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ついにフェルメールの《真珠の耳飾りの少女》と対面!目線が合いっぱなしでドキドキ 展覧会は大阪中之島美術館にて9月27日まで 17世紀オランダ絵画の名品もつぶぞろい!

あの《真珠の耳飾りの少女》が来日しました。17世紀オランダの画家、ヨハネス・フェルメールが描いた魅惑的な少女です。場所は大阪中之島美術館で、2026年9月27日まで居てくれます。「世界の5大作品の中で最も有名な作品の1つですが、私自身も美術館の他のメンバーも、この作品こそが最も素晴らしい作品だと信じています」とマルティネ・ゴッセリンク館長のお墨付き!
パンフレット、映画、本などで目にすることは多い《真珠の耳飾りの少女》ですが、実物と対面するのはどんな感覚なのでしょう?
開幕前日のプレス向け内覧会の様子からお届けします。



少女の目が追いかけてくる


本展の正式名称は「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」。
オランダのマウリッツハイス美術館が所蔵するフェルメールの傑作2点を中心に、レンブラントやフランス・ハルスら17世紀オランダを代表する画家たちの名品計12点が展示されています。通常であれば、入り口から順を追って鑑賞していくところですが、今回はまず《真珠の耳飾りの少女》に会いたい。ずんずんずんずん奥へと進みます。途中「あっ、これみたい」と思う作品や映像の誘惑に負けず、とことん歩き続けると、パッとブルーの空間が開けました。《真珠の耳飾りの少女》のためだけの空間。さすが世界の主役。
ジグザグな通路を通って徐々にアプローチします。神聖な気分。絵に焦点があった瞬間に、《真珠の耳飾りの少女》と目が合いました。グレーの澄んだ目が水ようかんのようにプルンとしている!こんなに潤っているとは。。。生きているんですね。

ヨハネス・フェルメール 《真珠の耳飾りの少女》 1665年頃 マウリッツハイス美術館

正面から対面すると?
目がバッチリ合う。

ヨハネス・フェルメール 《真珠の耳飾りの少女》 1665年頃 マウリッツハイス美術館

右側へ回ると?
やはり目を向けてくる!

ヨハネス・フェルメール 《真珠の耳飾りの少女》 1665年頃 マウリッツハイス美術館

《真珠の耳飾りの少女》は私を目で追ってくる。かわいい!好きになりました。これは世界中の人々が魅了されるのも無理は無い。このような目を絵の中の少女に宿すとは、フェルメールも相当な魔術師ですね。以前、家族型AIロボットを体験したときに、つぶらなデジタル瞳が目線を合わせて追ってくるので愛着が湧いてきた感覚にちょっと似ているかな?また、フィギュアにも、見る角度を変えても目が自分を見つめているように感じる「追尾目」があるけど、17世紀に平面でこの目線効果を実現していたフェルメール、ホントただ者ではない。ところでモデルは誰だったのかな?
本展を日本側で監修した神戸大学大学院人文学研究科教授の宮下規久朗さんによると、「確証はありませんが、モデルはフェルメールの娘のうち、当時11歳前後であったと思われる長女マリアだという説があります」とのこと。もしそうだとして、こんなにあどけない眼差しを向けられたフェルメールパパはキュンとしてしまったのでは?

さて、ここまでは《真珠の耳飾りの少女》に集中して語ってきましたが、フェルメールと同時代の巨匠たちによる名作も見応えがありますので、青いトンネルを抜けて17世紀オランダ絵画の名品を巡る旅の最初の方に戻ります。

展覧会会場内のブルーのトンネルにて。マウリッツハイス美術館の関係者達とすれ違った時に、一人の紳士が「You are beautiful.Look like a girl in the Vermeer's painting」 と言ってくれて嬉しかった!

オランダの3大巨匠なのに……。


気になったのは、フランス・ハルスによるこの帽子をかぶった男性の肖像画。小さな作品ですが、ヒゲを生やしたおじさんのいたずらっぽい小リスのような瞳がキラリと輝いています。

フランス・ハルス 《男の肖像》 1634年頃 マウリッツハイス美術館

宮下さんの解説は次の通りです。「オランダの3大巨匠は、レンブラント、フェルメール、フランス・ハルスなのですが、なぜか日本ではハルスがあまり知られていません。でも彼は重要な画家で、そのキビキビとしたタッチ(筆触)をエドゥワール・マネが模写するなどしていて、印象派に影響を与えています。彼の作品はほとんどが肖像画なのですが、いろいろな市民を生き生きとした表情と共に描いています」。

レンブラントのトローニー

 
そしてその隣に展示されていた、さらに小さい葉書サイズの《笑う男》もかなりアピールしてくる。不精ひげを生やし、良いとは言えない歯並びを気にせず豪快に笑っています。こちらはかのレンブラントの作品。

レンブラント・ファン・レイン《笑う男》 1629-1630年頃 マウリッツハイス美術館

宮下さんは次のように重要なポイントを教えてくださいました。「これはトローニーというジャンルに属する作品です。トローニーは『頭部習作』と訳されたりするのですが、特定の人物を描いたものではありません。実はフェルメールの《真珠の耳飾りの少女》もまさにトローニーで、特定の少女の肖像画を描いたのではなく、『オリエンタル風の衣装の少女』を描いたものです。このレンブラントの絵も『甲冑の胸当てを身に付けた男』のトローニーなのです」。
わー、聞いてよかった。トローニーは実在の人物をモデルにする場合もあるけれど特定の個人の特徴を描くことは目的にしていない。だからより普遍性が高まり、時を越えて人々が共感したり自己同化したりできるのかもしれません。

ヤン・ステーンな家庭には気をつけよう


そしてこちらはなんとも楽しそうな雰囲気。ホームパーティーでしょうか?

ヤン・ステーン 《老いが歌えば若きが笛吹く》 1663–1665年頃 マウリッツハイス美術館

宮下さんは次のように語ります。「《老いが歌えば若きが笛吹く》という作品でオランダ風俗画の最大の巨匠ヤン・ステーンによるものです。もともとはフランドルで始まったテーマですが、ヤン・ステーンが得意としていました。『大人がやることは子供が何でも真似する、大人が良いことをすれば良いことをするし悪いことをすれば悪いことをする、だから子供の模範となるようなことをしましょう』という教訓的なテーマです。ヤン・ステーンの作品の常として自分自身が登場するのですが、この絵では真ん中でパイプを吸っている男が彼です。ヤン・ステーンは、ごちゃごちゃした賑やかな家庭を描くことで有名なので「The household of  Jan Steen」という成句があり、「賑やかで乱れた家庭」という意味があります。どちらかというとネガティブなニュアンスで『あいつの家はヤン・ステーンな家庭だからあまり行かないほうがいい』といった感じです。でもそのような言葉ができるほど英語圏でも有名で、こういった賑やかな風俗画を描かせたら右に出るものはいません」。
なるほどー!笛やバグパイプの音、歌い声、犬の声、ガヤガヤとした話し声が聞こえてきそう。遊びに行ってみたい気もするけどやめたほうがいいのかな(笑)。

天才ポッテルの牛


一番のどかな空気を感じたのがこの1枚。28歳で亡くなった天才画家パウルス・ポッテルによる作品です。宮下さん曰く、ポッテルは19世紀にはフェルメールよりはるかに有名で、フランスのバルビゾン派に大きな影響を与えたとのこと。中でもトロワイヨンはポッテルから強い影響を受けて牛ばかり描くようになったというのだからポッテルのカリスマ性は偉大。

パウルス・ポッテル 《水に映る牛》 1648年 マウリッツハイス美術館

確かにこの絵の中の牛たちは、艶やかな毛並みや健康的な肉質が伝わるほどに入念に描かれています。水に映った牛の方も実物顔負けなほどに生き生きと描かれていてうっとりするほど。近くで裸で泳いでいる人々がまた牧歌的で微笑ましいのですが、この絵の中ではあくまでも牛たちの引き立て役です。さすが酪農大国オランダ!画中右手の陸上には、牛の乳搾りをしている女性が居ます。そういえば、フェルメールも《牛乳を注ぐ女》を描いていましたね。

ああ、西洋美術史の黄金期を築いた17世紀のオランダ!改めて、その時期の豊かな自然、文化、風俗に魅了されました。画家フェルメールを生み、彼の絵画37点中7点を持つオランダ現地に行きたくなりました。マウリッツハイス美術館を訪ね、今回出会った12点と再会し、《真珠の耳飾りの少女》ともう一度見つめ合う日を今日から夢見ます。

【展覧会基本情報】
タイトル:「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展
17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」
会期:2026年8月21日〜9月27日
会場:大阪中之島美術館 5階展示室
休館日:会期中無休
料金:一般 3000円 / 高大生 1500円 / 小中生 500円 ※全日程日時指定制

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