風俗で嫉妬してしまう男性へ―女の子の仕事と自分の感情を分ける方法
「今日もほかのお客さんと会っているんだろうな」
「写メ日記では、ほかのお客さんへのお礼ばかり書いている」
「自分より仲のいいお客さんがいるのではないか」
好きな女の子が風俗で働いていると、どうしてもほかのお客さんの存在が気になってしまうことがあると思います。
写メ日記を何度も見たり、出勤状況を確認したり、SNSの投稿からプライベートを推測したり。
本人には何も言っていなくても、頭の中ではずっとその子のことを考えてしまう。そんな男性は、少なくないと思います。
まず伝えたいのは、嫉妬すること自体は、それほどおかしなことではないということです。
嫉妬は、大切に感じている相手との関係を失うかもしれないときに起こる感情です。好意が強いほど、ほかのお客さんが気になるのは自然な反応です。
ただし、自然な感情だからといって、そのまま行動に移してよいわけではありません。
嫉妬することと、相手を監視したり、問い詰めたり、行動を制限しようとしたりすることは、まったく別の問題です。
大切なのは、嫉妬をなくすことではなく、嫉妬に振り回されない方法を覚えることだと思います。
風俗は、嫉妬が生まれやすい場所
風俗という仕事には、男性の嫉妬を刺激しやすい条件がそろっています。
二人きりで身体的にも心理的にも近い時間を過ごし、優しく話を聞いてもらう。ときには個人的な悩みまで話してくれる。
その時間が心地よいほど、男性の中では少しずつ、
「これは仕事だけではないのかもしれない」
「自分はほかのお客さんとは違うのかもしれない」
という気持ちが生まれてきます。
ところが次の時間には、彼女はまた別のお客さんと会います。
自分だけに向けられていると思いたかった笑顔や言葉が、ほかの男性にも向けられている。そこで「特別でありたい気持ち」と、彼女の仕事の現実がぶつかります。
嫉妬の正体は、単にほかのお客さんが嫌なのではありません。
「自分は特別ではないかもしれない」
「いつか自分より大切なお客さんが現れるかもしれない」
という不安なのだと思います。
ボウルビィが1969年に提唱した愛着理論では、親密さを感じる相手とのつながりが脅かされると、人は強い不安を覚えやすいと考えます。風俗という関係であっても、心地よい時間を重ねるうちに、その人が「失いたくない存在」になれば、ほかのお客さんの存在が脅威に見えてしまうことがあります。
写メ日記を監視してしまう理由
嫉妬が強くなると、男性は情報を集めたくなります。
写メ日記を何度も更新したり、出勤表を確認したり、SNSのフォロー欄や投稿時間まで気にしたりする。
人は不安を感じると、情報を集めて安心しようとします。何もわからない状態より、少しでも状況を把握できたほうが落ち着くからです。
問題は、その安心が長く続かないことです。
写メ日記に気になることがなければ、その瞬間は少し安心できます。
でも、しばらくすると、
「新しい日記が出ているかもしれない」
「誰かへの特別なメッセージがあるかもしれない」
と、また気になってくる。
そして、再び確認する。
この繰り返しで、確認は不安を落ち着かせるための習慣になります。見るほど安心するのではなく、見なければ不安になる状態が作られてしまうのです。
SNS監視は、相手の気持ちを知るための行為に見えて、実際には自分の不安を一時的に抑えるための行為になっていることがあります。
比較すればするほど、自分の価値がわからなくなる
写メ日記にほかのお客さんへのお礼が書かれていると、
「自分のときより文章が長い」
「自分には使わない絵文字を使っている」
「この人には“また会いたい”と書いている」
と、細かい部分まで比べてしまう男性もいます。
心理学者レオン・フェスティンガーが1954年に提唱した社会的比較理論では、人は自分の立ち位置がわからないとき、他人と比較することで自分を判断しようとするとされています。
ただ、写メ日記の文章は、好意をそのまま数値化したものではありません。
文章の長さは、その日の時間や体調、書きやすいエピソードの有無でも変わります。お店の方針や集客を意識する場合もあります。
それなのに、
「日記が長い=好かれている」
「日記が短い=自分は大切にされていない」
と意味づけてしまうと、自分で自分を傷つけることになります。
ほかのお客さんと自分では、会っている時間も、関係の長さも、会話の内容も違います。条件の違う人同士を比べて、正確な順位を出すことはできません。
風俗の人間関係は、わかりやすい順位ではないのです。
プライベートを知れば安心できるのか
嫉妬が強くなると、相手のプライベートを知りたくなることもあります。
本名、住んでいる場所、学校や職場、休日の過ごし方、恋人の有無。
もっと個人的なことを知れば、距離が縮まるような気がするからです。
「ほかのお客さんが知らないことを自分だけが知っている」
という状態は、確かに特別感を与えてくれます。
でも、相手の情報を多く知っていることと、信頼関係が深いことは同じではありません。
本人が話したくないことまで探ったり、SNSから生活を推測したりすれば、「大切にされている」ではなく「監視されている」と感じるかもしれません。
親しさとは、秘密をたくさん知ることではありません。
相手が話さないと決めていることを、無理に踏み越えないことも、信頼の一部です。
嫉妬したときは、感情と事実を分ける
最初にしてほしいのは、自分の感情に名前をつけることです。
「なんとなくモヤモヤする」で終わらせず、
「ほかのお客さんに嫉妬している」
「自分が特別ではない気がして不安になっている」
「忘れられるのが怖い」
と、できるだけ具体的に言葉にしてみてください。
これは心理学で「感情のラベリング」と呼ばれる方法です。リーバーマンらの2007年の研究でも、感情の言語化が、感情反応を落ち着かせる方向に働くことが示されています。
次に、「実際に起きたこと」と「自分の解釈」を分けます。
「写メ日記に、ほかのお客さんへの長いお礼が書かれていた」
これは事実です。
「そのお客さんのほうが、自分より大切にされている」
これは解釈です。
心理学者アルバート・エリスが1962年に示したABC理論では、私たちを苦しめるのは出来事そのものだけではなく、その出来事をどう受け取ったかだと考えます。
「そう見えた。でも、本当のところはわからない」
そう考える余白を残すだけでも、嫉妬に飲み込まれにくくなります。
SNSとの距離と、二人の時間を整える
写メ日記やSNSを何度も確認してしまう人は、「もう見ない」と気合いで我慢するよりも、見る回数を決めたほうが現実的です。
たとえば、一日一回までにする。夜やお酒を飲んでいるときは見ない。必要なら通知を切り、一時的にミュートする。
これは相手を嫌いになるためではありません。
自分の生活の中に、その子の情報が入り込みすぎないようにするためです。
そして、ほかのお客さんより上か下かではなく、自分と彼女が会っている時間を見る。
自分が会ったときに、相手を安心させられているか。
落ち着いて過ごせているか。
断られたときに、不機嫌にならずにいられるか。
相手が無理をせずに接することができているか。
そういう積み重ねのほうが、写メ日記の文章量よりも、ずっと大切です。
「自分は特別?」
「誰が一番好き?」
と何度も答えを求めても、自分の中の不安が整理されていなければ、また確認したくなります。
嫉妬は、行動を命令するものではない
嫉妬は、「もっと監視しろ」「確かめろ」「独占しろ」という命令ではありません。
自分が何を怖がっているのかを知らせる感情です。
特別ではなくなるのが怖い。
忘れられるのが怖い。
自分より大切な人がいるのが怖い。
その気持ちに気づければ、彼女を責めるのではなく、自分の不安として扱えるようになります。
仕事や趣味、友人との時間を減らしすぎないことも大切です。楽しみがその子だけになると、返信や写メ日記の一文が、一日の気分を決めるようになります。
風俗嬢に好意を持つ以上、ほかのお客さんの存在を完全に消すことはできません。
でも、自分の感情とのつき合い方は変えられます。
嫉妬しない男性になる必要はありません。
嫉妬しても、監視しない。
嫉妬しても、問い詰めない。
嫉妬しても、相手の仕事や境界線を尊重する。
感情が生まれることと、その感情をどのような行動にするかは別です。
嫉妬をなくそうとするより、嫉妬している自分を少し離れた場所から眺めてみる。
それが、女の子の仕事と、自分の感情を分けるための最初の一歩なのだと思います。
