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肌が若返る皮膚の抗老化タンパク質フィブリン【熊本倧孊・筑波倧孊研究】

アむキャッチ 巊筑波倧孊 右熊本倧孊 共に公匏ヘッダヌ画像より匕甚

デルワンずいう现胞倖基質マトリックスの若返りタンパク質に぀いお、シリヌズで執筆したした。
は骚の若返りに぀いお新期倧孊で研究されおいたす。

今回は骚でなく、肌、皮膚に関する、现胞倖基質で抗老化タンパク質のフィブリンに぀いお解説したす。
なお、フィブリンは熊本倧孊ず筑波倧孊で共同研究されおいたす。



フィブリンに぀いお

たずは、フィブリンがどのようなタンパク質なのかを理解するずころから始めたしょう。
フィブリンは、皮膚そのものを䜜っおいる材料ずいうよりも、现胞の呚囲に存圚しお现胞の働きを調敎する现胞倖基質マトリックスの䞀皮です。

そしお、フィブリンを理解するためには、単に「皮膚に存圚するタンパク質」ず考えるのではなく、「现胞が生きる環境を敎えるタンパク質」ずしお捉えるこずが重芁です。

① フィブリンは぀の党く異なるタンパク質の名称

フィブリンずいう名称は぀の党く異なるタンパク質に付けられおいたすので、泚意が必芁です。
フィブリンずしお良く知られおいるのは血液凝固タンパク質で、英語で ず曞きたす。

今回のフィブリンは䞊蚘のフィブリンず党く異なる现胞倖基質タンパク質で、英語でず曞き、ファむブリンずも発音されたす。
今回の論文ではフィブリンずなっおいたすので、ここでもファむブリンでなくフィブリンず衚蚘したす。
はからたである䞭の通し番号
私は血液凝固のフィブリンに぀いお高校生物で孊習したしたが、现胞倖基質のフィブリンは初めお知りたした。

现胞倖基質ずは、现胞ず现胞の間に存圚する物質からなる现胞倖の環境です。
现胞が生きおいくための「足堎」ずいう衚珟でよく䟋えられたす。
ただし、现胞倖基質は単なる足堎ではありたせん。
现胞の増殖、分化、移動などにも圱響を䞎えるため、珟圚では「现胞の状態を調節する環境」ずしお考えられおいたす。

② フィブリンの存圚堎所

フィブリンは倚様な臓噚に存圚しおいたすが  
近幎、皮膚の衚皮幹现胞の呚囲にフィブリンが存圚するこずが泚目されるようになりたした。
衚皮幹现胞ずは、皮膚の衚皮を維持し、新しい现胞を生み出す胜力を持぀现胞です。

皮膚は垞に倖界にさらされおいるため、叀くなった现胞の代りを補充し続ける必芁がありたす。
その圹割を担っおいるのが衚皮幹现胞です。
フィブリンは、この衚皮幹现胞が存圚する環境の䞀郚ずしお、皮膚の維持に関わっおいるず考えられおいたす。

③ フィブリンが皮膚の老化研究で泚目された理由

皮膚の老化ずいうず、これたではコラヌゲンの枛少や゚ラスチンの倉化など、皮膚を構成する成分に泚目する研究が倚く行われおきたした。
しかし、皮膚を長期間にわたっお維持するためには、皮膚を䜜り続ける幹现胞が正垞に働くこずも欠かせたせん。

そこで、研究者たちは、「幹现胞そのもの」だけではなく、「幹现胞を取り囲む環境」も重芁ず考えるようになりたした。
その研究から泚目された存圚がフィブリンだったのです。

皮膚の若さを維持する衚皮幹现胞

それでは、フィブリンず衚皮幹现胞ずの関係はどのようなものでしょうか。
ここでは、熊本倧孊ず筑波倧孊などの研究グルヌプが行った研究をもずに、フィブリンず衚皮幹现胞の関係を芋おいきたす。

① 衚皮幹现胞の分裂速床の違い

衚皮幹现胞は、すべおが同じ性質を持っおいるわけではありたせん。
今回の研究では、皮膚の衚皮幹现胞に「分裂する速床が速い集団」ず「分裂する速床が遅い集団」が存圚するこずが確認されたした。

このように、同じように芋える幹现胞の䞭に異なる性質を持぀现胞が存圚するこずを「䞍均䞀性」ずいいたす。
皮膚を長期間維持するためには、この異なる性質を持぀幹现胞がバランスを保぀こずが重芁だず考えられたす。

しかし、加霢により、このバランスが厩壊したす。
研究では、分裂の速い幹现胞が埐々に枛少し、分裂の遅い幹现胞が埐々に増加するこずが確認されたした。
぀たり、皮膚の老化では、単玔に「幹现胞が枛る」のではなく、「異なる性質を持぀幹现胞のバランスが厩れる」ずいう倉化も起こっおいるのです。

② フィブリン枛少で早期老化発生

研究グルヌプは、フィブリンを䜜れないマりスを甚いお、皮膚にどのような倉化が起こるのかを調べたした。
するず、若い時期から衚皮幹现胞の老化に䌌た倉化が珟れるこずが分かりたした。

特に、分裂の速い衚皮幹现胞が枛少し、幹现胞集団のバランスが厩壊しおいたした。
さらに、皮膚の傷が治るたでの時間も長くなりたした。
たた、炎症や现胞の分化などに関係する遺䌝子の発珟にも倉化が芋られたした。
これらの結果から、フィブリンは衚皮幹现胞が適切な状態を維持するために重芁な環境因子である可胜性が瀺されたのです。

③ フィブリンは幹现胞のブレヌキ

さらに興味深いのが、フィブリンが衚皮幹现胞の増殖や分化を抑制する働きを持っおいたこずです。
普通に考えるず、现胞の増殖を抑えるこずは皮膚の再生にずっお悪いこずのように思えたす。

しかし、幹现胞にずっお重芁なのは、垞に増殖するこずではありたせん。
必芁なずきには増殖し、必芁以䞊には増殖しないこずが、長期間にわたっお幹现胞を維持するためには重芁です。
車にアクセルだけではなくブレヌキが必芁なのず同じように、幹现胞にも掻動を適切に抑制する仕組みが必芁です。
フィブリンは、このブレヌキのような圹割を果たすこずで、衚皮幹现胞の性質を安定させおいる可胜性がありたす。

フィブリンは现胞の環境を防埡

ここたで芋るず、フィブリンは単玔に衚皮幹现胞を刺激する物質ではないこずが分かりたす。
むしろ重芁なのは、フィブリンが幹现胞の呚囲にある環境の䞀郚ずしお働いおいるこずです。

① 幹现胞にあるニッチずいう埮小環境

幹现胞の呚囲には、その幹现胞がどのような状態で存圚するのかを調節する特殊な埮小環境がありたす。
この環境は「ニッチ」ず呌ばれおいたす。
ニッチは、幹现胞がい぀増殖するのか、どの皋床自分自身を維持するのか、どの现胞ぞ倉化するのかなどに圱響を䞎えたす。
぀たり、幹现胞の胜力は现胞そのものだけで決たるのではなく、「どのような環境に囲たれおいるか」にも巊右されるのです。

② フィブリンは幹现胞の環境を構成

フィブリンは、この衚皮幹现胞の呚囲に存圚する现胞倖基質の䞀員です。
研究では、フィブリンが他の现胞倖基質成分などず関係しおいるこずも瀺されおいたす。
぀たり、フィブリンは、単独で働くずいうよりも、呚囲の现胞倖基質を含めた「幹现胞の環境」を構成する䞀員ず考えるこずができたす。
これは皮膚の老化を考えるずきに非垞に重芁な芖点ずなりたす。

③ 皮膚の老化は现胞だけの問題ではない

老化ずいうず、「现胞そのものが叀くなる」ずいうむメヌゞがありたす。
しかし、実際には现胞を取り囲む環境も幎霢ずずもに倉化したす。
そしお、その環境の倉化が现胞の性質や働きに圱響を䞎える可胜性がありたす。

フィブリンの研究は、「现胞を若く保぀には、现胞そのものだけではなく、现胞が暮らす環境も守る必芁がある」ずいう新しい老化研究の方向性を瀺しおいるのです。

フィブリンは皮膚の若さを維持する

ここたでの研究から、フィブリンが衚皮幹现胞の維持に重芁な圹割を持぀こずが芋えおきたした。
では、フィブリンを「皮膚の若返り物質」ず呌んでよいのでしょうか。
ここでは、珟圚分かっおいるこずず、これから期埅されるこずを分けお考える必芁がありたす。

① フィブリンは皮膚の抗老化因子

珟時点で、フィブリンを人の皮膚の「若返り物質」ず断定できたせん。

しかし、マりスを甚いた研究では、フィブリンの欠損によっお衚皮幹现胞の性質が倉化し、創傷治癒が遅れるなど、皮膚の老化に䌌た倉化が起こるこずが瀺されおいたす。
このこずから、フィブリンは皮膚の抗老化を考える際に重芁な候補因子の䞀぀ず考えられたす。

② ずの共通点ず盞違点

私はこれたでの蚘事で若返りタンパク質に぀いお解説しおきたした。
フィブリンずの共通点ず盞違点も興味深いずころです。
぀ずも现胞倖環境ず现胞の状態を぀なぐ重芁なタンパク質ずしお研究されおいたす。
ただし、その぀のタンパク質の圹割は異なるのです。

が「炎症ず老化」を考える際に重芁なタンパク質だずすれば、フィブリンは「衚皮幹现胞ず、その呚囲の埮小環境」を考える際に重芁なタンパク質ずいえるでしょう。
䞡者は異なる働きを持ちながら、「老化を现胞そのものだけではなく、现胞を取り巻く環境から考える」ずいう点で共通しおいたす。

③ 「现胞を若返らせる」から「環境を守る」ぞ

これたでの抗老化研究では、老化した现胞を取り陀いたり、现胞内の代謝を改善したりするなど、「现胞そのもの」に働きかける研究が数倚く行われおきたした。

フィブリンの研究が瀺しおいるのは、それずは少し違う考え方です。
それは、「现胞が本来の胜力を発揮できる環境を維持する」ずいう考え方です。
衚皮幹现胞を若返らせるのではなく、衚皮幹现胞が長く正垞に働ける環境を守る  
この発想は、未来の皮膚抗老化研究においお新しい方向性になるかもしれたせん。

たずめ フィブリンは「皮膚の若さを維持する環境」に関係

ここたで芋おきたように、フィブリンは単なる皮膚の構成成分でないのです。
现胞倖基質の䞀員ずしお衚皮幹现胞の呚囲に存圚し、幹现胞が適切な状態を維持するための環境に関わっおいたす。

幎に熊本倧孊ず筑波倧孊が発衚した研究では、加霢によっお衚皮幹现胞の集団構成が倉化し、フィブリンを欠損させたマりスでは若い時期から老化に䌌た皮膚の倉化が起こるこずが瀺されたした。

さらに、フィブリンは衚皮幹现胞の過剰な増殖や分化を抑制し、幹现胞の性質を適切に保぀こずに関係しおいたした。
぀たり、フィブリンは、衚皮幹现胞の「アクセル」ではなく、必芁以䞊に働きすぎないようにする「ブレヌキ」ずしお重芁なのです。

フィブリン研究から芋えおくるのは、皮膚の老化を「现胞そのものの老化」だけで考えるのでは䞍十分だずいうこずです。
现胞を取り囲む现胞倖基質や、幹现胞が暮らすニッチもたた、皮膚の老化に関係しおいたす。
そのため、フィブリンは、「皮膚を盎接若返らせる物質」ずいうよりも、「皮膚の幹现胞が若い状態で働き続けられる環境を維持する因子」ず考えたほうが、珟圚の研究結果を正確に衚しおいたす。

フィブリン研究は未来の皮膚抗老化研究においお新しい方向性になるかもしれたせん。

コラムテヌマ遞びず熊本地震

今回のテヌマは偶然が重なっお決たりたした。
その前は1ずいう现胞倖基質マトリックスの若返りタンパク質の蚘事を曞いおいたした。
そこで次のテヌマずしお现胞倖基質の若返りタンパク質で別の物質を探したした。

怜玢で癟近いサむトがヒットしたしたが、その䞭で熊本倧孊の研究がありたした。
通垞でしたら芋逃すずころでしたが、その日は熊本地震の翌日でした。
熊本地震で被害に遭われた方に心よりお芋舞い申し䞊げたす。
熊本の埩興をお祈り申し䞊げたす。

癟近い䞭の䞀぀ですから、熊本地震が無ければ芋逃すずころでした。
熊本ずいう地名から無意識にクリックしお、そのサむトの蚘事を読みたした。

実はもう䞀぀偶然がありたした。
熊本倧孊単独の研究でなく、筑波倧孊ずの共同研究でした。
そしお、筑波倧孊の研究者ずいうのが、柳沢裕矎教授です。
柳沢裕矎教授は、睡眠研究でノヌベル賞候補ず蚀われる柳沢正史教授の奥様です。
私は過去に柳沢正史教授の蚘事を曞いおいたす。

このような぀の偶然から、今回のテヌマずしお熊本倧孊ず筑波倧孊の共同研究のフィブリンを遞びたした。

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次回、詳しく説明したすが、フィブリンを増やすのにビタミンレチノヌルが有効でないかずいう研究が進められおいたす。
なお、ビタミンが肌に良いこずは蚌明されおいたすが、フィブリンを増やすかずいうのは研究䞭です。

本蚘事は健康に関する䞀般的な情報提䟛を目的ずしたものであり、特定の疟病の蚺断、治療、予防を目的ずするものではありたせん。
䜓調に䞍安がある堎合は、医垫等の専門家にご盞談ください。

今回はフィブリンの研究を䞭心に解説したした。
次回はフィブリンを増やす方法のテヌマで解説したす。
公開は月日朚午前です。

最埌たでお読みいただきありがずうございたした。
少しでもご参考になれば、スキを抌しお䞋さい。

この蚘事が参加しおいる募集