少しでも体を動かすことが高齢者にとっては重要
「年を取ると体力が落ちるのは仕方がない」とよく言われます。では,毎日よく動いている人と,座っている時間が長い人では、「フレイル(虚弱)」のなりやすさは本当に違うのでしょうか。フレイルというのは,高齢者の筋力や活力が低下している状態のことを指します。
散歩や家事など普段の何気ない身体活動でも,将来の健康を守ることにつながるのでしょうか。こういう研究は,高齢化社会を迎えた私たちにとって,とても重要な問題です。
フレイル
フレイルとは,加齢によって体のさまざまな機能が低下し,病気やストレスに弱くなった状態を指します。フレイルになると,転倒や要介護,入院のリスクが高まるだけでなく,日常生活を自立して送ることも難しくなります。一方で,フレイルは適切な介入によって改善や予防が可能であることも知られており,早い段階で危険因子を明らかにすることが重要な課題となっています。
これまでの研究では,身体活動量が多い高齢者ほどフレイルになりにくく,逆に座って過ごす時間(座位行動)が長い人ほどフレイルになりやすいことが報告されてきました。しかし,多くの研究では質問紙による自己申告が用いられており,「実際よりも多く運動したと答えてしまう」「座っていた時間を正確に思い出せない」といった測定上の問題が指摘されていました。
測定機器
近年では,加速度計などのウェアラブル機器によって,日常生活での身体活動や座位行動を客観的に測定できるようになっています。しかし,そのような研究でも,フレイルの人ほど座位時間が長いと報告する研究がある一方で,明確な違いが見られない研究も存在します。
そこで,ウェアラブル機器を用いて身体活動量と座位行動を客観的に測定した観察研究を系統的に収集したメタ分析が試みられています。
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