【3分で分かる】嫌われる勇気?好かれる努力?16年目の主任がたどり着いた「リーダーの正解」
「もっと優しく接しなきゃいけないのに、つい厳しくしてしまう……」
「逆に、子どもや後輩に嫌われるのが怖くて、肝心な場面で叱れない……」
日々の保育現場や、家庭での子育て。あなたはこんなジレンマに頭を抱えていませんか?
新米の保育士だった頃の僕もまさにそうでした。子どもたちから「優しい先生」と思われたくてお菓子を配るような笑顔を振りまき、でもクラスが荒れてくると「ちゃんと聞いてよ!」と声を荒らげて自己嫌悪に陥る。
保護者の前では「頼れる先生」を演じつつ、裏では「自分の指導で本当に合っているのか」と冷や汗をかく毎日。
世間では「愛される保育」「褒める子育て」が正義のように語られます。
しかし、現場の最前線で16年間泥にまみれ、主任という立場になって後輩を育て、組織を動かすうちに、僕はひとつの残酷で、しかし救いのある真実にたどり着きました。
それは、「リーダーは好かれる必要なんてない。ただ、尊敬されなければならない」ということです。
今日の記事では、その本質と、明日からあなたのクラスやチームが劇的に変わる「圧倒的な視点」について、考えてみたいと思います。
好かれたい病の呪縛を断ち切れ
僕たちが「嫌われたくない」と恐れるとき、そこには「好かれていれば自分の言うことを聞いてくれるはずだ」という甘えがあります。
例えば、クラスの子供たちに好かれようと、ルールをなあなあにして何でも「いいよ、いいよ」と受け入れる保育士がいます。
その結果どうなるか。一見するとその瞬間は子どもたちにキャーキャーと懐かれますが、いざという時の安全管理や、集団としての秩序が求められる場面で、子どもたちは全く話を聞かなくなる。
最終的にその保育士は「舐められて終わり」です。
同じように、職場の後輩に対してもそうです。嫌われたくないからとミスを指摘せず、「まあ、次気をつけようね」と笑って流す。
それは優しさではなく、ただの「責任逃れ」です。
では、逆に鬼軍曹のように怖がられればいいのか?
それも違いますよね。
恐怖で縛られた空間は、その場しのぎの服従は生んでも、子どもの自発性や、保育士のクリエイティブな提案力は根こそぎ奪い去ります。
ここで、歴史上の偉大なリーダーたちや、現場で圧倒的な結果を出している人たちの共通項を思い出してください。
彼らの手法は「全員に好かれること」ではありません。では何が共通しているのか?
「圧倒的な『あり方』と『やり方』で、周囲に『この人には敵わない』と思わせる尊敬のオーラをまとっていること」。これだけです。
尊敬を生み出す「2つの武器」:あり方とやり方
では、その「尊敬」はどうやって勝ち取るのか。
答えはシンプルで、リーダーが示すべきものは「あり方」と「やり方」の2つしかありません。
1. 行動で示す「あり方」
口では「安全第一」「丁寧な保育」と言いながら、自分自身はスマホばかり見ていたり、散らかったおもちゃの片付けを後輩に押しつけてスタッフルームでコーヒーを飲んでいたりする主任がいたらどうでしょう?
そんな人間の言葉に、誰も耳を貸しません。
僕が主任として心に決めているのは、「誰よりも仕事をやる」ということです。
朝の園庭の掃き掃除、誰もやりたがらない汚物の処理、保護者からのクレーム対応。
それを「主任だから」とふんぞりかえって指示するのではなく、背中で見せる。
「あんなに経験を積んだ主任が、ここまで足元を固めているんだから、自分がサボるわけにはいかない」
この「背中」こそが、最初の尊敬を生みます。
2. 実力で示す「やり方」
もう一つは、現場で迷ったときに「こっちに行けば絶対に正解にたどり着く」という具体的なノウハウと方向性を示す力です。
例えば、新年度のクラスが魔の4月で大荒れしたとします。子どもたちは泣き叫び、保護者は不安そうな顔をし、新人の後輩は半泣きになっている。
ここで「みんな、もっと笑顔で頑張ろうね!」と精神論を叫ぶのは最悪の「やり方」です。
そうではなく、「この動線の確保はこう変える。おもちゃの配置はこうローテーションする。保護者への連絡帳のフレーズはこう統一する」と、経験則に基づいた「具体的な打ち手」を的確に示し、実際に状況を好転させてみせる。
「この人の言う通りに動いたら、本当にクラスが落ち着いた」
この瞬間、周りの目は「好き・嫌い」の次元を超え、純粋な「敬意(リスペクト)」へと変わります。
恐怖は「感情の怒鳴り声」ではなく「仕組み」で使え
ここで、少し危険な話をしましょう。
「じゃあ、厳しさは一切不要なのか?」と問われれば、僕は「いや、一定の緊張感や恐怖は組織を動かすブーストとして必要だ」と答えます。
ただし勘違いしてはいけないのは、ここでいう恐怖とは「感情的に怒鳴り散らすこと」ではありません。そんなものはただのパワハラであり、指導者の器の小ささを露呈しているに過ぎません。
]組織における健全な「恐怖」とは、「明確な評価の仕組み」と「基準に達しなかった場合の現実(人事や結果)」です。
「この基準をクリアしなければ、プロとしてこのクラスや役割を任せられない」という厳格なルールが仕組みとして機能しているとき、人は自然と背筋が伸びます。
僕自身、普段の保育や事務作業において、馴れ合いの空気になりかけたときや、プロとしての意識が緩んでいると感じた瞬間には、ミーティングで容赦なく厳しい言葉を投げるようにしています。
「おい、プロの保育士としてのプライドはどうしたんだ」と。
それは感情の爆発ではなく、「この基準を割ったらチーム全体が沈む」という危機感を共有するための、意図的なスパイスです。
もちろん、その分、日頃から徹底的に向き合い、結果を出したときは誰よりも最大級の承認と評価を返す。このアメとムチのバランスが、組織を生きたものにします。
明日から子どもを見る目が変わる
リーダーであるならば「好かれたい」という呪縛から自分を解放してください。
あなたが目指すべきなのは、子どもや保護者、そして後輩から「あの人といると、世界の見方が変わる」「あの人の背中を見ると、明日も頑張ろうと思える」と言われる存在になることです。
明日、保育園や幼稚園のドアを開けるとき、自分に問いかけてみてください。
「今日の私は、どんな『あり方』を見せるだろうか?」
「子どもたちや後輩を、どんな『やり方』で導くだろうか?」
好き嫌いの感情論を脱ぎ捨て、プロとしての「尊敬」を軸足に置いた瞬間から、あなたの周りの景色は嘘のように変わり始めます。
子どもたちのあなたを見る目が変わり、後輩が自発的に動き出し、何より、あなた自身の保育が最高にスリリングで楽しいものに変わっていくはずです。
「あ、その手があったか!」
そう膝を打ったあなたなら、明日からの現場が少しだけ、待ち遠しくなっているはずです。
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