もってけ!セーラーふくを読解する【5/30追記】
本記事はあくまで筆者が読解を試みた暇つぶし思考実験の産物であり、一つの解釈である。
そのため、作詞者が意図していたかは関わりなく、読解の結果としてお読み下さい。
おそらく曖昧な3cmとは、その後に続く「らっぴんぐが制服」から制服のサイズを指していると読み解く。
成長期で体格などが大きく変わり揺らいでいく。時にはホルモンバランスなどで「ぷにっ」とする。数センチの違いもすぐに現れる。
そして制服が不利ってことはない、と発言される状況を推測するに後に出てくる「darling」と重ね合わせて恋愛感情を連想した。
つまりイントロは
「曖昧だけど数センチくらいはぷにっとしたり身体が変化していく思春期の私。そんな私を着飾る服は制服だと、恋愛的には不利だろうか。いやそんなことはない。ちょっと頑張ってアタックしてみる?やってみる?ダメだったらその時はその時、キャッチアンドリリースみたいに手放したって良いか。汗ばむ私を見た好きな人(darling)は少しドキッとしたのか身動きが取れなくなっている(フリーズ)」
ということであると見た。つまり主題は「思春期の淡い感情」であると仮定する。
この仮定を元に歌詞世界を読み解く。
なんかだるい。なんかうっかり口から出てしまいそう。愛してる。あれ?
日常の中で巡る他愛もない思考たちに、愛しているという感情がいつの間にか混ざっている。
思考が渦巻いて悩んでしまう時もあるけれど、「いい加減にしなさい!」と自分で喝を入れて思考をリセットする。
飛んでったアイツの火照るカラダっていわゆる普通の女の子。
整理すると、
飛んでいく=高みの存在。
火照るカラダ=成長を迎えており大人らしい体つき
つまり、大人びて見えて遠くに感じる存在のアイツも、実は普通の女の子である、ということに気づくシーンである。驚いたのは私だけ?
思春期らしい、他者と自分を比べたり、でもその存在も実は身近な普通の存在であったり。他者との関係性に悩む瞬間が描かれている。
応援団、チェリーパイ、歓迎会。
学生時代の中で出会う様々な出来事は、心に強く訴えかける「センセーション」のようである。
その存在感は喩えるならば小惑星のようで、ぶつかるように過ぎて解けるように過去になっていく。その衝撃に私は呆然とするしかない。
それでも、それを試練だと捉え(シレンジャー)大いに歌う=能動的に謳歌してみせる、青春を能動的に楽しもうと宣言する。
もっていけ!とは何をだろうか?
もちろん、タイトルにある通りセーラー服を持っていけ!という意味である。セーラー服が持っていかれるとはどういうことか。
これを、「やがて思春期は終わり、セーラー服を着る日々は失うであろう」という予感を、笑い飛ばすように「もっていけ!」と宣言している構図と捉える。
青春の終わりに、私はきっと笑っているはず。
だって、セーラー服を着た日々があるから、それが結論。
月曜日でこれから1週間が始まるって時に、なんだか機嫌が悪い。どうしようか?
でも機嫌が悪くたって、夏服の制服が可愛いのは変わらない。それも青春の1ページ。
好きな人に近づきたいけど3ピクトくらいしか近づけた感覚がない。もっと仲良くするまでって距離を詰めるのを躊躇しちゃう。やだなぁ。
もうちょっと頑張って、張り切って、お願い(please)私の好きな人(darling)
青春の中で盛り上がったり盛り下がったりそんな中で恋したり、でもそれは倫理的に内緒にしておきたい。
ここで注目したいのは「恋をすること=倫理的に内緒にするべきことである」という論理があることである。恋をしていることは、内緒にしたい。ならスムーズに意味が通るが、倫理的に内緒にしたい、というのは少し訳が違う。ここで、比較対象にされていた「飛んでったアイツ=普通の女の子」と繋ぎ合わせてみる。つまり、この歌詞の主観の人物は、セーラー服を着ているから女子であり、想い人のアイツも女の子…つまり同性愛的側面があると読解する。これならば、「倫理的に内緒にしたい」という思考に説明がつく。
やや飛躍もあるが、そう読み取れる可能性もあるという提示である。根拠は薄いが、「倫理」という言葉をわざわざ入れた理由を読み取った一つの可能性として置いておく。
飛んでったように感じるほど遠い存在のアイツに小指を踏まれるという思いがけない接触があった。それをチャンスと見て、黒ニーハイの絶対領域で誘惑をしている様子と読む。この後の歌詞に「てんぷてーしょん」が入るので誘惑と読んでも大きく外してはいないと見る。
喪失感があったとしても、アルバイト=働く場所、居場所は簡単に見つかった。若さゆえの全能感を描いている。人生がまるっと懸念が無いかのようにすら思える、思春期ゆえの高揚感。
やってみな新規に狙っちゃうのは私の挑戦、とは、青春の中で何かに挑戦してみることを肯定的に表現しているとも、恋愛感情に挑戦してみることへの決意とも読める。
セーラー服をいつか脱ぐ日が来ても、私は私のままなのだから、だから挑戦したって良いよね、と考えている。
これは、いつか青春が終わることを予感しているからこその心理と読んだ。
週末はアイツの予定はどうかな?チラ見せで誘惑するのはありきたりだよね。
だったら、今しか着れない、この制服が良い気がする。制服は青春の象徴であり、そして、何よりも青春真っ只中の私を簡単に表してくれる、楽な服なのである。
風速3メートル。おおよそ、そよ風程度である。だけどそれすらもアイツに抱きつく理由にする。風は強くないはずなので風が冷たくなってきているのかもしれない。夏服では肌寒くなってきている晩夏への移ろい。
胸はときめき、甘い心地に浸る。(I'm sugar sugar sweet)
BON-BON MON-MON Day〜
あたりから具体性がかなり少なくなるがこれも思い悩む様子の曖昧さを表していると読める。
キーポイントは
HI! Education!! Love is ABC
だろう。意訳するなら
ねえ、教えて。愛を基本から。
これは、恋愛感情に悩む思春期の少女の赤裸々な想いだろう。
そして最初の、もっていけ!のフレーズに入る。
やがてこの青春が終わっても、私は笑っているだろう。
それをより強く肯定するように、やっぱりね、と畳みかける。
セーラー服を持ってかれても、最後には私は笑っている。
だって、セーラー服を着てた日々があるからです。結論。
うん、制服は曖昧に数センチ合わなかったり、ぷにっとしたりしてるけど、私に似合う服はやっぱり制服。よし、不利ってことは無い。
汗ばむこの瞬間と想い人への気持ちが、私を楽しませる(amuse)
従って、まとめとしてもってけ!セーラーふくは
「やがて終わる青春の中で恋愛や様々なことに能動的に楽しみ、挑戦しようという意思表示の歌」であり、その青春の象徴として「セーラー服」が扱われている。
タイトルの「もってけ!セーラーふく」とは、
「いつか青春が終わったとしても悔いなく楽しんでやる!」という意味であり、抗えない時の流れにもってけ!と挑発するように心を奮い立たせている様子であると読む。
そして、いつかセーラー服から着替えたとしても私は、私なのである。
【5/30追記】
おい! 喪失感 ぜんぜん アルバイト〜セクション
ここを1番の小惑星パートと比較すると
小惑星はぶつかって溶けて…と受動的な姿勢を見せているが最後に試練だ!と意気込んで能動性を獲得している。
その流れを汲むならば何か喪失感にぶつかったとしても、アルバイトなどの別の居場所を探すことができるほどの能動性を獲得している。人生まるっと懸念無しと思える気分!という読みが成立するのではないだろうか。
あとラストの
あんときゃーっぷ&ジャージで ハッ
は、これもしかすると「アイツ」との出会いの瞬間を描いているのでは?
あの時は体育キャップとジャージを着ていたのをハッと思い出す。
このがんばっちゃやっちゃっちゃ、の後のセクションは「アイツへの感情」に使われているので、(キャッチアンドリリースとか)
ここも「アイツ」に接続できる可能性が強い。
そしてここまで「制服」で「アイツ」にアピールしたいのは、出会った瞬間は無防備なジャージだったからこそ、今の自分を最高に表す「制服」で会いたい、という気持ちにつながっている。その制服でアピールする理由の種明かしを最後に入れた、他が現在や未来ばかりを見つめている、その理由に、「あの時」という過去がラストにひっそりと出てくるのだとしたら美しい構図だな、と思った。
