可憐を捨てて
「可憐なままでいて」と言われた。
それが私の心に強く刺さっている。
今もなお。
何かをするごとに、その言葉が再生されて。
それで、私は可憐になる。
可憐とは何か。
正直分からない。
辞書で調べようとも思わなかった。
ただ、ひたむきでそれが美しい。
そんな感じなのかなって、私は思った。
ある日、本当に可憐な人を見つけた。
その目は涼しげで、一歩進む度に美しい髪がなびいて。
どこか控えめな印象だけど、芯は真っ直ぐしてる。
そんな人だった。
本物の前に偽物は暴かれてしまい、惨めな気持ちになってしまう。
私の可憐はもうどこにもないのだ。
そう思ったら、肩の荷が下りた気がした。
あんなの誰もが持てるものじゃない。
私は今日から私になれる。
可憐という言葉をぽいっとどっかへ投げて駆け出したい。
そんな衝動に駆られた。
