詩 _ 「曲線」
毎晩貸し切りの映画館
見たくない夢ばかりが上映される
甘くならないキウイを見ながら
夢はここから生まれたのではないかと思う
硬いキウイがうまく熟れていかないのは
感情に曲線が減ったせい
はじまりは直角に折れ曲がることが
増えたことだった
心遣いはやわらかくて
曲線のうえで揺れる
そうでないものは角で
いやな音をたてて動いている
まっすぐに受け止めてしまうから
直角に折れ曲がる
キウイはその振動を聞き分けて
角の音を吸収する
やわらかくなれずに
縮こまり佇む
曲線が戻るのが先か
やさしい夢が上映されるのが先か
今日も硬いままのキウイを見つめている
