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『語られなかった判断』――裁判における可視性と正当性について―― 第1章 裁判の正当性と理由提示―― 412日

1 裁判の正当性は何によって支えられるのか

一般に、裁判所による判断は、それ自体として正当なものと理解されやすい。

すなわち、

「裁判所が判断したのだから正しい」

という制度的信頼である。

しかし、この理解のみでは、裁判の正当性を十分に説明することはできない。

裁判とは本来、

* 争点整理
* 証拠評価
* 事実認定
* 法適用
* 理由提示

という過程を含む制度である。

当事者が裁判を受容し得るのは、自らの主張がどのように扱われたのかを確認できるからであり、また第三者がその判断を検証可能だからである。

したがって、裁判の正当性は、

👉 「結論」ではなく、
👉 「結論形成過程の可視性」

によって支えられている。



2 理由提示の機能

判決理由は、単なる形式的記載ではない。

それは、

* 当事者への説明
* 上級審による審査可能性
* 社会に対する公開性
* 判断の恣意性抑制

という機能を持つ。

もし理由提示が不十分であれば、

* 何が認定されたのか
* なぜ排斥されたのか
* どの法的構成を採用したのか

が見えなくなる。

その場合、判決は存在していても、その正当化構造は外部から検証不能となる。


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