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1月18日16時00分 VANITAS更新済 ! ! 第五章最終章へと突入

VANITAS更新版1/4バージョンアップロード完了です。
現在、1/7 22時現在、75ダウンロード ! ! を頂戴しております。
お一人お一人のあなた様に心より御礼申し上げます。有り難うございます。
尚、残り3回、pubooでの総文字数40000字オーバーのpuboo版仕上がりとなります。

また、わたくし事から、暫く更新できませんでしたこと慎んでお詫び申し上げます。ごめんなさい。ここ数日は更新を重ねると思います。

puboo版仕上げ後、後日、リライトを入れ50000字以上、400字詰め140枚程度の作品として完成させる予定ですが、完成版のアップロードは然るべきタイミングを経た後となります。悪しからずご承知おき下さいますよう。

隆二がついに日本最高学府の西の名門、京都の国立大学からのオファーを受け動き出すのだが……
隆二を引き上げ、国立大学と繋げた林から隆二のもとに齎されたオファー~それは、年収1200万円というものだったのだが…… どうする隆二、どうなる隆二。お前が欲しかったものは栄誉か、名誉か、金だったのか。本作VANITAS、いよいよ大詰め ! ! 

「わたしねぇ~パワハラで首になっちゃいまして……」 
隆二は驚かなかった。寧ろ当然の結果だろうと感じていたのだが……


小説『VANITAS』イントロダクション


上野は国立西洋美術館の前庭。松原隆二の脚はとまっていた。オーギュストロダン作「地獄の門」の前だった。高さ5.4m幅3.9m重さ約7トンのブロンズ彫刻は1933年の完成である。
【確か世界で7カ所ほどあったはずだが……それにしても、何故、日本に2カ所もの地獄の門を作る必要があったものか。まぁ、静岡県立美術館はロダン作品に特化した美術館でもあるからして然もありなんという按配に留め置くことは簡単なのだが。それにしても…… 】隆二の眼は国立西洋美術館正面入り口に掲げられたポスターを見やった。そこには『Vanitasというもう一つの真理~世界のVanitasを一堂に集めて』と銘がうたれていた。

隆二は僅かのあいだ肺に溜めたタバコの煙を細く細く、尾を繋ぎ止めるように吐き出してみせた。静かに、懐かしむように、紫煙と上野の森の空気を混合化させ乍ら。目は、鉛色の東京の空へと移したまま見上げたきり動かなかった。無表情のまま。観る者にはそれは差乍らブロンズのようにも映っただろう。

「上野か……」昔、上野、金儲け……導き出された答えは、イラン人という人達であり、偽造テレホンカードが彼らの収入源だった時代であったことを思い出していた。
「地獄の沙汰も金次第……、さしづめ地獄の門も金次第で開いたり閉じたりか。風俗姉ちゃんの股の下じゃねぇっんだよ、ねぇ、考える人よ」隆二は薄い笑みを滲ませるとワザとらしく下卑た言葉にしてみせた。人間によっては畏まった場所であり環境に身を置くと妙に悪ぶってみたくなる性質をみせる者もいるのだが、隆二もこのタイプに属していたのかもしれない。

ロダンは、「考える人」をPoète(詩人・フランス語)と名付けていた。ロダンは「詩人」と名付けている。ロダンは何故、詩人と名付けたのか。
地獄の門のファサード付近に設えられたPoèteは後にそれだが鋳造され現在の「考える人」となっている。

フローレンス(フィレンツェ)出身の詩人であり、哲学者として活躍したダンテによる「神曲」地獄篇第三は名高い。
 我を過ぐれば憂ひの都あり、
 我を過ぐれば永遠の苦患あり、
 我過ぐれば滅亡の民あり
 義は尊きわが造り主を動かし、
 聖なる威力、比類なき智慧、
 第一の愛、我を造れり
 永遠の物のほか物として我よりさきに
 造られしはなし、しかしてわれ永遠に立つ、
 汝等こゝに入るもの一切の望みを棄てよ
  「神曲」岩波文庫 山川丙三郎氏 訳

ダンテには、子供のころから密かに心に秘めた女性がいた。それがベアトリーチェだった。がダンテの恋は実りを得ることなく、双方ともに別な伴侶を得ている。その後ベアトリーチェは24才という若さで、病のためこの世を去っている。ベアトリーチェの死報に触れたダンテは半狂乱となり悲嘆に暮れたと伝わっている。
後にダンテが生涯をかけて産み落としたのが「神曲」ということであり、地獄の門なのだが、ダンテの憂鬱質がどれほどのものであったか分かろうという史実である。
「考える人」は、ダンテが密かに永遠の愛を誓った、ベアトリーチェの余りにも若すぎる死に触れ打ちひしがれたダンテそのものを顕しているだろうことが想像に容易く、「詩人」と名付けたロダンのダンテへのオマージュと眺めることが相応しい……隆二はそう考えていた。地獄の門、憂いの都は、ダンテにとってのそれだったのだろう。

「まぁVanitasをやるのであれば、日本でここより相応しい美術館は無いということか……」隆二はそう言葉にするとここで二本目の煙草に火をつけた。

2013年春、隆二のもとにひとつのニュースが齎された。それは思いのほか大事となりそうな気配を孕んでいた。
「バカが。だから生兵法は怪我のもとと云う。しっかりとした勉強をしていないことを自ら晒したに過ぎまい。だからゼロを学ばなければならないのに。それにしても……この芽は摘んでおかなくば寧ろ対岸の火事では済まなくなるかもしれぬわなぁ……どう動くか」隆二はパソコンのメールを閉じるとそう呟いていた。

以下、VANITAS本編、puboo 飛鳥世一管理ページよりお楽しみください。

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