添える
「もしよかったら一緒に○○してみませんか?」など、具体的な一歩を提案できると、言葉がより温かく響く気がします。
あくまで「私の場合はこう感じた」というスタンスで選択肢を示すことで、断定的にならずにトゲを和らげるコミュニケーションがしやすくなるかもしれません。
さいごに
言葉は刃にもなる。
だいたい人が傷つくときって、投げられた言葉によって傷つくことが多いように思います。
私自身、自分が傷つく前に、攻撃することが最大の防御だと思っていた時期もありました。
そのため、私が投げた言葉により、傷つけてしまった人たちもたくさんいるでしょう。
そのことに気づけるには、やはり自分自身も傷つかないと気づけなかったことも多いです。
自分自身の戒めも含め、今後は相手に届くように、「意図の提示→理解の限界の承認→深さのコントロール→自己開示→具体的サポート提案」をセットで意識したいと思います。
あなたは、どんな言葉で深く傷つき、そこから何を学びましたか?
コメントで教えていただけると嬉しいです。
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