風俗嬢の「本気の好意」の見つけ方
帰り際、靴を履きながら、背中越しにその人は言いました。
「サキちゃんってさ、俺といるとき、演技してる?」
冗談めかした声でした。
私は笑って「どう思います?」と返して、彼も笑って、じゃあまたね、と出ていきました。
きれいに終わった会話です。
でも、これを知りたいお客様は多い。
女の子が褒めてくれる。
かっこいい、素敵と言ってくれる。
笑いかけてくれる。
寄り添ってくれる。
感じてくれる。
これは演技なのか?
本当の感情なのか?
今回はその分類の話です。
彼女の言葉が、あなたへの本気の好意から出てきたものなのか。
これを見分けることはかなり難しいです(理由は後述します)。
でも、女の子がもし、あなたに「自然に生まれた本気の好意」を抱いているとしたら、それを示す「ある行動」が見られるはずです。
というより、その「行動」でしか判断ができません。
(本文の☆マークで示した部分です)
感情労働が、最初に説明したこと
社会学者のアーリー・ホックシールドが『管理される心』で提示した「感情労働」という概念があります。
私の記事で何度も出てきましたが、肉体でも頭脳でもなく、感情そのものを商品として差し出す労働のことです。
ホックシールドは、その生産のやり方を二つに分けています。
一つ目は表層演技。
内側はそのままに、外側の表出だけを職務の要求に合わせるやり方です。
疲れていても笑う。
話がつまらなくても興味があるように聞く。
表情と内心が食い違ったまま、表情のほうだけを操作している状態。
二つ目が深層演技。
こちらは、表出ではなく、感情そのものを作りにいく。
ホックシールドはここで俳優の演技術を引いています。
俳優が役の悲しみを「悲しそうに見せる」のではなく、自分の記憶から実際に悲しみを呼び起こして「本当に悲しくなる」ように、感情労働者も、要求されている感情を自分の内側に実際に発生させにいく。
そしてここが一番厄介なところなんですが…
深層演技で発生した感情は、本人の体験としては、本物と区別がつきません。
本人にすら区別のつかないものを、向かい合っているだけのお客様が見分けられるのでしょうか?
「嘘をついている感じ」がしなくなる、という問題
自然と楽しくなる。
楽しい演技をしているうちに楽しくなる。
スタートは違っても、現れる感情は同じです。
深層演技をしていると、当人にも「嘘をついている感覚」が薄くなっていきます。
だから、「演技してる?」と聞かれた私は答えられなかった。
演技していた、とも言えない。
していなかった、とも言えない。
私が経験していた温かさ、楽しさは、確かに私の中で起きていた出来事でした。
ただ、それが起きるように、私が仕向けていたことも事実でした。
この二つは矛盾しません。
第三の類型
ホックシールドの分類には続きがあります。感情労働の類型は、二つではありません。
三つ目があります。
演技していない、という類型です。
たぶん、お客様が知りたいのはこれです。
女の子の言動が、「演技していない」に当てはまるかどうか
そしてそのことにお客様が気づくことができるのか
ここから先は、その三つ目の話をします。
それがいつ起きるのか。起きたとき、彼女の中で何が変わるのか。
ここから先は
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