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2025年国勢調査、5年前調査より309万人減少、「出生率が多少回復しても人口減少そのものは避けられない」という前提に政策転換か?

◆国勢調査で309万人減少が明らかに

従来「出生率を回復させれば人口減少を止められる」という考え方から、最早、諦めたかのように「出生率が多少回復しても人口減少そのものは避けられない」という考え方を前提に政策転換するようだ。

いわゆる団塊の世代(第1世代)
戦後、1947~1949年頃生まれでは、年間出生数は約260万~270万人、
と急激な人口増加を形成し、日本史上最大規模の世代の一つだった。

では団塊ジュニア(第2世代)はどうか。
団塊世代の子どもたちは、1971~1974年頃生まれが中心となる。
年間出生数:約200万人超、通称「第2次ベビーブーム」を形成した。
当然ながら人口が多い親世代から多くの子どもが生まれた。

第3世代ではどうなったかと言えば、団塊ジュニアの子ども世代(1995~2010年頃生まれ)は想定外の変化が起きてしまった。
親世代(団塊ジュニア)の人数は多かったものの、この子供世代では、
晩婚化、未婚率上昇、出生率低下が進みその結果、
「人口の多い親世代がいたにもかかわらず、第3次ベビーブームは起きなかった」という結果となってしまった。
人口学上、非常に厳しい転換点とされている。


◆第4世代の状況

第3世代が少ないため、将来の親になる人数も減る。
団塊世代 270万人 ⇒ 団塊ジュニア 210万人 ⇒ 第3世代 100万人台前半そして昨今の出生数はと言えば、 約70万人前後となってしまった。

そのため、出生率を多少改善したとしても、子どもを産む世代そのものが減っているため出生数は急増しにくい構造になっている。

人口学で言うところの「人口モメンタム(人口慣性)」(Population Momentum)は、一度若年人口が減ると、出生率が回復しても出産年齢人口が少ないため人口減少は数十年続くという現象を指す。


◆人口減少ワースト3

人口減 = 自然減(出生数-死亡数)+社会減(転入-転出)だが、
秋田県、青森県、高知県は、いずれも「出生数が少ない」「高齢化で死亡数が多い」「若年層の流出が続く」という三重苦の状態だが、中身はそれぞれ異なる結果となっている。

1.秋田県の特徴
出生率:
全国ワースト級(約1.04)
出生数:全国ワースト3
高齢化率:全国最高水準(40%超)
自然減:全国最大級
若者流出も継続中
秋田県は「出生数が少ない」「出生率も低い」「死亡数が多い」が同時に進んでいる。人口減少率全国1位になる最大の理由は、死亡数が出生数を大きく上回る自然減だ。
生まれる子ども:約3,300人
亡くなる人:約1万7,000人前後
自然減だけでも年間1万人以上減っている


2.青森県の特徴
出生率:低い(約1.10前後)
出生数:少ない
高齢化率:高い

平均寿命は全国下位だが高齢人口は多く、首都圏への若者流出が大きく、
自然減、社会減の両方が大きい県だ。
特に進学・就職による若年女性の流出が続き、将来の母親世代そのものが減っている。


3.高知県の特徴
出生率:
秋田より高い(1.3台)
出生数:全国最少級
人口規模が小さく高齢化率が非常に高い

高知県の場合、「出生率が特別低いから減る」ことよりも、若い女性人口が少ないため出生数そのものが極めて少ないことが問題とされる。
出生率は1.3程度あっても、子どもを産む世代が極端に少ない、高齢者が多いため、死亡数が出生数を大きく上回る結果となっている。

上記3県を比較すると

 県   出生率   出生数   死亡数   若者流出
秋田  非常に低い 非常に少ない 非常に多い   大   
青森   低い    少ない    多い    非常に大
高知  やや低い  非常に少ない 非常に多い  中~大
人口減少の原因としてまとめると、
秋田県:自然減が主因
青森県:自然減+若者流出
高知県:若年人口の少なさと高齢化
という違いが分かる。


◆ハンガリーやフランスなどの政策を導入すると?

結論から言うと、一定の改善効果は期待できる。

ただし、出生数を大幅に回復させるのは難しいとも言える。
理由は、日本の問題が「子育て支援が足りない」のと、「子どもを産む世代そのものが減っている」という段階に入っていること。

フランスの場合
フランス は長年、
手厚い児童手当、保育所の充実、第3子以降への優遇、育児と仕事の両立支援 住宅支援などを続けてきた。
その結果、欧州では比較的高い出生率(一時は2.0前後)を維持した。

ハンガリーの場合
ハンガリー は2010年代後半から、3人以上出産した女性の所得税免除、住宅購入支援、子育て世帯向け低利融資、自動車購入補助、など世界でもかなり大胆な少子化対策を実施した。
出生率は2011年頃:1.2台
2021年頃:1.6前後まで上昇した。

◆専門家が重視していること

最近は、
「出生率を上げる政策」のみならず、
東京一極集中の緩和
若者所得の向上
結婚希望者の実現支援
地方の雇用創出
子育てと仕事の両立
を組み合わせる必要があると考えられている。

◆30年後を考えると

現実的には、フランス型・ハンガリー型政策を取り入れる
出生率を少しでも押し上げることにはかなりの意味があるだろう。
ただ、
1947~49年の団塊世代 ⇒  団塊ジュニア ⇒  現在の若年層
と世代規模が急激に縮小してきたため、政策だけで人口減少を止めるのはきわめて難しい。
 従って、「出生率改善+人口減少社会への適応」の両方が必要という考え方に軸足を移しているようだ。

人口学者の間では、「今後30年で人口減少を止めること」よりも、「減少速度をどこまで緩やかにできるか」が現実的な政策目標だとみる意見が多くなっている。

政府も議員も行政も国の根幹である「子供は国の宝」を顧みず、高度経済成長に浮かれていた結果が、現在の少子高齢化を招いたのは間違いないだろう。



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