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【わたなれ】百合の入門に! 四人四色な百合模様【国士舘アニ研ブログ】

こんにちは、銀追です。突然ですが、百合って最高ですよね
私自身、小学6年生にして百合に目覚めた・百合適性を自覚した身であります。当時は2018年10月──超豊作クールとして名高い、2018年秋クールの真っ只中でした。その時に同級生に勧められて観た「となりの吸血鬼さん」は、私においての人生の転換点なのかもしれません。以後なんやかんやありながら、超かぐや姫を視聴し、じわじわと"効いてきている"大学1年春休みの今現在に至ります。

自分語りはここまで。
今回は、最近話題の「わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」(略称:わたなれ)のアニメ版を紹介・布教する記事です。本作品は、明確な恋愛描写を伴う百合作品に初めて触れる方に特にオススメできるものとなっております。

また、記事内にはネタバレ要素は僅かながら存在します。が、それらは断片的かつ初視聴の際の妨げにならない程度……に留めたはずです。一応、ネタバレが含まれるブロックの最初に目印を付けておりますので、適宜スルーして下さい。


1.概要

話数:全17話
原作(ライトノベル):既刊9巻、著者:みかみてれん

原作小説:第一巻

2.あらすじ

陰キャでダメダメだった中学時代からの脱出を目指し、高校デビューした甘織れな子。運よくカーストトップの陽キャグループに入れて大成功!
と思ったのも束の間、根が陰キャなままのれな子はすぐ限界を迎えてしまう。さらには、学園のスパダリと呼ばれる王塚真唯に告白されちゃって―⁉
待って!わたしが思ってた最高の学園生活と違うかも⁉

アニメ公式HP 第一話 より

3.ジャンル

公式サイド曰く「ノンストップ・青春ガールズラブコメディ」とのことです。実際に、百合的な要素を除けば、一般的なラブコメ系作品のそれとよく似た雰囲気・構成になっている部分が多いです。そのため、百合作品としては明確な恋愛描写が用いられていました。それらの要素に加え、精神的・青春的な"成長"にもフォーカスが充てられており、ラブコメの部分を支える説得力的な役割を担っています。
また、詳しくは後述しますが、主人公を中心とした、いわゆるハーレム的要素も含まれています。その影響で「百合ハーレム」の作品と評されることも多いです。

明確に3人以上を想定した展開・描写が比較的多い
二人以上でも大歓迎!

以上を一言で言い表すならば、複数ヒロインを相手した、キャラの成長メインのラブコメ百合作品──とのような感じです。

4.登場人物

本編1話を観るだけでもおおよそは紹介され、理解できると思いますので、本当にざっとだけ紹介します。

甘織れな子

この作品の主人公。いわゆる「高校デビュー」をした、対人関係に強い苦手意識を持つ娘。しかし口数は多い。FPSゲームが趣味で、PS5を心の支えとしている。本人曰く、女性が好きというわけではないらしい。かなり必死そうに、普通の人間を目指して日々を過ごしている。

王塚真唯

メインヒロインの一人。豪運、容姿端麗、才色兼備な天才であり、海外を股にかけるモデル業を母親の会社で行っている。男女問わずモテており、周囲からは「スパダリ」の異名で崇められている。基本的に配慮上手な一面を見せるが、自分の運の良さや実力から調子に乗る・尊大な面や甘え下手な一面も。

琴紗月

メインヒロインの一人。小学校からの真唯の幼馴染。人が足掻くさま・濃厚な絡みを見せる小説が好き。見た目からはクールかつ冷酷そうな雰囲気を醸し出している。実際にそのような面を見せがちだが、友人の助けは見捨てない、情の厚さもある。また、幼馴染の真唯を一方的にライバル視し、腐れ縁と自負しても勝負を挑む執念深さ、人からの愛情への飢えも見られる。

瀬名紫陽花

メイン以下略。れな子が崇め祀ろうとするほどに天使的・良い子的な性格。裏の一面も無い。周囲のために率先して、人知れずに自分を抑え込みがちであり、一人に憧れている。ノリも良く、れな子が対人態度克服のために必死に真似しようとするほど。
本作品の中では、れな子にすら上回り圧倒的に一番人気。

小柳香穂

メイン以下略。妹・小悪魔的キャラをやっている。コスプレが趣味。甘え上手であり、紫陽花の膝に座ったり紗月をコスプレに誘うなど、距離感が近い。特に、真唯に対しては「推し」と明言しており、金髪を想起させる小物を身につけるなど、アピールが目立つ。れな子とは過去に面識がある。

甘織遥奈

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れな子の妹。中学生ながら、身体能力・ファッションセンスでは姉を大きく上回っている。姉の高校デビューを手伝った、まさに今のれな子を形作った張本人。姉への態度は塩寄り。

5.魅力

テンポの良さ・湿度感の軽減による取っつき易さ

先述の通り、公式はこの作品を「ノンストップ・青春ガールズラブコメディ」と称しています。その言葉通り、本編内でも主にれな子の口数の多さ・勢いの強さが目立ち、場面展開としてもシリアス→緩みの移り変わりの早さが押し出され具合が見られます(特に3話終盤)。れな子以外の登場人物もセリフ量が多く、キャラ同士の掛け合いを押し出す、というよりかは乱れ撃つような感じです。以下のインタビューでも明言される程、象徴的な要素の一つとなっています。

実は一度、れな子のセリフ量を数えてみたことがあるんです。通常のアニメだと各キャラ100ワードずつくらいに収まることが多いのですが、ある回ではれな子一人で200ワードを超えていて、全17話(※劇場版含む)だと約2500ワードに達していました。アドリブを含まず、台本だけでこの量です。

オタク総研 【特集】アニメ『わたなれ』の魅力を大解剖!
制作陣に訊く、百合の枠を超えた”ガールズラブコメ”の舞台裏
より

ハイテンポさと同時に、本作ではラブコメのコメ、つまりコメディ要素の描写も目立っています。内容が笑えるかは個人差があるのでさておき、どのようなパートでもシリアス一辺倒さが少なく、良い意味での「軽さ」を感じさせる役割に見えます。
百合作品は全体的に内向的な、いわゆる二人の世界的な、「湿度」を感じさせるものが多いです。この雰囲気こそが百合の一つの魅力ではありますが、同時に人を少し選ぶ要素、つまりクセと言えるものとなっています。上記のように本作はハイテンポさとコメディ要素の強さによって、その湿度感を醸し出しながらも軽減・場面的な高湿度に留められています。結果として百合の湿度的な雰囲気に不慣れ、未体験な人にも試しで触れやすくなっているのではないでしょうか。

多人数・特徴別なヒロインによる百合の豊富さ

キャラクター紹介の項の通りこの作品は、百合作品にしては登場ヒロイン数が多くなっています。関係性の構成としてもれな子を核とする、百合ハーレム的な状態です。複数人モノでありがちな話の構成の例に漏れず、れな子は一人ひとりを少しずつ、いわゆる「攻略」的な行為をしていく感じとなっています。そこで肝になってくるのが、キャラクター毎の話の雰囲気です。

本作では、各キャラクターがメインである範囲毎に、雰囲気が少し異なっています。範囲の分かれ具合だと原作含め序盤だと顕著かつわかりやすく、第1~4話(原作第1巻)が真唯・第5~8話(第2巻)が紗月・第9~12話(第3巻)が紫陽花、となっています。
実際、真唯編の場合だと一般的な少女漫画的であったり、香穂編の場合は青春部活的な雰囲気があると評されています。そしてそれはれな子のカップリング的なものも同様です。れな子×紗月はインモラル的であったり、一転してれな子×紫陽花は超王道恋愛的な描かれ具合となっています。

簡単な関係図的なやつ(筆者作)

れな子だけではありません。真唯×紫陽花や紗月×紫陽花など……主人公を介さない関係性の描写も多く、色々と横の繋がりを楽しむ余地も広いです。

百合の定番:幼馴染CPも当然登場

このような百合的関係性を一つの作品内で、同時並行して描写されているので「色々な百合を見れてお得だよね」といった感じです。色々なCPに触れられるので、百合初心者に押し薦めたいポイントと言えます。

主人公:甘織れな子のもがき

色んなヒロインが出るということは、当然色んな主人公=甘織れな子の姿が見られるというわけです。振り回したり、振り回されたり、イチャイチャしたり、苦悶したり……。キャラ紹介にもある通り、彼女は高校デビューの自己肯定感の低い女の子であるため、アニメ化範囲内でも対人関係の様々な壁に直面します。そこをどう乗り越えていくか──が、本作品の本筋的なものです。

対人関係って難しいですよね

れな子はこれに対し、ひたすらにもがき、どうにかいい結果になれるように精一杯を尽くします。わからない・自分のことが好きになれない人なりに、手探りであれやこれやと頑張るのです。対人関係の弱さを恋愛の中でどう誤魔化し、補い、克服していくのか。追い詰められたれな子はどう出るのか。彼女の目指す「普通」とどう向き合うのか。目が離せない、強烈な主人公なのです。
その過程で、自己肯定感の低さ故の過剰な優しさ・気遣いによるれな子の成長、逆にれな子が周囲の皆にとってどういう存在になっていくのか。このような主人公:れな子と彼女を中心とした成長物語が、先程の百合の下地として良い役を担っています。
そもそも複数ヒロインものでは、主人公の魅力も重視されている点も大きいです。いわば複数人から迫られることへの「説得力」ですね。その補強も、れな子によって充分に行われています。

紗月に迫られるれな子。カワイイ。

まあもう一つのれな子の魅力として、リアクションが見ていて面白いというところもありますが。よく喋りますしね。

6.終わりに

率直に言ってしまえば、わたなれは男性向けラブコメを見慣れた人ならすんなり入り込める作風となっています。一貫して女の子↔女の子ではありますが、そういうシーンも多いですし。

風呂・プールシーンもまあまあ多いです。うっかり外で観てはいけないかも。
私はうっかり観てしまいましたが。

そのような点や、登場人物のテンション(テンポ故仕方がない)に引っかからなければ、上記の理由から百合作品の中では入門用としてピッタリなのではないでしょうか。ひとまずOPだけでも是非。

この作品を観て、百合に興味を持った方、興味が深まった方が増えてくれたら幸いです。このまま本屋にBLコーナーだけでなくGLコーナーが設けられるくらいに、突き進んじゃいましょう。

EX.アニメ本編の見方

わたなれは原作通りの順序でアニメ化されているため、基本的には1話から順を追って視聴してもらえばOKです。ただ、最初の4話(特に2話~4話)には、人を選ぶ要素が少し存在します(濃厚な描写とか)。もし仮に少々キツイなと感じたなら、一旦5話まで飛ばし、9話前後でもう一度序盤に戻ってみるのも一つの手段です。単純に5話~8話が百合関係無しに面白いので、3話切りをされるならせめてここだけでも観て欲しい、というところもありますが……。
もう一つ、百合の間に男性が挟まる描写は、原作含め今日まで一切存在しないので安心してください! 平和な世界

画像出典
公式X
アニメ OP
・筆者作成

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