やなせファンの感想🙋やなせたかし展

いろいろ展示されてて、全体からやなせの人物像が浮かび上がるような内容だった。ハングリー精神のある人だと改めて思った。
あと、思い切りの良い人だとも思う。
今回の展示で一番楽しみにしていた油絵、実物を見ると、油絵らしからぬ薄塗りだった。斜めから見ても表面がデコボコしてない。
油彩は、水彩などと違って透けずに塗り重ねていけるから、描きながらどんな絵にしようか迷うこともできる。例えばゴッホの油絵を見ると、描いてる最中にどんどん向日葵が枯れてきて「あれ?あれ?💦」となっている様子が伝わり、そこが愛しかったりする。やなせにはそんな形跡が無い。
絵本の原稿の下書きも展示されてて、よく見るとキャラの輪郭など、円定規で描かれていると思わしき部分があった。
やなせは一時期、アンパンマンの顔を正円で描いていた。アニメーターを気遣って、作画コストを抑えようとしたのだそうだ。

写真は土産売り場で買ったサブレ缶。ここにプリントされているのは、その頃の絵だと思う。
アニメーターがフリーハンドにこだわった気持ちも分かるのだけど、やなせの絵で見ると全然イケてるし、こんなに大事な部分を定規やコンパスに委ねてしまえるというのが、わたしにはカッコ良く感じる。
あとは、肉まんとあんまんをイメージしたキャラクターに「ニックとアン」と名付けるセンスとか…そこかしこに、決断力というか、「これで良し」と思うに至るまでの早さが窺える気がする。
『アンパンマン』という作品は、アニメ化の前に舞台になっており、そのプロデュースをやなせ自身が行なっている。著書の中でやなせは、観客のウケ具合を見ながら、徐々に内容を変えていったと明かしている。自己犠牲こそを正義とし、欧米が持つヒーロー像へのアンチテーゼをテーマとした当初のアンパンマンは、意図的に不恰好に描かれていた。舞台においてこの作品はアンパンマンVSばいきんまんの戦いに焦点を当てるものへと変化し、それがアニメにも引き継がれ、今では、アンパンを顔とした姿でありながら、かなりのイケメンに描かれている。
しっかりしたコンセプトを打ち立てていながら、それを手放すことができたのは、先に述べた気質をやなせが持っていたからであろう。
構図の大胆さもそこから来てるのかと思ったけど、こちらはやなせ自身が意識して心掛けていた部分らしい。「ついつい詰め込み過ぎてしまう」みたいなことが、本人のコメントに書いてあった。サービス精神旺盛だからだと思う。大事な作品を描く時の仕上げの丁寧さも、その精神に由来していると見た。
一方で「描きたいものだけ描いていく所存」みたいな発言も残している。サービスはするが、やり方は自分で決めたい人なのだろう。




やなせの描く恋愛って、なんだか生々しい感じがする。かつぶしまん×鉄火のマキちゃんも、おむすびまん×バタコさんも大好きなんだけど、この2人はなんか嫌だった。猿からナンパ師のマインドを感じた。


土産品売り場は会場とは別になっていて、入場しなくても買い物が可能だった。興味のある人は覗いてみるといいと思う。
