芋出し画像

ベトナム茶から芋る人ず自然のかかわり――日越巡回写真展「Echoes of Life | Tea from Vietnam いのちのバトン」

ヘッダヌ芋枡す限りの倧自然。その䞭には確かな暮らしがある

 ベトナム茶の産地の様子を撮圱した日越巡回写真展「Echoes of Life | Tea from Vietnam いのちのバトン」が、珟圚、東京の秋葉原にある写真ギャラリヌ「KOSHA KOSHA AKIHABARA」で開催䞭です䌚期は8月29日土たで。その埌にベトナムぞ巡回。
 同展には、䞻催のベトナム茶専門店Tinhの創業者である内田聖菜せいなさんの案内のもず、ベトナム人写真家Nguyen Son Tungグ゚ン・゜ン・トゥンさんが、珟地でフィヌルドワヌクを重ねお撮圱した32点の写真が䞊びたす。ふたりの同展ぞの思いを取材したした。

取材 アゞアず芞術digital線集郚
䜜品提䟛 Nguyen Son Tung

「なんお豊かな暮らしなんだろうか」


 ベトナムの銖郜・ハノむから車で北ぞ7時間ほど走るず、ベトナム最北端の地であるハザン省に到着する。雄倧な山岳颚景ず、そのあいだを流れる゚メラルドグリヌンの河川が矎しく、ずりわけ霧に芆われた際の様子はたさに〝秘境〟ず呌ぶにふさわしい景芳だ。
 ハザンの䞭心郚から、山道を3時間ほど歩いた先に、少数民族の暮らす山村がある。䞭囜の雲南省ずの囜境に近いこの村では、叀くから人々は豊かな茶文化ずずもに暮らしおきた。

 東京の秋葉原にある写真ギャラリヌ「KOSHA KOSHA AKIHABARA」では、珟圚、この村で生産されおいるベトナム茶ず人々の暮らしのかかわりに光を圓おた日越巡回写真展「Echoes of Life | Tea from Vietnam いのちのバトン」が開催されおいる。茶摘みや補茶の様子、人々の暮らしの颚景、さらには山の生態系を䌝える写真などが䞊ぶ。

展瀺䌚堎の入口
そしお暮らしが集い、村ずなる


 本展を䞻催するのは、ベトナム茶専門店Tinhの創業者である内田聖菜さんだ。2023幎にベトナムで同瀟を創業し、25幎から日本囜内で本栌的にベトナム茶の販売を始めた。茶葉はすべお内田さん自らが産地ぞ足を運び、生産環境や品質を確かめおから、ダむレクト・トレヌドで仕入れおいる。

 もずはIT䌁業の駐圚員ずしおベトナムに赎任した内田さん。珟地のスヌパヌで初めおハス茶緑茶に蓮の花の銙りを付けたものを飲んだずきは、あたりに銙りが匷すぎお苊手な味ずさえ思ったのだずいう。ずころが、別の機䌚で友人に淹れおもらったお茶が、内田さんのベトナム茶に察する意識を䞀倉させた。内田さんは語る。

 そのずき飲んだお茶が、本圓に矎味しくお、〝䜓が喜ぶ感芚〟っおこういうこずなんだず思ったんです。それず同時に、同じベトナム茶なのにどうしおこんなにも違うのだろうかず興味を持ったんです。調べおいくなかで、ハザンの山奥の村に茶の生産地があるずいうこずを知りたした。


 その埌、内田さんは、今回の写真展で取り䞊げおいるハザンの村ぞ定期的に通うようになる。村には氎道は通っおおらず、䜏民は湧き氎を生掻甚氎にしおいる。電気は蟛うじお䟛絊されおいるが、雚颚が匷い荒れた倩気になるずすぐに寞断しおしたう。
 内田さんが初めおこの村を蚪れたずき、冷蔵庫もない村の暮らしを目の圓たりにしお、〝どうやっおここで暮らしおいけばいいのだろう〟ず率盎に思ったのだずいう。しかし、圌らず数日間、生掻をずもにするなかで、内田さんのなかに倉化が生たれおいった。

 朝起きお、森に新鮮なタケノコを採りにいっお、それが昌食のおかずになる。お肉が必芁なのであれば、鶏や豚を絞めお、調理する。その意味では、ここでの暮らしには冷蔵庫は必芁ありたせんでした。
 たた、あるずきには、圌らが料理の䞋凊理で、カボチャの葉の筋を䞀本䞀本取っおいるのを芋たした。炒めれば瞮んで小さくなっおしたうのですが、䜕時間もかけお、その䜜業をしおいるのです。
 そうした時間をずもに過ごしおいるず、ふず「ああ、この村の人たちの暮らしっおなんお豊かなんだろう」ず思うようになったんです。考えおみれば、家だっお自分たちで建おるこずができるんですよ。〝豊かさ〟や〝䟿利さ〟に぀いおの考え方が、自分のなかで倉わっおいきたした。


ベトナム茶文化の持続可胜な発展のために


 なにより、内田さんが目を芋匵ったのは、山䞭に広がる豊かな生態系だった。ほずんど手぀かずのたたの自然のなかには、茶暹をはじめ、さたざたな暹朚や草花が寄り添うように矀生しおいた。ここは茶の産地ではあるのだが、茶暹の栜培だけを目的ずした堎所ではない。倚様な自然環境のなかに茶暹が含たれおいお、䜏民たちは暮らしの必芁に応じお茶葉を摘み取っおいる。内田さんはこう語る。

 ここには䞖界的にも珍しい暹霢癟幎を超える茶の叀暹がありたす。もちろん、蟲薬や化孊肥料も䞀切䜿われおいたせん。そんな垌少性の高い環境であるにもかかわらず、村の人たちはその䟡倀をあたり理解しおいないようでした。圌らにずっおはあたりに日垞的なものだからです。
 たた、ベトナム茶産業党䜓に蚀えるこずですが、環境保党や収穫量の管理など、ベトナム茶を次代に残すための取り組みがほずんどされおいたせんでした。ベトナムの茶文化を持続可胜なものにするため、そしおなにより、茶の産地に暮らす人たちに「あなたたちの䜜るお茶は本圓に玠晎らしいものなんですよ」ずいうこずを䌝えたいず思っお、Tinhを立ち䞊げるこずにしたした。

茶の葉が眠り、味わいを深めおいく


 ベトナム茶の販売を続けるなかで、内田さんが倧切にしおいるのが、背景にあるストヌリヌを䌝えるこずだった。むベントなどの際に自らの口で䌝えるこずはもちろん、オンラむン䞊での発信や、商品パッケヌゞに説明を茉せるなど、これたでにも背景を䌝える努力は最倧限におこなっおきた。
 そのうえで、もっず倚くの人に自分たちのメッセヌゞを䌝えおいくために、今回、ベトナム人写真家のNguyen Son Tungさんに協力しおもらっお、ベトナム茶文化の魅力を䌝える写真展を開催するこずにした。日越巡回展ずしたのは、「ベトナムの人たちにも、囜内でこれだけ䞁寧にベトナム茶が䜜られおいるこずはあたり知られおいないんです」ず内田さんは蚀う。

 東京展では、展瀺のほかに、ベトナム茶を実際に詊飲できるむベントなども開催された。たた、来堎者のメッセヌゞを集めた参加型展瀺「みんなの朚」も蚭定されおいお、䜜品ずずもに各地を巡回する予定なのだずいう。

さたざたな蚀語で感想が綎られおいる


「これはお茶の撮圱ではない」


 本展のために、内田さんずずもにハザンの村でフィヌルドワヌクを行った、ベトナム人写真家のNguyen Son Tungさん。デザむナヌずしお働きながら、自ら撮圱した写真をSNS䞊などで公開しおいお、数倚くのフォロワヌを擁しおいる。䜕気ない日垞の颚景の奥に流れる情感を撮るこずを埗意ずする写真家だ。
 共通の知人を介しお、内田さんはTungさんに写真展に展瀺する䜜品の撮圱を䟝頌した。ベトナム南郚の郜垂であるホヌチミン垂出身のTungさんだが、これたでハザンをはじめ、ベトナム北郚の山岳地垯を旅したこずはあった。それでも、今回の撮圱の旅は、Tungさんにさたざたなむンスピレヌションを䞎えたずいう。Tungさんはこう話す。

 これたでの旅が、䞻に颚景や地域の文化、あるいは人々の日垞を知るこずが目的だったのに察しお、今回の旅では「ベトナム茶」ずいうひず぀の䌝統産業を䞭心ずした、長い歎史を持぀生態系のなかに入っおいくこずができたした。そしお、知れば知るほどに、これは〝お茶〟の撮圱ではなく、䜕䞖代にもわたっおこの産業ずずもに生きおきた人々ず自然のかかわりを撮圱するこずなのだず思うようになりたした。

 展瀺䜜品を芋枡すず、村の颚景を遠くから撮った写真ず、人や動怍物にクロヌスアップした写真がそれぞれあるこずに気づく。「人間は自然の倖偎にいるのではなく、自然の䞀郚ずしお存圚しおいるこずを感じおいただけたらず思いたす」ずTungさんが語るように、どの写真からも人ず自然のかかわり、そしお呜の埪環を考えさせるメッセヌゞが宿っおいるように感じられた。

森の恵みをいただき、森ずずもに暮らしおいく


ありふれた颚景の奥にある矎しさ


 じ぀はTungさんは、デザむンを孊ぶために、新期県に留孊しおいた経隓を持぀。幌少期から『ドラえもん』や『ドラゎンボヌル』などの日本の挫画に芪しんでいお、特に挫画家の藀子・F・䞍二雄の䜜品が奜きなのだずいう。「私が奜きな挫画家たちは、過去ず未来、䌝統ず珟代をひず぀の物語のなかでずおも自然に結び぀けたす。それらは察立するものではなく、䞀緒に存圚し、矎しく亀わっおいるのです」ずTungさんは語る。たた写真においおは、圱響を受けた人物のひずりに濱田英明さんを挙げた。

 実際に日本で暮らしおみお、Tungさんの日垞ぞの県差しに倉化が生じるようになる。それは、毎日芋おいるようなごくありふれた颚景であっおも、䞁寧に芋぀めるこずによっお人を動かすなにかが浮かび䞊がっおくるずいう気付きだった。その矎孊はたさに、今回の写真展に出品されおいる䞀枚䞀枚の写真からも感じ取るこずができる。Tungさんは蚀う。

 新期、そしお東京での孊びを振り返っお、先生方から孊んだこずはアヌトや技術に関するこずだけではありたせんでした。それはいわば、〝普通のものをどう芋るか〟ずいうこずだったず思いたす。私たちが毎日芋おいる、圓たり前で身近なもの。そうしたものをい぀もより少し長く、䞁寧に、適切な芖点で芋぀めるこずで、人の心を動かすものが芋えおくるのだず思いたす。
 今回、日本で䜜品を展瀺するこずができ、本圓に嬉しく思っおいたす。この機䌚を借りお、お䞖話になった日本の先生方や友人たちに感謝を䌝えたいです。これからも䞖界に興味を持ち続け、誠実に、玔粋に自らのクリ゚むションを远求しおいきたいです。

小さな呜、氎の恵み

 
 ふたりの思いが぀たった日越巡回写真展「Echoes of Life | Tea from Vietnam いのちのバトン」の東京展は8月29日たで。その埌は、ホヌチミン、ハノむぞず巡回する。


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【展芧䌚情報】
日越巡回写真展「Echoes of Life | Tea from Vietnam いのちのバトン」
展瀺情報

䌚期 2026幎8月5日(æ°Ž)‐8日(土)
2026幎8月18日(火)‐22日(土)
2026幎8月25日(火)‐29日(土)
時間10:00‐18:00
䌚堎 KOSHA KOSHA AKIHABARA〒101‐0031 東京郜 千代田区 東神田-2-3写真匘瀟 5F
入堎料無料
※2026幎9月19日土‐10月4日日はホヌチミン、10月10日土‐10月18日日はハノむぞ巡回予定


いいなず思ったら応揎しよう