すもものなる頃に
すももの季節が始まった。
うちの畑には二種類のすももの木がある。いつからそこにあるのかは分からない。気づいたときにはもう立派な木で、今では三メートルくらいあるだろうか。
一つは黄緑色の実をつける木。もう一つは赤い実をつける木だ。赤い方は葉っぱも少し赤みを帯びている。

食べてみると、どちらも甘酸っぱい。桃のようなねっとりした甘さではなく、酸味が先にやってくる。たまに驚くほど酸っぱい実もある。
そんなときは思わず、「あ、はずれだ」と思ってしまう。実をありがたくいただいている身分のくせに、勝手なものである。
この前まで金柑がなっていたと思ったら、いちごの季節になり、今はすももの季節だ。人間の世界では争いごとが絶えない。けれど自然は、そんなことにはお構いなしに巡っている。
すももは冬をじっと耐え、春に花を咲かせ、初夏に実をつける。そして秋には葉を落とし、また冬を迎える。何のために生きるのか。そんなことを考えている様子はない。ただ、その時期が来たから花を咲かせ、実をつける。それが自然の営みなのだろう。
ふと、人間だけが「人生の意味」や「生きる目的」を探しているような気がした。感情が揺れ動くことは良いことなのだろうか。それとも苦しみの原因なのだろうか。
そんなことを考えながら、もう一つすももを口に入れた。今度のは甘かった。
