AIによる文学賞応募激増について私見
AI利用で公募小説賞の応募数が激増していると話題になっています。
まあ、時間の問題だろうなとは思っていましたが、AIが社会を変えるスピードが本当に速いですよね。落語台本賞も応募数が激増しているようです。こちらは下読みなしでプロの落語家さんが全部読むので、師匠方も本当に大変なことだと思います。
個人的に、AIに書かせたものがそのまま文学賞などで入賞することは、まずないと思います。AIは最大公約数的な当たり障りのない、無味無臭な内容を提示するので、文章も人工的な臭いがします。
小説であっても落語台本であっても、求められているものは常に「新規性」でしょう。平均点のものが欲しいわけではないのです。斬新な発想や見たこともないストーリーこそが大事であって、AIに丸投げというのはその要素を放棄しているように思います。
たとえばAIに「今川焼の呼称を巡って日本が内戦に突入する小説を書け」と質問すればそれは何万字でも書くでしょう。けれども「自分の出身地ではふうまんと呼ばれており今現在の居住地では自分以外の家族全員が大判焼きと呼んでおり疎外感があるからFUMANという国際テロ組織を出そう」という発想はAIには100%無理です。
要するに個性とか偏りとか歪みや雑味のようなものが創作物にはあって、それがAIでは再現不能なのですよ。絵画とかでも写真みたいな絵なら写真を見ればいいわけでしょう。印象派とかキュビズムとかああいう独自の手法によって「その作者が世界をどう感じたか」をみんな見たいわけです。AIにそれはできない。よくて劣化コピーでしょう。
というわけで、「AIに書かせてそのまま文学賞などに送る」というのは、下読みさんや師匠方をわずらわせるだけなので、止めましょう。宝くじではないので、入賞の目はありません。拙くてもいいから自分の頭からしか出てこないものをひねり出しましょう(補助や壁打ちまで否定はしません)。
私が書いた「今川焼の呼称を巡って日本が内戦に突入する小説」はこちらになります。オレンジ文庫のHPに載っているので、読んでね!
『NAME WAR ―呼称戦争記―』
