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【短編小説】Y氏の矜持

 Y氏の口元から初雪と同化するかのような白い息が零れ出ていた。外に出たばかりの二人は看板が灯していた暖色にそっと包まれている。

「今日は楽しかった、ありがとう」
 デートの場所に選んだ蟹すき鍋屋は美味だった。ただY氏は目の前にいる女性よりも、途中から蟹のことが気になって気になって仕方がなかった。

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