見出し画像

風俗嬢に好かれたいなら、「北風」にならないで―近づくためには、追いかけるのをやめること

ある常連さんから、メッセージが来ました。
「最近、前より冷たくない?」
「俺のこと、実際どう思ってるの?」
「本音で言ってほしい」

たぶん、そのお客様は怒っていたわけではないと思います。
むしろ不安だったのだと思います。

前はもっと返信が早かった気がする。
前はもっと楽しそうだった気がする。
自分だけ距離を置かれているのではないか。

そう感じると、確かめたくなる気持ちはわかります。
でも、私は「なんて返したらいいんだろう」って悩んでしまった。

このとき私は、北風と太陽の話を思い出しました。

旅人の上着を脱がせようとして、北風は強く吹きつける。でも風が強くなればなるほど、旅人は上着をぎゅっと押さえる。
太陽は、無理に脱がせようとはしない。ただ暖かく照らす。
すると旅人は、自分から上着を脱ぐ。

風俗の女の子との距離感も、これに似ています。

好かれたい。
特別に思われたい。
本音を聞きたい。
もっと近づきたい。

その気持ちが強くなるほど、男性は知らないうちに北風になります。そして北風になった瞬間、女の子は心の上着をぎゅっと押さえます。


なぜ、追われると逃げたくなるのか。

心理学者ブレーム(1966)は、人は自分の自由が脅かされたと感じると、その自由を取り戻そうとして反発する、と考えました。これをリアクタンスと呼びます。

たとえば「早く返信して」と言われると、たとえ返すつもりがあっても、返したくなくなることがあります。
「本音で言って」と迫られると、本音を言う自由ではなく、本音を言わされる感覚を覚えます。
「俺のことどう思ってるの」と聞かれると、気持ちを考えるより先に、正解を出さなければいけない感じがしてしまう。

つまり、押せば押すほど、相手は守りに入るのです。

もう一つ関係するのが、デシとライアン(1985)の自己決定理論です。
人は、自分で選んでいる感覚、つまり自律性をとても大切にします。
誰かに動かされた行動より、自分で選んだ行動のほうが続きやすいし、気持ちも乗りやすい。

信頼も同じです。

「俺を信頼して」と言われて信頼するのではありません。
「この人の前では無理しなくていいな」と感じたときに、少しずつ信頼が生まれます。
「本音を話して」と言われて本音を話すのではありません。
「この人なら否定しないかも」と感じたときに、ぽろっと本音が出るのです。

風俗の女の子は、仕事中ずっと相手の機嫌を見ています。
言葉の温度。声の強さ。表情の変化。沈黙の重さ。冗談に見せた本音。
この人は今、不機嫌になっていないかな。
断ったら傷ついた顔をしないかな。
本音を言ったら、もっと踏み込まれないかな。
返信しなかったら、次に会ったとき責められないかな。

表面では笑っていても、内側ではいろいろ考えています。細かく見ています。
だから、男性が少し強めに答えを求めた瞬間、女の子は警戒します。

この人は、自分の不安を私に処理させようとしている。
この人は、私より自分を優先している。
この人は、断ったら関係が面倒になりそう。

そう感じると、女の子は距離を取ります。それは嫌いだからではなく、危ないからです。

もう一つ、押す男性ほど見落としやすいことがあります。

女の子は、お客様を嫌いになりたいわけではありません。できれば楽しく過ごしたい、気まずくなりたくない。
だから最初は、やわらかく受け止めようとします。

でも、そのやさしさを「まだ押していいサイン」だと受け取られると、女の子は引きます。

やさしくしたら期待される。
普通に返したら関係を詰められる。
少し笑ったら脈ありだと思われる。

そう感じると、次からは余計な誤解を生まないように、あえて距離を置くようになります。

押したことで嫌われるというより、押したことで「この人には気を抜けない」と思われるのです。

太陽みたいなお客様は、何をしているのか。

女の子にとっての太陽は、何でも許してくれる人のことではありません。
高いプレゼントをくれる人でも、毎回長い時間で予約してくれる人だけでもありません。

太陽みたいなお客様とは、「この人の前では、少し力を抜いても大丈夫」と思わせてくれる人です。

ここには、エドモンドソン(1999)の心理的安全性という考え方も関係します。
もともとは組織研究の中で広まった概念ですが、簡単にいうと、失敗や本音や不安を出しても、すぐに責められないと感じられる状態のことです。

風俗の場面でも同じです。

返信が遅くても責めない。
予定が合わなくても不機嫌にならない。
話したくなさそうなことは深追いしない。
他のお客様の話を無理に聞き出さない。
自分がしてあげたことを、あとから交換条件にしない。

こういう人の前では、女の子は少しずつ安心します。

安心すると、人は自分から話します。
安心すると、人は自分から近づきます。
安心すると、人は「この人には少し本音を出してもいいかも」と思います。

大事なのは、相手を動かそうとしないことです。

太陽は旅人に向かって、「脱げ」「早く脱げ」「俺が暖めているんだから脱げ」とは言いません。ただ、脱ぎたくなる状況を作る。

風俗でも同じです。女の子に好かれたいなら、好かれようとして押すより、女の子が安心して近づける状態を作るほうが、ずっと強いです。

大人の男性ほど、「待てること」が魅力になる。

実際、女の子から印象がいい男性は、相手の自由をちゃんと残しています。
会いたいとは言う。でも、会えないことを責めない。
楽しかったとは伝える。でも、同じ熱量を求めない。
返信が来たら喜ぶ。でも、来ない時間を責めない。
好意は見せる。でも、答えを急がせない。
気になることがあっても、問い詰める形にはしない。

この余白が、とても大切です。
「返せるときで大丈夫だよ」
「無理しないでね」
「今日は会えて楽しかった。またタイミング合ったら嬉しい」
「話したくなったら聞くよ」
こういう言葉は、派手ではありません。でも、女の子の中に圧を残しにくいです。

言われた瞬間に、逃げ道がある。逃げ道があるから、逆に近づけることがあります。
もちろん、何でも我慢しろという話ではありません。寂しいなら寂しいと思っていいし、会いたいなら会いたいと思っていい。ただ、その不安をそのまま女の子にぶつけないことです。

特に30代、40代、50代の男性は、ここで印象が分かれます。

大人の男性が若い女の子に感情をぶつけると、本人が思っている以上に圧力になります。

確認を迫る。
不機嫌で試す。
沈黙で察してもらおうとする。

これは、好意というより焦りに見えてしまうことがあります。
逆に、大人の男性がちゃんと待てると、それだけで安心感になります。

この人は、私を自分の不安解消の道具にしない。
この人は、距離感をわかってくれる。
この人は、断っても関係が壊れなさそう。

そう思えると、女の子の心は安心します。

冒頭のお客様からのメッセージに戻ると、「最近冷たくない? 俺のことどう思ってるの?」と聞きたくなる気持ちは理解できます。
そこには好意も不安もあると思います。

でも、その言葉が女の子に届いたとき、それは太陽ではなく北風になっているかもしれません。

相手の心を暖める言葉なのか。
それとも、自分の不安をぶつける風なのか。

風俗の女の子に好かれたいなら、強く吹かないことです。

追い詰めない。
試さない。
急がせない。
不安をぶつけない。

そのかわり、あたたかくいる。
会えた時間をちゃんと楽しむ。
話してくれたことを大切にする。
返事がなくても責めない。
女の子の仕事と生活を尊重する。

北風ではなく、太陽でいること。

それは弱い態度ではありません。
本当に相手に近づきたい人に必要な、大人の強さです。

風俗嬢は、押しに弱いのではなく、安心に弱いんです。

いいなと思ったら応援しよう!