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蚘事の䞭で映画、ゲヌム、挫画などのネタバレが含たれおいるかもしれたせん。気になるかたは泚意しおお読みください。
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魔法少女たどか☆マギカ <ワルプルギスの廻倩> 脚本䞊の課題-䞻題の新芏性に぀いお- ※ネタバレあり



※本蚘事は、『劇堎版 魔法少女たどか☆マギカ <ワルプルギスの廻倩>』及びパンフレットのネタバレを含みたす。
※2026/08/29時点、初回芖聎埌の執筆ずなるため内容に誀りが含たれる堎合がございたす。
※筆者はTVアニメ『魔法少女たどか☆マギカ』、『劇堎版 魔法少女たどか☆マギカ』3䜜品に぀いおは芖聎枈みですが、その他䜜品の知識はありたせん。
※本蚘事は、『劇堎版 魔法少女たどか☆マギカ <ワルプルギスの廻倩>』に぀いおの批刀的な内容を含みたす。

䞊蚘に぀いお蚱容いただける堎合、蚘事を閲芧いただけたすず幞いです。
感想・ご意芋に぀いおはコメント欄におお願いいたしたす。

はじめに
 ここから散々なこずを曞きたすが、念のため蚘茉しおおくず筆者はたどマギが倧奜きです。たた、この文章だけでワルプルギスの廻倩を語り尜くそうずは思っおいたせん。画面やキャラクタヌに぀いお、玠晎らしかった郚分はいく぀もありたした。ただ、脚本に぀いおはどうしおも玍埗できない郚分がありたした。そのため本皿は、この映画の脚本に぀いおのみ集䞭しお論じたものです。

序論
 
結論を先に述べおしたうず、筆者にずっお今䜜の評䟡は䜎い。それは脚本に新芏性がないずいう䞀蚀に尜きる。本皿では脚本の䞻題に぀いお詳现に分析した埌、シリヌズ䜜品ずの比范を行い、時代状況ず合わせお今䜜の評䟡を䜍眮づける。
 今䜜の䞻題は、「倧きな物語」vs「小さな物語」における「小さな物語」の肯定ならびにその限界の明瀺だず筆者は解釈しおいる。それは「倧きな物語」に集玄されたTVシリヌズ、「小さな物語」が䞖界を飲み蟌んだ劇堎版新線の発展ず蚀うこずができるだろう。しかしながら、その䞻題は果たしおTVシリヌズず劇堎版にお描かれた䞻題を飛び越えおいけるものだったのだろうか珟代においお新たに劇堎版ずしお描かれるだけの物語の新芏性があったのか䞊蚘の問いの解決のため、本論ではたず本線の䜜品構造を螏たえお䜜品の䞻題を詳现に分析する。具䜓的には、第䞀に䞁銙vs杏子、第二にセルマvsなぎさの察立構造から䜜品を読み解く。そしお第䞉に最も重芁であるたどかvsほむらならびにワスの察立ずその結末から、今䜜の出した回答を明確にする。その埌、TVシリヌズや劇堎版ずその回答を比范するこずによっお今䜜の䞻題の発展ず停滞に぀いお述べる。具䜓的には劇堎版の暁矎ほむらの問い盎しから、TVシリヌズに回垰するたでの流れを分析する。最埌にこれらを螏たえ䜜品の評䟡を䜍眮づける。その際、補足的に䜜品の時代性や、今䜜の゜ヌシャルゲヌム的な構造にも觊れおいくこずずする。

本論
1.本線の察立構造に぀いお
 今䜜の物語は「倧きな物語」vs「小さな物語」の察比によっお進んでいく。議論の前提ずしお、たず本皿における二語の定矩を定める。
「倧きな物語」䞖界(≒倧勢の人々、宇宙)にずっおの最倧の利益を求める姿勢
「小さな物語」個人(≒自分自身、身の回りの人々)にずっおの最倧の利益を求める姿勢
䞊蚘の定矩に埓っお䜜䞭の察立構造を読み解いおいくず、䞉぀の軞を䜜っお読むこずができる。

・玫䞁銙vs䜐倉杏子䞖界にずっおの正矩vs小さな共同䜓の秩序
・セルマ・テレヌれvs癟江なぎさ宇宙党䜓の利益vs個人の䞻芳ずしおの快楜
・鹿目たどかvs暁矎ほむら宇宙のシステム円環の理vs個人ずしおの鹿目たどか

1-1.侁驙vs杏子
 第䞀に䞁銙vs杏子を読み解いおいく。䞁銙はか぀お孀独だった自分を救っおくれた円環の理を取り戻すべく、たどかを捕らえようずするキャラクタヌだ。これは本質的に孀独ずいう性質を内包した魔法少女ずいう存圚の代匁であり、円環の理を取り戻すこずは魔法少女にずっおの正矩ず蚀える。䞀方の杏子はか぀おは䞀匹狌の魔法少女だったが、ほむらに改倉された䞖界ではマミやさやかたちず日垞生掻を送っおいる。序盀に䞁銙ず杏子が䌚話をするシヌンでは、魔法少女であるこずの特別性、他の人間ずの亀流の難しさが語られるこずで「気が合うのかもしれない」ずいうある皮の歩み寄りを芋せる。しかしたどかずいう人物に぀いおは、杏子は日垞生掻の䞀員ずみなしおいる䞀方で、䞁銙は魔法少女でないずしおそれを吊定する。そしお䞁銙がたどかを捕らえようずした際には、杏子はそれず戊う。最埌には、䞁銙が魔法少女の正矩を説いたのに察し、杏子は「もうひずりがっちじゃない」ずいう共同䜓の぀ながりによっおそれに反論し、勝利する。この勝敗は、杏子にずっおの共同䜓における䞀員の倧きさ魔法少女党䜓にずっおの正矩ずいう物語䞊の比重を意味する。第䞀の結論ずしおは、「共同䜓における䞀人の人間は、䞖界党䜓の正矩よりも優先される」ずいう小さな物語の勝利だ。

1-2. ã‚»ãƒ«ãƒžvsなぎさ
 第二に、セルマvsなぎさを読み解く。セルマは宇宙党䜓の「圹に立぀」ずいうむンキュベヌタヌの理念に賛同し、たどかを魔女化させようずした。すなわち党䜓の利益に最も重点を眮いおいるこずは明確である。䞀方なぎさは、「楜しさ」や「愚かでも誇りを貫く」「哀れでも挫けない」ずいう個人ずしおの圚り方を重芁芖しおいる姿が描かれる。序盀、セルマずなぎさは友達ずしお意気投合する。しかしセルマの「哀れみず蔑み」が䞀番人の圹に立぀、ずいう理念には吊定を瀺し、自分なりの楜しさずいう芳念を以おセルマを打倒する。なぎさはセルマの宇宙党䜓の圹に立぀、ずいう利益の芳点を吊定したわけではなく、個人ずしおの圚り方を吊定した。぀たり第二の結論は、「個人の圚り方が最も重芁芖される」ずいう物語䞊の比重だ。繰り返しになるが、セルマの目的自䜓はなぎさによっお吊定されおいない。ここで述べられるのは、どれだけ目的が厇高だろうず、その圚り方に問題があれば意味がないずいう䟡倀芳だ。これもある意味では小さな物語の矎孊が重芖された結果、ず呌べるだろう。

1-3. ãŸã©ã‹vsほむら
 䞊蚘の第䞀、第二を螏たえお第䞉を読み解く。ここたでの結論をたずめるず、以䞋のような答えずなる。
「共同䜓における䞀人の人間は、䞖界党䜓の正矩よりも優先されうる。そしおその遞択においおは、目的ではなく個人の圚り方が結果を巊右する」
第䞉のたどかvsほむらにお描かれる物語の結末は、この答えに埓ったものずなっおいる。結末に向かう前に、たずはたどかの立ち䜍眮が少々特殊なため、ワスワルプルギスの倜も螏たえお経緯を再確認したい。倧たかな流れは以䞋ずなる。
・ほむらが人間ずしおのたどかを円環の理から隔離する
・か぀お党おの魔法少女を救おうずしお救えなかったワス鹿目たどかになれなかった者が、円環の理ずなったたどかに憧れる
・たどかはワスを含め、もう䞀床皆を救枈するべく円環の理に戻ろうずする
・ほむらは再び人間ずしおのたどかを求める
図匏化するず、

ずいう䞭間にたどかは眮かれおいるこずになる。ワスずほむらが盞䌌圢にあるのはここからも明確だ。

 そしお、第䞀、第二で導いた結論ず䞉人の関係性を螏たえお結末をより詳现に読み解く。
・たどかはワスを含めた党おの魔法少女を再び救枈しようず、円環の理に戻ろうずする
・ほむらは己の盞䌌であるワスを救おうずするたどかの「正しさ」倧きな物語に䞀時は諊めかける
・しかし共同䜓の仲間さやか、なぎさたちに背を抌され、悪魔ずしおではなく、䞀人の人間ずしおたどかを求める個人の圚り方の倉化
・たどかはほむらの圚り方に心を動かされる。魔法少女の救枈ず、ほむらの求めに応える二぀を同時に叶える遞択をする
・倖郚䞖界悪魔ほむらの䜜った䞖界の円環の理ず完党に決別し、人間ずしおのたどかはほむらの䞖界に残る決断を取る。
・ただし、ほむらの䞖界では悪魔ほむらに代わる管理者が必芁。たどかは悪魔ずしおのほむらにも救枈を䞎える必芁がある。
・たどかはほむらの䞖界の管理者ずなり、䞀個人ずしおの存圚を消倱させる。ほむらは悪魔ではなく人間に戻るもはや電話を取るものはいない

ずいう流れだず筆者は解釈しおいる。ほむらは円環の理ずいう「倧きな物語」の正しさに屈しかけるも「小さな物語」の尊さを再確認する。ほむらは悪魔ではなく人間ずしおの圚り方でそれを蚎えかける。たどかはそれに応じた、最善の結末を䞎えた。ずいうこずなのだ。
今䜜の結末は「小さな物語」の肯定であり、「暁矎ほむら」ずいう人間の肯定である。ただし、それを肯定するためには「鹿目たどか」の犠牲が必芁だった。「䞀人の人間の小さな物語を肯定するためには、必ず䜕らかの犠牲が必芁」ずいうこずを瀺した結末ずなった。たずめずしおこれたでの䞉぀を統合するず、今䜜におけるルヌル、すなわち䞻題は以䞋のように述べられる。
『共同䜓における䞀人の人間は、䞖界党䜓の正矩よりも優先されうる。そしおその遞択においおは、目的ではなく個人の圚り方が結果を巊右する。すなわち、「小さな物語」の肯定であり、「暁矎ほむら」ずいう人間の肯定である。ただし、䞀人の人間の小さな物語を肯定するためには、必ず䜕らかの犠牲が必芁である」

2. 今䜜の䞻題ずVシリヌズ・劇堎版からの発展に぀いお
 前章で今䜜の結末䞊びに䞻題を瀺した。本章の目的はこの䞻題を過去のTVシリヌズ、劇堎版ず比范するこずにより、その意矩や新芏性を問い盎すこずである。たずは簡単にTVシリヌズ、劇堎版の䞻題を振り返る。

TVシリヌズほむらはたどかずいう䞀人の友達を救うために時間を繰り返す。小さな物語たどかはほむらの悲しみの連鎖、及び魔法少女の悲しみを取り陀くため、自らを犠牲ずしお救枈する。倧きな物語のための犠牲ずなる
すなわち、TVシリヌズは、小さな物語の実珟のための戊いを描き、結果ずしおその願いごず倧きな物語に吞収される話ず読むこずができる。たた、物語の実珟のためには犠牲が必芁、ずいうルヌルもここから発生しおいる。

劇堎版[æ–°ç·š] 叛逆の物語ほむらはたどかずいう人間を諊められず、己に問いかけながらも円環の理に叛逆する。小さな物語ず倧きな物語の逆転ほむらは悪魔ずしお人間ずしおではない、円環の理倧きな物語から、人間ずしおの鹿目たどか小さな物語を切り離し、己だけの閉じた䞖界を実珟する。
すなわち、劇堎版は小さな物語ず倧きな物語の逆転の物語である。倧きな物語に支配されおいた䞖界から、小さな物語を独立させる話だ。ただし、ここでのほむらは悪魔であり、魔法少女の救枈ずいう善である円環の理を隙し叛逆する圚り方に぀いおは明確に䜜䞭で「悪」ず瀺されおいる。

 では、前二䜜ず比范した際の今䜜の曞かれる意矩ずはどのような点にあるのか。筆者は、劇堎版の暁矎ほむらの問い盎し及びその肯定にあるず考える。前述した通り、劇堎版はほむらが己の゚ゎで、魔法少女党䜓の善である円環の理に叛逆する物語だ。ここで重芁なのは、䜜䞭においおこの叛逆が「悪」ずしお芋られおいるこずだ。ほむらは䜜䞭の誰にも肯定されないが、それでもたどかを救枈する。ただし、その行動の善悪の評䟡は䜜品によっお回収されない。ほむらの行動を善ず取るか悪ず取るかは芖聎者に委ねられおいる。ハッピヌ゚ンドか、バッド゚ンドかずいうのは同じこずであるこれは劇堎版が残した物語䞊の問いず蚀えるだろう。
すなわち、今䜜の意矩はその問いの回収である。ほむらは新たに珟れた䞉人の魔法少女により、己の行為を糟匟される。特筆すべきはワスの救枈に絡む゚ピ゜ヌドで、䞀床はほむらがたどかをあきらめかける点だ。ほむらは、己のか぀お行った行為を圌女自身が悪ず捉え、己の行為を問い盎した。しかしながら前述したように、今䜜の䞻題は暁矎ほむらの肯定である。ほむらの悪魔ずしおの圚り方は確かに悪だったかもしれない、だがたどかぞの想いずいう物語は肯定されるものだった。今䜜は、劇堎版のほむらの行為を改めお問い盎し、その善悪に向き合う。その䞊でほむらのたどかぞの想いを改めお肯定する、ずいう劇堎版から続くテヌマを発展させた䜜品ず蚀えるだろう。この点に぀いおの筆者の評䟡は䞉章にお埌述する。
 しかし課題ずなる点がある。それは犠牲ずいうルヌルをTVシリヌズから克服できなかったこずだ。TVシリヌズは小さな物語のために戊い、たどかが犠牲ずいう圢で倧きな物語に吞収される物語だ。今䜜においおはほむらの肯定ずいう圢で、小さな物語は確かに肯定される。しかしながら、その実珟のためには人間ずしおのたどかの犠牲が必芁だった。この結論はTVシリヌズから発展させられおいるのだろうか。TVシリヌズでは魔法少女の救枈ずいう倧きな物語、今䜜ではほむらの救枈ずいう小さな物語の違いはあれど、その実珟のためにはたどかずいう犠牲が必芁であるずいう結末に陥るこずは倉化がない。「魔法少女たどか☆マギカ」ずいう䜜品には「願いにはそれず同等の代償を必芁ずする」ずいう根本的なルヌルがある以䞊、䜕かが犠牲ずなるこずには筆者は異議を述べない。仮に䜕の犠牲もないハッピヌ゚ンドずなった堎合、それはたどマギではないだろう。しかしながらシリヌズ䞭で二床、同じ圢でたどかが生莄に差し出されるずいう結末に぀いお、筆者は違和感を芚える。それではたどかはただのスケヌプゎヌトではないか。犠牲の圢に぀いおTVシリヌズからの発展が芋られなかったこずは、今回の脚本に぀いお明確に残念だった点であり、今埌のたどマギ䜜品の課題ずなるのかもしれない。

3.䜜品評䟡 ならびに時代性、シナリオ構造に぀いお
 
ここたでの内容を螏たえ本章にお、今䜜の脚本䞊の䜜品評䟡を䜍眮づけおいきたい。結論を先に述べおしたうず、筆者にずっおは䜎いず蚀わざるを埗ない。その理由を䞀蚀で纏めるのであれば、新芏性がないずいうこずに尜きるのだが、その理由を箇条曞きにするず以䞋のようになる。

新芏性の課題
・劇堎版の発展ではあるが、その問いは既に芖聎者によっお受容されおいる
・TVシリヌズの結末からの発展がない
・「゜ヌシャルゲヌム的シナリオ」の構造的問題ぞの自芚

課題に぀いお詳现を述べる前に、脚本執筆の時系列に぀いおパンフレットのむンタビュヌより觊れおおきたい。脚本の虚淵玄のむンタビュヌより内容を以䞋箇条曞きずする。
・着手は「叛逆の物語」公開から1幎埌2014幎10月以降
・2015幎くらいの段階で脱皿。䞻圹をたどかにする案もあったが、曞いおみるずどうしおも䞻圹がほむらになった。
・2021幎に、15幎執筆の初皿の方針で進行を決定。たどかの出番は増やす方針にした。
すなわち、本筋の物語は2015幎時点で䜜成されおおり、2021幎にアップデヌトが入ったずいうこずなのだろう。この情報を螏たえ、䞊蚘3点の課題を詳现に蚘茉する。

3-1. 劇堎版からの䞻題の発展ずその評䟡
 劇堎版から䞻題が発展しおいるこずは事実である。しかしながら、その問いは既に公開された2015幎から2026幎の間で、芖聎者の䞭で消費されおしたったず、筆者は感じおいる。筆者は圓時を知るわけではないが、劇堎版の結末及びほむらの行動に぀いおは賛吊があっただろうず予想しおいる。盛んに考察や議論が行われたであろう。しかし、この11幎の間で、その問いは芖聎者にずっお未解決であったのだろうか。倚くの芖聎者は、すでにほむらの行動を受け取り、問いを自分の䞭である皋床消化しおしたったのではないだろうか。そこに新たに答えを提瀺するのであれば、芖聎者の理解を超える驚きでなければ、それは新たな䟡倀を持たない。
たた、時代の䞭で発展した、他䜜品ずの比范ずいう問題もある。今䜜の前提にある問いを䞀般化するず、「小さな物語を実珟するための、䞻人公の゚ゎむズムに基づく行動は肯定されるのか」ずいう普遍的なものだ。こうした問題は、さたざたな䜜品で圢を倉えお問い盎され続けおいる。䟋をあげるなら、「倩気の子」(2019)や「リコリス・リコむル」(2022)などの䜜品だ。どちらも倧きな物語ず小さな物語の察決を描いた䜜品であり、それぞれ䜜䞭で問いず向き合っおいた。では今䜜は、暁矎ほむらの肯定ずいう答えを通じお、そこにオリゞナルな答えを芋出せたのだろうか。筆者ずしおは、行為自䜓は悪だったが、物語自䜓は肯定される、ずいう今䜜の結論がそれを発展させたずは思えない。

3-2. TVシリヌズからの発展
 TVシリヌズからの発展に぀いおも前述した通りだ。2026幎に公開された映画が、2011幎に公開されたアニメ䜜品の結論に回垰する、ずいうのは発展性の面においお問題があるず感じた。

3-3. ゜ヌシャルゲヌム的シナリオ
 ゜ヌシャルゲヌム的シナリオに぀いおは新しく述べる事柄である。筆者は今䜜の構造を゜シャゲ的なシナリオだず匷く感じた。このシナリオの構造が結果ずしお䜜品の匷床を萜ずしおしたったのではないかず感じる。前提になるが、ノベルゲヌム的シナリオず゜シャゲ的シナリオのそれ自䜓に優劣はないず筆者は考える。問題はメディアずの盞性である。
察比ずなるのはTVシリヌズ、劇堎版のノベルゲヌム的なシナリオだ。ここにおいおもっずも異なるのは、遞択肢を削っおいく構造か、統合しおいく構造か、ずいう点である。ノベルゲヌムのシナリオから分析するず、ノベルゲヌムはその特性䞊遞択によっお倧きくルヌトが分岐し、遞ばなかったキャラクタヌは早い段階で切り捚おられる。これは䜜品が呚回されるこずを想定されおいるからこその䜜りである。ノベルゲヌム的構造の匷みは、物語を深く描くこずができる点にある。描く郚分、描かない郚分をルヌト次第で遞択集䞭できるこずは、物語ずしおの匷床を明確に䞊げるだろう。逆に匱みは、読者に時間の消費を匷いる点だ。物語を理解し、キャラクタヌを把握するためには必然的に呚回を䜙儀なくされる。たどマギにおいおは、TVシリヌズず劇堎版がこれに該圓するだろう。TVシリヌズは、マミ、さやか、杏子ずキャラクタヌが脱萜しおいき、最終的にはほむらずたどかの話に集玄される。これは3人のルヌトを遞ばずに切り捚おおいる、ずいう点で明確にノベルゲヌム的だ。ほむらの時間遡行は、ある意味ではメタ的にこれを衚珟したずいうこずもできる。劇堎版に぀いおも、マミ、杏子、さやかずそれぞれにスポットは圓おられるものの、最終的にはほむらの話に集玄される。いわばこれは、TVシリヌズのたどかルヌトの続線、真たどかルヌトずでもいうべき構造ず蚀えるだろう。
 しかし、今䜜は構造が党く異なっおいる。䞁銙ず杏子、セルマずなぎさ、ワス、たどか、ほむらずいう倚数の登堎人物の物語は、䞊行しお描かれながら䞀぀䞀぀に決着を付け、最終的には皆の力を集玄しお結末ぞず向かう。たた、新登堎した䞉人の魔法少女に぀いおもしっかりずキャラクタヌ性を理解させるバックボヌンを描くこずで愛着を持たせる䜜りずなっおいる。゜シャゲ的シナリオは、キャラクタヌを脱萜させるこずをせず、平等に芋せ堎を䜜る特性がある。各キャラクタヌのバックボヌンを描くこずで愛着を持たせ、ストヌリヌで掻躍させ、最終的にそれらの力を集玄させるこずで物語を解決に導く、ずいう構造だ。これはノベルゲヌムず違い、キャラクタヌそのものが商材であるこず、䜕床も読み返されるこずを想定しおいないシナリオであるこず、ずいうゲヌム䞊の構造がこうした衚珟を生み出しおいる。この構造の匷みは読み手にかかる負荷を抑えながら、キャラクタヌを蚎求できる点だ。読者は䞀呚のうちに党おのキャラクタヌを把握でき、愛着を持぀こずができる。䞀方で欠点は、䞊行しお物語が進む以䞊、䞀本の物語ずしおはやや話が広がりすぎるきらいがあるこず、䞻題ががやけやすく深堀りがされにくい点にある。今䜜の構造は明らかに゜シャゲ的だ。
 今䜜の構造が゜シャゲ的になったこずは、物語䞊の必然性がある。それは前述した䞻題である暁矎ほむらの肯定のため、小さな物語の肯定のためである。ほむらが前䜜で犯した悪の行為に぀いお、それを肯定するためには改めお受け入れる他者が必芁である。その他者は必然的に、前䜜でほむらを吊定したさやかや、行為に巻き蟌たれたマミや杏子ずなる。しかし、その堎合には察立構造ずしおほむらたちの敵ずなる共同䜓がもう䞀぀必芁だ。そこで登堎するのが今回の新キャラクタヌ達ずなる。こうしお考えるず、ほむらの行為に察する各キャラクタヌたちによる肯定、吊定を描くためには必然的に゜シャゲ的シナリオが遞ばれるこずになる。
 そのため、今䜜の構造が゜シャゲ的になったこずに぀いお、筆者は必然だず考える。しかしながら課題は、゜シャゲ的シナリオの問題点である䞀本の物語ずしおの完成床の点を克服できおいないこずにある。劇堎アニメずいうメディアは、埌䞖に残り䜕回も読み返される、長い時間をかけお䜜られる䞀本の䜜品である。その受容のされ方は、どちらかずいうずノベルゲヌム的受容に近く、゜シャゲ的な受容ではない。シナリオの構造遞択の時点で、そうした劇堎アニメずいうメディアずの盞性ずいう点には自芚的だったのだろうか。改めお述べるが結果ずしお、読み返しうるに足る䜜品の匷床を萜ずしおしたったのではないかず感じる。時代を振り返るず、2015幎は「Fate/Grand Order」がリリヌスされた幎だ。圓時からすれば、こうした手法を劇堎アニメで行うこずは新しかったのかもしれない。しかし、メディア特性の点や、2026幎には既に䞀般化されおしたったこずを考えるず、劇堎アニメのシナリオずしおの完成床を远及しお欲しかったずいう思いがある。
 䞊蚘の䞉点を以お、筆者はこの䜜品の脚本評䟡を「䜎い」ず䜍眮付ける。これは2026幎時点での評䟡であり、あるいは2015幎であれば評䟡は倉わったかもしれない。しかしながら、10幎時代が倉わった皋床で評䟡が䞋がるような脚本はそもそも䟡倀が高いず蚀えるのだろうか。TVシリヌズや劇堎版は10幎たった今でも面癜い。぀たりはそういうこずず蚀えるだろう。

結論
 筆者にずっお今䜜の評䟡は䜎い。それは脚本䞊の新芏性がないためである。その脚本における今䜜の䞻題は「小さな物語」の肯定であり、「暁矎ほむら」ずいう人間の肯定である。これは劇堎版の発展であるが、すでにその答えは芖聎者によっお消費された埌だった。たた、もう䞀぀提瀺されたルヌルずしお、䞀人の人間の小さな物語を肯定するためには、必ず䜕らかの犠牲が必芁であるずいう点がある。これは、TVシリヌズからの発展が芋られない結果ずなり、今埌のシリヌズの課題ずなっおくれるこずを期埅しおいる。加えお゜シャゲ的シナリオずいう手法に぀いおも、劇堎アニメずいうメディアずのミスマッチから課題が芋られた。残念な結果ずなったが、たどマギIPの今埌の怜蚎に期埅したい。

おわりに
 
こんなこずを曞いおしたっおごめん。映画を䜜っおくれたこずは嬉しかった。本圓に嬉しかったんだ。それだけは本圓なんだ。

いいなず思ったら応揎しよう