見出し画像

(閑話)単語の意味が分からない

ここ1~2年、制定された当時の狂犬病予防法を読んでいるので、法律のことばかり書いていますが、私は動物愛護を取り上げている中で法律を取り上げているのであって、法律を深く勉強する気はありません。
そのような人間にとって、時折躓くのが「普通の日本語と違う」と感じる単語や表現。今回はそんな話。



今まで出てきたものの中から:集合施設

制定時の狂犬病予防法(集合施設の禁止)第十七条、というものがあります。ちなみに、今の狂犬病予防法でも第十七条であり内容も変わりません。

初めて読んだ時「集合施設の禁止」って日本語としておかしいだろうと思いました。
第十七条の説明に書きましたが、法律で「施設」といった場合、その物だけではなく、それを利用した活動を含めた全体を指すらしいです。

このように法律で書かれている単語は「あれ?」と思ったら、その都度調べねばなりません。面倒ですね。でもこれからの動物愛護を世に広めるためには避けては通れません。
その労力を少しでも減らすために、このnoteを作っています。
勝手に情報ボランティアだと自負しています。


法律から見て許される行為なのか?

大規模災害が起きた時、ある地域から人が避難し動物たちが取り残されるケースがあります。その後、基本的に立入禁止になった場合、日々人間の世話を受けて生きてきた動物たちは命に係わる状況になります。
東日本大震災の時に繋がれていた犬達は餓死するしかありませんでした。

この様な時、もし何らかの事情で自分がそこに立入ったとしたら、私は躊躇なく犬達の首輪を外すか、車に余裕があれば犬を立入禁止区域から連れ出すことでしょう。

この行為を法律から見るとどうなるでしょうか?

日々人間の世話を受けて生きている動物たちはほとんどの場合、誰かの財産とみなされます。それを勝手に放したり、移動することは許されるのか。

違法性阻却事由

詳しいことは省略します。法律の基本的な考えの中に違法性阻却事由というものがあるそうです。
杓子定規に考えたらいけないことだけど、その状況から考えて、その場で(急いで)それを行わないと、誰かの生命身体に危機が及んだり、財産権利を守れないような場合、その行為を違法としない、というもの。

これを知ったのが、東日本大震災後に人間が避難した後の立入禁止区域内の動物のことでした。
ただし、今の日本において、先に書いた行為がこれ(違法性阻却事由)にあたるかどうかは定かではありません。

似たようなケースで、車の中に犬が残されて暑さで苦しんでいる時、窓を割るなどして犬を助けたとしたら、この対象になるかならないかも定かではありません。
ならなかったら民事・刑事で責任を負うことになります。

この名前が「違法性阻却事由」というのは、なんとなく理解出来るのですが、これをもう少しだけ具体的に調べようとすると、普通と違う、と感じる語句に出会います。

(参考)Wikipediaの「違法性阻却事由 (日本法)」のページ

緊急避難

上記(参考)に示したページを読んでみると「正当防衛」と「緊急避難」が目に入ってくるとおもいます。「正当防衛」は分かると思いますが「緊急避難」が違法性阻却事由とどう関係があるの?とおもう人が多いのではと思います。
法律でいうところの緊急避難は、正当防衛と同様のことです。

民法720条のタイトルは「正当防衛及び緊急避難」で一つの条文になっています。正当防衛は不法行為に対して、緊急避難は他人の物から生じた急迫の危難を避けるために行う行為について規定されています。

刑法(正当防衛)第三十六条(緊急避難)第三十七条
正当防衛は急迫不正の侵害に対して、緊急避難は現在の危難を避けるため、行った行為について規定されています。

(参考)
Wikipediaの緊急避難のページ
民法:(正当防衛及び緊急避難)第七百二十条
刑法:(正当防衛)第三十六条
刑法:(緊急避難)第三十七条

緊急事務管理

頼まれてもいないのに、目の前のものが壊されそうになったり、誰かの生命・身体に危機が迫っていると考えて行動したことに対する規定として「緊急事務管理」というものがあります。
法律上の文章では「義務なく他人のために事務の管理を始めた者」について書かれています。

前の方で書いた、動物を放すことや移動すること、車の中の動物を助けることがこれにあたるかどうかは、先に書いたように現在の日本では定かではありありません。

今回は単語の話なので、そちらに戻します。

事務」というと事務室で行っている事務作業のことだと思ってしまうのですが、法律では、何らかの利益に係る行為全てを事務と呼ぶそうです。
お喋りや散歩は違いますが、営業トークや配達、その他肉体労働も事務になります。

このように一般の感覚とは違う使い方をするので、法律を読む時は(専門的に学ぼうとしなければ尚更)常に注意しながら読まねばなりません。
ここが今回の最も言いたいところ。

今回は閑話の閑話(余談)ばかりになったので、ついでに、この緊急事務管理周辺のこと。
緊急でなくても事務管理(義務がないのに他人のために利益に係ることを始めた行為)について民法 第三編  債権 第三章 事務管理(第697条-第702条)に書かれています。

読んでいただけば分かりますが「最も本人の利益に適合する方法によって」行われなければならない(第697条・事務管理)となっていますが、これを確かめるのは難しいですよね。後から本人が「最も私の利益に適合する方法ではない!」と主張されたら、善意が覆されてしまいます。

これを曖昧にするのが緊急事務管理(698条・緊急事務管理)のようです。「悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。」と書かれています。

緊急避難(第720条)の考えで、動物を放すなどをしても民法上損害賠償の責任を負わないで終わると思ったら、事務管理の方を読むと(管理者による事務管理の継続)第七百条があり「管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない。」とあり、動物を放しただけではこれに反する可能性が高くなります。

(参考)
Wikipediaの事務管理のページ
民法 第三編  債権 第三章 事務管理


面倒である説明をするために面倒な文章になってゴメンナサイ

単語の使われ方が普通とは違うことがあると説明したかったのですが、例が難しかったみたいです。
私が今まで経験した中で、最も記憶に残っていたのが「施設」「避難」「事務」だったので今回取り上げました。

飼い主(所有者、占有者)がその場にいない動物を助けようとした行為については、まだまだ議論の段階です。それを先に進めるためにも、一人でも多くの人に、この辺りの(法律の)ことを知っておいていただきたい気持ちもあり取り上げました。

今後、このようなことについて議論されること、日々の生活で意識されることを祈っています。

ここまで。


いいなと思ったら応援しよう!